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賢者の贈り物

けんじゃのおくりもの

オー・ヘンリーの代表作の1つ。クリスマス劇の演目としても非常に人気が高く、様々な機会に演じられる事が多い。
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解説編集

アメリカの小説家のオー・ヘンリーの代表作の1つ。

タイトルは新約聖書に記してある、キリスト誕生の際に東方の三博士が贈り物を持って現れた逸話が元ネタ。

健気な若夫婦のクリスマスプレゼントをめぐる皮肉な行き違いを描いているが、とてもハートフルなストーリー。


物語編集

ジムとデラは、貧しくも仲良く暮らす若い夫婦。

ある年のクリスマスイヴ、デラは夫のジムに贈るプレゼントが買えない事を嘆いていました。


彼女の所持金は、わずか1ドル87セントだけ……

これは日々の買物の際に彼女が八百屋や肉屋と熾烈な価格交渉を繰り返し、コツコツ蓄えたお金なのです。


さて、ジム家は2つの自慢の逸品を持っています。

1つは、ジムが持っているお爺さんの代から受け継がれた鎖の無い金時計。

もう1つは、膝まで伸ばしたデラの美しい褐色の髪でした。


デラは鏡に映る自分を見つめ、少し躊躇いましたが涙を流して決心しました。

そして、その流れる様な髪をバッサリ切って売ったのです。


ジムがいつも嬉しそうに褒めてくれたデラの髪で得られたのは、夫婦の1週間分の収入と同じ20ドル。

デラは勇んでジムへのクリスマスプレゼントに金時計の鎖を買うと、ささやかなクリスマスパーティーの支度を整え、夫の帰りを待ちます。


そして帰ってきたジムはプレゼントされた金の鎖と、短くなった妻の髪を見て非常に驚き、落ち込んでしまいます。

デラが訳を聞いてみると、なんとジムは彼女へのクリスマスプレゼントに、大事な金時計を売って宝石がついた美しい髪飾りを買っていたのでした。


二人はしばし沈黙すると、デラはまた髪が元通りに伸びるまで、ジムは金時計を買い戻すお金が溜まるまで、その時が来る楽しみの糧とすべく、今はプレゼントを大切に取っておく事にしたのでした……


お互いの贈り物は結果として無駄になってしまいましたが、自分の大切な人のために、自分の一番大切なものを犠牲にした二人の『決断と真心』こそ、まさに賢者と呼ぶのに相応しいと言えるでしょう…。


余談編集

この作品が描かれた1905(明治38)年当時のレートで1ドル87セントは、約3円77銭。

日本での小学校教員の初任給が10〜13円の時代である。


関連タグ編集

オー・ヘンリー 東方の三博士

クリスマス クリスマスプレゼント


ゲインズ スザンナあるゲームで登場した親子。お互いの大切な物が本作の贈り物を元ネタとしている。

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