概要
「陽黒」とは、ブラウザゲーム『艦隊これくしょん』に登場する駆逐艦娘の陽炎型1番艦「陽炎」と、同じく陽炎型3番艦「黒潮」のコンビまたはカップリングを指す呼称である。
なお、同じ読みのカゲ黒というタグもあるが、こちらはカゲロウプロジェクトと黒子のバスケのコラボレーションタグなので注意。
ゲーム中では互いに言及する台詞がなく、どちらかといえば2番艦の不知火も含めたyaggyのトリオとして描かれることが多いが、史実においてはこの2隻は縁が深く、共に同じ陽炎型で、同じ部隊(第二水雷戦隊、第十五駆逐隊)に所属し、沈没時も同日、同じ場所であった。
史実
双方ともに陽炎型駆逐艦である。太平洋戦争の開戦時には、ともに第二水雷戦隊に所属していた。陽炎は第十八駆逐隊、黒潮は第十五駆逐隊であった。
1942年7月5日、米潜水艦による雷撃で、霰が沈没、不知火、霞が大破して第十八駆逐隊が壊滅した。この時、陽炎は、たまたま入渠中だったため無事であった。その後、陽炎は第十五駆逐隊に転出し、陽炎と黒潮は同じ駆逐隊となった。ちなみに、第十五駆逐隊も夏潮(艦これ未実装)が米潜水艦に撃沈されており、当時は黒潮、親潮、早潮(艦これ未実装)3隻体制であったため、陽炎が補充された形となっている。
以降、陽炎と黒潮は、沈む時まで同じ第十五駆逐隊で南方、特にガダルカナルの戦いの支援を中心に、輸送や空母護衛などに活躍する。ルンガ沖夜戦にも、第十五駆逐隊として参加している。ガダルカナルは地獄の様相を呈していたが、第十五駆逐隊は撤収作戦にも従事し、ガダルカナルの部隊は撤収に成功した。ガダルカナル以降、第十五駆逐隊は他の戦地への輸送作戦を続けた。また、この間に早潮が沈んで第十五駆逐隊は、陽炎、黒潮、親潮の3隻体制となった。
1943年5月8日、コロンバンガラの部隊が疲弊していたことを受け、部隊の交代や補給が実施される事となった。この輸送は何回かに分けて行われたが、この時、毎回同じ航路を取ったため、米軍はこの航路に機雷を設置した。これに気づかず、第十五駆逐隊はコロンバンガラから帰還者を載せていた所を触雷した。まず親潮が触雷、次に陽炎が触雷、最後に黒潮が触雷した。陽炎たちは、これを潜水艦の雷撃と考えて、爆雷を投下したが、効果はなかった。
黒潮の触雷は最後であったが、当たりどころが悪く、一瞬で沈んでしまい、まだ浮いていた陽炎、親潮の乗員は呆然としたという。かろうじて浮いていた陽炎たちは、さらに米軍機の奇襲に晒されたが、ほぼ動けないながらも2隻は対空戦を敢行し、米軍機を退けることに成功した。しかし、結局は陽炎と親潮も沈み、第十五駆逐隊は一日にして全滅した。
不幸中の幸いとして、沈んだ場所がまだ島に近い海域だったため、3隻の乗組員は、陸上にいた陸軍部隊や海軍陸戦隊に多くが救助された。