概要
哲也が根城にしている新宿の裏社会の金貸しで、カラスが鳴けば1割の利子がつく「カラス金」の高利貸し。眼鏡をかけ、帽子をかぶり、コートを羽織った、いかにもな出で立ちが特徴的。口癖は「シシシ…」で、シーンごとに「シ」の文字の数が異なる。また、取り立ての際、決断の付かない相手には「〇〇をするか、××をするか、どっちだ」と詰問するシーンが多い。ヒロポンの横流しも行っている。哲也たちとは敵にも味方にもなる中立的な人物で、新宿の玄人社会の生き証人でもある。
初登場時は対印南善一戦。印南と哲也の勝負を見たいがために第三者として参加し、安い手で一度あがった。印南が負けて彼に貸した金や横流ししたヒロポンの代金を名勝負を見て帳消しにするなど男気にあふれている場面も見せた。しかし、それ以前に「印南の勝ち金でも貸し分が足りない場合は見物料ということで我慢する」と言っており、直後に印南にヒロポンを要求された際に「甘えるな」「商売だから文無しには売れねえ」とも言い放っている。
ダンチが女(カン子)に浮かれていた際にも金を貸しており、「どうせ返ってこないだろう」と踏んだのか、カン子と引き離された後日のダンチに取り立てに来た際にも、自分が金を貸した客が建てた麻雀ビルに巣食う玄人を排除することで借金をチャラにする仕事を哲也に持ち掛けることで収めようとしていた。
哲也が北海道までの旅から帰還した際には、新宿の雀荘各地を自身の投資でドサ健一派に貢献していた。
金貸しゆえに取り立てが厳しく、福寿荘マスターが肩代わりした借金の取り立ての際にも辛らつな口調で「契約書にサインしてマスターの店をチェーン店にするか、雀荘を借金の肩代わりに明け渡して家族を路頭に迷わすか、どっちだ」と責めていた。だが、福寿荘マスターが玄人のための店を残したいという気持ちを理解しており、「金が帰ってくればいい」という建前で雀荘を流行らせた実績のある雀ボーイ・奄美のハブを派遣した。しかし、これには裏があり、ハブは上野四天王の刺客であり、福寿荘の登記簿と借用証書をかけて哲也と戦わせ、哲也側が勝てば借金はチャラ、負ければ登記簿没収という合理的なやり方で借金を返させる算段でもあった。しかし、哲也側(ダンチ)が勝ち、借金はチャラになった。
哲也がドサ健との勝負に敗北後、知覧までの旅から帰還してドサ健へのリベンジを果たすために借金を要求された際には「ドサ健に一度負けている」という理由で断り、講談出版の編集者・宮木武士を同伴して訪れた際には「宮木が金を借りる」ということで説得され、カタギの人間に貸せる限度額・100万円を貸した(当時の価値で約1000万円だが、連載当時の価値に合わせて表記しているのかは不明)うえで自身も参戦する。
雀力
基本的に本職を優先しているので雀力は玄人には及ばないのではないかと思いきやそうでもなく、哲也の勝負によく第三者として参戦しているため、玄人の腕前や技を見極める眼力とそれを理解する頭脳を併せ持つ。それ故に放銃せず、もしくは和了らないなどカモられないだけの実力はある。