概要
声:松岡洋子
主人公・進藤ヒカルより3か月早く、院生(プロ棋士を目指す少年たちが鍛えられる)になった少年。年齢はヒカルの1学年下。
裕福な家庭の生まれで、囲碁好きの父方の祖父の傍らで囲碁を覚え、祖父の棋力を抜いて院生になった。
プロ棋士を家に呼んで、囲碁の指導を受けている。
小六の10月に院生加入し、2組の最下位から始まったのだが3か月後、ヒカルが院生加入した頃には、1組3位だった。
初めて参加する若獅子戦では、2回戦でも勝利(伊角と足立が2回戦敗退で、ほか13名の院生は1回戦敗退)をし、決勝戦までには塔矢アキラ以外の選手に負けた様子。若獅子戦前に、ヒカルは院生がプロに勝利することもある話を聞いて、すごいと驚いていたが、それに対し本人は、「プロに勝てないくらいでは、プロ試験も受からない」と考えていた。
プロ試験の最中、祖父の計らいでアキラと対局する機会を得るが、アキラが自分をヒカルの力量を計る道具にしようとしている事に腹を立て、初めはアキラの指導を受け付けなかった。しかし周囲が噂するヒカルの成長や、アキラのヒカルへのこだわりを聞くうち対ヒカル戦への危機感が強まる。目先のプライドを捨ててアキラに師事し、入念な対策を経てヒカルとの戦いに臨む。
プロ試験直前の順位では、伊角慎一郎を抜いて1位だった。院生仲間の中では、伊角が1番のライバルであり、本田敏則や和谷義高のことも意識している(不調や棋力不足だと分析すれば、他のプロ試験受験生含め、年齢や順位に悪気なく無礼な発言をしてしまうこともある)。ヒカルのことは、彼らに次ぐ程度の実力者(足立、小宮と同等)であり、成長は認めるものの警戒まではしなくてもいいと評していた。また、院生手合ではヒカルに勝利している。
全勝の首席合格を目指し、連勝するも、伊角に敗北。また、塔矢アキラと接したことで打倒進藤へとより高い目標を持つようになる。ヒカルのミスで優勢になるも、ヒカルも粘ってまた五分五分になった。結果はヒカルに1目半差で逆転負けだが、院生師範からは「大きな1目半だな」と言われる。祖父からは全勝と打倒進藤の目標は叶えられなかったが、首席合格であることには変わらないと励まされたが、悔しさを隠しきれなかった。
新初段とトップ棋士が対局する新初段シリーズ(ハンディあり)では、ヒカルと和谷が負けたが、本人は勝利した。中二の夏頃まで棋戦の成績は連勝していたが、秋頃に和谷に負けた。出版部からは、18歳以下の棋士の日本代表候補に挙げられ評れた一方、勝つまでは難しいとも評された。
日中韓の18歳棋士が争う北斗杯ジュニア囲碁大会の日本代表決定戦に同期と共に参加した(アキラとは異なり、実績考慮の免除はなかった。しかし、関東内での予選では戦績の劣る先輩棋士が相手であり、実績を考慮した組み合わせだと分析した)。
決勝戦の相手は和谷で、手厚い碁で逆転勝ちを収め、代表に選ばれた。しかし、もう一つの決勝戦・社清春vsヒカルの対局を見て、自分が選ばれたことに納得はできず、審判に抗議し、敗者の社に挑戦した。本人もよく打ったが、結果は中押し負け、代表を辞退した。
人物
プライドが高く嫌味っぽい性格。手合いの相手にも歯に衣着せぬ物言いをするせいで彼を嫌う者も少なくない。だがプロ意識は仲間内の誰よりも高く、シビアな勝負の世界も十分理解した上で棋士の立場に身を置いている。
悪口を言ってきた先輩棋士へ冷静な事実を指摘したり、北斗杯予選で勝ち上がったにもかかわらず、選手に相応しい実力を互いに見極める為、社清春に対戦を申し込んだりと、精進の度合いはアキラにも引けを取らない。
一方でそのアキラにはあまり意識されていないことを気にしており、ヒカルと同様にアキラをライバル視するようになるが、今のところヒカルとの竜虎相搏つ間柄に入り込める余地は無い。
棋力は精神面でムラのある伊角を除けば、院生一位に上り詰める高成績を誇る。本人も棋力の高さを自負する一方で努力も欠かさず、手合いの後は必ずトイレに篭って復習する癖がある。