声:石上静香(アニメ版)
概要
『逆転裁判』第3話『逆転のトノサマン』に登場。年齢7歳。身長128cm。
子供に大人気のヒーロー番組『大江戸戦士トノサマン』の熱狂的なファンの少年。定期的に製作所の『英都撮影所』に侵入しては、トノサマンの姿を隠し撮りする程の大ファンである。九太が好きなキャラは主人公にしてヒーローのトノサマンに限られており、そのライバルにして悪役のアクダイカーンは眼中に無い。『英都撮影所』には何度も無断で侵入しており、その度に警備員・大場カオル(通称オバチャン)に追い駆けられ目の敵にされている。「九太への対処」がオバチャンの目下の悩みになっていたりもする。最近は親に買って貰ったデジタルカメラが大のお気に入りで、休日に遊園地やデパートの屋上で行われている『トノサマンのヒーローショー』に足を運んでは写真を撮っており、前述の撮影所の隠し撮り写真も含めて、撮影したトノサマンの写真は全て『栄光の足跡(えいこうのあしあと)』と名付けたアルバムに収めている。このアルバムは後述の事件当日に紛失してしまったが、最終的には捜査に携わった弁護士・成歩堂龍一によって回収されて「証拠品の1つ」として利用された。
少年が見たトノサマン
「トノサマン役の俳優・荷星三郎がアクダイカーン役の俳優・衣袋武志を殺害したと見られる事件」が発生した時にも『英都撮影所』に足を運んでおり「トノサマンの着ぐるみを着た、被害者の衣袋が殺害された場面」を目撃していた為、証人の1人として出廷する事となった。作中で度々、登場する「背の低い証人の踏み台代わりのミカン箱」を初めて使用した人物でもある。後に『逆転裁判3』に登場した『葉桜院』の住職である中年女性・毘忌尼は身長140cmでミカン箱2段重ねだった為、もしかしたら身長128cmの九太はミカン箱が三段重ねだったのかもしれない。
見た目通り、非常に生意気な性格の少年で、周囲を翻弄する発言や行動は枚挙に暇が無い。事件の捜査目的で撮影所を訪れていた綾里真宵と出くわすと、その装束を「狂ったファッションセンス」と称して泣かせた他、荷星の殺人容疑を巡る裁判では、共にまだ24歳の青年だった担当弁護士・成歩堂龍一、担当検事・御剣怜侍を「オジサン」呼ばわりしている。ことに成歩堂に関してはこの後、姫神サクラから真逆の「坊や」呼ばわりされており辟易していた。基本的には協力しようとしないが、真宵が霊媒した姉・綾里千尋には彼女の美貌と優しさから懐いており、人懐っこく「お姉ちゃん」と呼んで素直になる。法廷でも生意気な態度を取っていたが、千尋に注意されると即座に態度を軟化させて、正直に証言を修正する一幕も見せた。
裁判中も強気な言動と態度に徹していたが、子供らしいトノサマンへの思い入れから「ある事実」を隠していて、それを成歩堂に暴かれた時にはショックで大泣きした。『蘇る逆転』の攻略本では、スタッフによる制作経緯が語られ「子供ならば、きっと大人とは違う理由で嘘を吐くのではないかというミステリー要素を表現する為、登場させたお気に入りキャラ」との事である。
エンディングでは、事件が原因で打ち切りになってしまった『トノサマン』に代わって、新たに放送開始された『小江戸剣士ヒメサマン』のファンになっていた。だが撮影所に侵入する悪癖が祟って「ヒメサマンのスーツアクターは、強面かつ筋骨隆々の巨漢・荷星である実態」を知って、傷心する余り「もうショックだよ!あんなムサイのがヒメサマンだなんて‥‥」と語りつつ泣きべそをかいた。これを機に九太の悪癖が無くなる事を願うばかりである。ちなみにオバチャンは今回の裁判の序盤にて、その場凌ぎにと成歩堂に殺人容疑を向けられたのが影響して、スタッフから悪印象を抱かれたのを理由に撮影所を去って転職した為、九太との因縁は途切れるに至った。オバチャンの転職のタイミングは続編『2』の時期なので『1』のエンディングの時点では、まだ撮影所に勤務している彼女の姿が見られる。
名前は「オタク」に由来すると思われる。「2009年度生まれ」なのにも引っ掛けているのかもしれない。作中の時間軸が2016年の10月なので、逆算すると当時7歳であった九太は2009年度生まれという事になる。ちなみに真宵の従姉妹・綾里春美と同い年である。『逆転』シリーズの登場人物の年齢は、現時点での年齢ではなく「舞台となった年で、誕生日を迎えた時の年齢」で設定されている。
アニメ版
尺の都合上、カードの取り引きや、千尋からの色仕掛けが無くなった為、成歩堂の説得で素直に真実を話す、真宵の服装を馬鹿にするなどの場面など無くなった為、原作同様に彼女が拾ったトノサマンのアルバム『栄光の足跡』を「データならあるから」という理由で、快く譲ってあげるようになっている為、原作よりも良心的な性格になっている。また、成歩堂に「トノサマンはどうして負けないんだと思う?」と訊ねられた時は「強いからに決まってんだろ」と子供なりの返答をするが、「強いから勝つんじゃない。正しいから勝つんだ」と諭されている。
また原作と違い、証言台には立たないが、3日目の裁判の際は傍聴席におり、裁判の最中に追い詰められた成歩堂を激励したり、トノサマンの無実を主張する為、法廷に乱入したりと、トノサマンに対する想い入れが強調されている。また事件解決後は、成歩堂や真宵と共に『小江戸剣士ヒメサマン』を事務所で視聴する場面も描かれた。