概要
廃棄された家電・バッテリー等を鉱山に準え付けられた呼び名。本当に都市で鉱山が開拓・掘削されているわけではない。
これらのアイテムは処理するのが大変なので、かつてはやっかい者とされていたが、その部品には希少な資源であるレアメタル(レアアース)が使われており、一転して宝の山と化した。我々が普段お世話になっているスマホやパソコン、テレビにその他家電……こうしたアイテムには大なり小なりレアメタルが含まれていると聞けば、その重要性が伝わるだろう。
そもそも鉄ですらそうであるように、金属資源というのは基本的に坑山を掘って鉱石を集め、さらにそれを精錬するところから始めなければならない。
鉄の場合は埋蔵量も産出も多く、なおかつ精錬も容易なのだが、レアアースは絶対量が少ない上に精錬も非常に大変で、文字通り山ほどの鉱石があってもそこから採れる量はタカが知れている。対して都市鉱山はスムーズかつ効率的に希少な資源を確保でき、輸入にあたって産出国に足元を見られる(※)リスクも減らせるため、家電のリサイクルが推進されているのだ。
※元々レアアースは中国が97%という驚異的なシェアを誇る独占状態で、当然日本も中国に依存していた。
ところが2010年の尖閣諸島における領海侵犯事件の影響で中国が日本に対するレアアース輸出を停止。対する日本は猛烈な技術開発+新たな産出国であるオーストラリアへの援助などを行ってこれを乗りきり、「従来の300倍だが売ってやるぞ」という譲歩(というかほぼ当て付け)を退けてみせた。この後中国はWTOに怒られるわ国内の悪徳業者のせいで質も値段も信頼も下落するわでシェアが7割程度までダウンし、いろいろしっぺ返しを食らうことに……。
関連タグ
東京オリンピック(2020):授与するメダルの素材に都市鉱山から採り出した金属が使用されている。