CV:高田憂希
概要
漫画『もののがたり』の登場人物であり、本作のメインヒロイン。
代々付喪神を守り神として奉っている長月家の娘であり現当主。
幼い頃から6人の付喪神と共に暮らしており、現在は20歳で現役の女子大生である。
人物
基本的に温厚な性格であり、誰に対しても丁寧に接する心優しい女性。
共に暮らしている付喪神の婚礼調度を家族同然に大切に思っており、彼らのことを悪く言われたと感じた際には怒りを露わにし、その思いは非常に強い。
一方で過去に経験したある出来事が原因となり、人に心の底から信頼を置くことができず、友人以上に関係を深めることを恐れている繊細な面もある。
兵馬とは出会った当初こそ彼が付喪神嫌いだった故にギクシャクしていたが、共に暮らし心を通わす内に互いの身の上を語り合ってより良い友好関係を築いており、後に彼の一本気な人柄に惹かれ、それまで恐れていた深い信頼関係を結びつつある。
恋愛に関しては奥手であり、婚礼調度たちが兵馬を(勝手に)彼女の未来の旦那候補として迎え入れた際には顔を真っ赤にして大慌てしていた。
その後も度々に「許嫁」と見られては互いに赤面してばかりだったが、上述したように兵馬と交流を重ねる内に彼を異性として意識し始めている様子。
現人神(あらひとがみ)
一見すると平凡な人間の女性にしか見えないが、実はその身に付喪神と同じ彼らの魂である稀人(まれびと)を宿しており、そのことから一部の塞眼や付喪神からは『憑坐(よりまし)』と呼ばれている。
その力は非常に強く、普段は長月家に仕える付喪神・婚礼調度の一人である匣の結界術によって封印されているが、その状態でも完全には抑えられず、その神秘的な力に当てられて、あやかろうとする付喪神や一部の人間が光に集まる虫のように引き寄せられ、幼い頃からその身を狙われ続けてきた。
この封印は、ぼたんの人間に対する認識や心境が大きく関わっており、彼女が人間に対して好意や愛情・信頼を持つほどに封印は強く固くなり、逆に裏切られたり大事な者を失ったりすることで失意や絶望から人間に見切りをつけてしまうと封印は弱まって破られてしまう。
婚礼調度がぼたんの旦那様候補を探しているのは、彼女の幸せも勿論だが、全てを捧げ生涯を共にできる相手を見つけることにより、彼女の中の稀人を完全に封じ込めることも兼ねているのである。
封印が破られてしまうと、稀人がぼたんの身体を完全に乗っ取り、別人格が顔を出す。付喪神のような“物”ではなく“人”の身体を得た『現人神(あらひとがみ)』として顕現するのである。
その際は彼女の外見も大きく変わり、髪の色が真っ白に染まり、瞳に独特な紋様が浮かび上がる他、身体の周囲に黒いモヤを天女の羽衣のように纏うようになる。
この現人神は、人が物を使うように付喪神を長として使役する存在に成り得るとされており、そのため賽眼たちからは彼女を危険視する者も多く、一部の付喪神には彼女を自分たちの「主(あるじ)」となる存在として崇拝する者たちがおり、覚醒させるために稀人の器であるぼたんをつけ狙っている。
普段の封印されている状態では、彼女の稀人は付喪神たちには小さな灯りのように見えているが、この覚醒状態での彼女は太陽のように光り輝いて見えるらしく、その凄まじい神々しさと威圧感から、彼女を起点に広範囲の付喪神たちは無意識の内に跪いてしまうほど。
最初に覚醒した際はまだ赤子のような状態であったが、二度目の覚醒時は明確に自我が芽生えており、穏やかな性格のぼたんとは対照に荘厳かつ威圧的で、付喪神のことは「モノの語りに耳を貸す道理はない」と道具としてしか見ていないように語っており、身体に損壊がある付喪神を「見苦しい」と言って「廃棄」と称し消し去るなど容赦がない。
一方で、ぼたんに仕える婚礼調度に対しては何か特別な思い入れがあるのか、戦いで傷つき損壊した彼らの身体を修復するなど、不可解な行動を取る。