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概要

仙舟同盟史上の伝説の五英雄集団。

羅刹曰く、鏡流は絶世の剣技を誇り、丹楓は雲吟の術を有し、白珠は星槎を巧みに操り、応星は神器を製造した名匠、そして景元は智謀に長けていた。

かつては互いに酒を酌み交わす程に関係は良好だったが、現在は瓦解してしまっている。

メンバー

鏡流

イメージ鏡流鏡流byVardan
性別女性
出身仙舟蒼城
種族天人
身分雲騎軍
称号「剣首」/「無罅の飛光」
紹介最強と謳われた剣士で、その剣は時間をすら斬ることができたという。同じく五騎士の一人である景元の師匠でもある。五騎士の中では最年長。

丹楓

イメージ丹楓丹楓bypiao
性別男性
出身仙舟羅浮
種族持明族
身分持明族龍尊
称号「飲月君」
紹介仙舟羅浮の持明族の龍尊。雲吟の術を得意としており、同時に槍術に長けた武人でもあった。五騎士の中でも、特に応星とは仲が非常に良かった。

白珠

イメージセンシティブな作品
性別女性
出身仙舟曜青
種族狐族
身分星槎飛行士
称号「星槎殺し」/ナナシビト
紹介良し悪しが評価しにくい「強運」の持ち主。冷たい鏡流とも話し合えるほど明るい性格で、応星や丹楓からも慕われていた模様。ある意味五騎士の中心的な存在。

応星

イメージ失われた深淵·刃失われた深淵·刃byvoid_0
性別男性
出身仙舟朱明
種族殊俗の民/化外の民(短命種)
身分鍛冶職人
称号「百冶」
紹介殊俗の民でありながら匠としての才能を開花させた鍛造の天才。剣にも心得があったようで、過去に丹楓の槍や、鏡流の剣と幾度か手合わせしたことがあった模様。

景元

イメージ景元さん景元さんby東茉はとり@お仕事募集中
性別男性
出身仙舟羅浮
種族天人
身分雲騎軍
称号「神策将軍」
紹介鏡流の弟子。知略に長けた策士。第二次豊穣戦争以降、亡くなった羅浮将軍・騰驍に代わって、新たな羅浮将軍の席に着き、「帝弓七天将」の一人となった。

経歴

五人の生い立ち

故郷・仙舟蒼城を豊穣の「妖星・羅睺」に滅ぼされた鏡流。彼女が絶望に溺れていたとき、咄嗟に「藁」として掴んだのは、傍らにあった三尺七寸の剣だった。以降、剣の道を歩むようになった彼女は、いつしか最強の剣士となり、孤高が故に孤独な存在となった。

仙舟羅浮では、持明族の長である龍尊と、その龍尊を補佐する役である龍師たちの間での権力争いが代々続いていた。やがて丹楓が龍尊「飲月君」になった頃には、その革新的な立場から保守派である龍師たちとの対立がより深まっていた。

仙舟曜青の飛行士であり、冒険と旅を深く愛していた白珠は、かつてナナシビトと共に宇宙を巡り、様々な冒険談を残した。しかし、度々不運で事故を起こす彼女は「星槎殺し」と綽名され、変わり者扱いされていた。

故郷を豊穣の忌み物に滅ぼされ、仙舟朱明へ逃げ延びた応星は、そこで朱明の雲騎将軍・懐炎に師事し、その鍛造の技を習得した。しかし、短命種のよそ者である彼は、他の匠たちに仲間として迎えられることはついに叶わなかった。

家族の反対を押し切って雲騎軍に入った景元は、早くも策士としての才能を開花させ、戦わずして勝利を収めることで重用された。しかし、彼の実用主義で且つ機転応変的な手段は、上層部に強烈な印象を植え付けたと同時に、その扱いに深く頭を悩ませていた。

五人の出会い

それまでの人生も出身も種族も身分も異なるが、周りにとって「はぐれ者」であるという共通点を持った五人が、やがて一か所に集うことになる。

鏡流の神技を目にした丹楓は闘争心を抱き、彼女と長年にわたって武を競ったが、最後は顕龍大雩殿前の海を剣で両断するという神業を見せた鏡流に敬服した。

一方、応星は雲騎将軍・懐炎の弟子として、仙舟朱明に派遣された仙舟曜青の使者である白珠と出会い、彼女の明るい性格に深い印象を残した。後に、仙舟羅浮へ足を運んだ応星は、そこで鏡流や丹楓とも出会いを果たし、そして匠の長である「百冶」の称号を勝ち取るまで成長を遂げた。

そのころ、扱いづらさから上層部が手を焼いていた景元が鏡流に目に留まり、鏡流自らに招かれる形で彼女に弟子入りし、その直属部隊に入った。

やがて、応星は四人の友のために自ら武器を鍛造し、

  • 鏡流に『支離』という剣を、
  • 丹楓に『擊雲』という槍を、
  • 景元に『石火夢身』という陣刀を、
  • 白珠に(現段階名前未公開の)曲弓

それぞれ送った。

五人の共闘

五人は幾度も共に戦場に赴き、互いに共闘し合い、数々の功績を残した。

  • 惑星タラサに攻め入った歩離人の艦隊を退いたこと。
  • 豊穣連軍の慧駿族と造翼者の同盟を打ち破ったこと。
  • 豊穣の使令・倏忽が率いる軍勢の仙舟玉殿に対する包囲を破ったこと。
  • 活性化惑星「計都蜃楼」を打ち砕いたこと。

などなど……

いつしか、五人は「雲上の五騎士」と称えられ、仙舟の伝説として語られるようになった。

「倏忽の乱」

およそ700年前、豊穣の使令・倏忽が、建木を奪うために豊穣の大軍を率いて羅浮に侵攻。

半数以上の羅浮の洞天が破壊され、当時の羅浮の雲騎将軍・騰驍を含め、九割を超える雲騎軍が戦死してしまう。

雲上の五騎士も倏忽を相手に勇戦したが、鏡流と飲月でさえも使令の力には及ばなかった。

全てが危機に晒されたそのとき、絶対的に暗い「太陽」を抱えた白珠が星槎を操作して倏忽に突進し、その結界を突き破り、白珠と倏忽を含め、周囲にあるものすべてを粉に変えた。

こうして、羅浮は多大な犠牲を払った上で、辛くも千年以上続いた第二次豊穣戦争に勝利した。

「飲月の乱」

仲間を救い、仙舟を勝利へと導いた白珠の死は、仙舟人として悔いのない誇りある死だったとされた。しかし、持明族である丹楓と短命種である応星は、彼女の死に納得できなかった。

「なぜ忌み物だけが、幾度も繰り返しやり直せるのだ」

そこで、丹楓と応星は、仙舟人である鏡流と景元に黙ったまま、二人独断で白珠を生き返らせる実験を決行することになる。

その方法は、豊穣の使令として強大な再生力を持つ倏忽の血肉を使い、建木の封印を解いてその秘められた莫大な豊穣の力を利用し、本来は持明族龍尊の転生にしか使用が許されないはずの秘術「龍化妙法」を用いて白珠を持明族に転生させること

正しくは死者蘇生ではなく、死者転生というもの。

しかし、この実験の結果、生み出されてしまったのは白珠ではなく、半分龍の姿をした厄獣であった

厄龍は大暴れし、多くの持明族と雲騎軍が死んでしまうという事態を招いてしまう。丹楓と応星も含め、誰もが手が付けられないでいたが、しばらくして鏡流が現場に駆けつけてきた。

この時の鏡流は、倏忽との戦いの傷がまだ癒えていない状態だったが、彼女にはどうしても来なければならない理由があった。遠くの洞天から聞こえてくる龍の咆哮は悲痛に満ちているようで、まるで束縛からの解放を求めているようだったのだから。

そして最後、厄龍は剣首・鏡流によって討たれた。

これが、後世に「飲月の乱」の名で記録された大事件である。

「飲月の乱」のエピローグ

丹楓の結末

丹楓は逮捕された。「飲月の乱」の主犯として。

「不赦十悪」のうちの第二悪と第九悪を犯した極悪人として、本来は処刑される運命にあった。しかし、龍尊が死ねば持明族の「龍化妙法」と「重淵の珠」の伝承が途絶えてしまうことを恐れた龍師たちの計らいにより、丹楓には死罪の代わりに「脱鱗輪廻」の刑を受けることとなった

この「脱鱗輪廻」の刑の過程に龍師たちが意図的に干渉したため、本来転生の過程で次期龍尊に受け継がれるはずだった「龍化妙法」、「龍祖」の記憶、「龍心」などが丹楓の転生体に残ってしまうという事態が発生。

こうして「脱鱗輪廻」を受けた丹楓は、持明の風習によって新生したものと見なされ、過去の罪は追及されないことになる。そのあとで丹楓の転生体から「化龍妙法」と「重淵の珠」を奪い、ついでに「龍尊」の制度も廃して、羅浮持明族の統治権を我物にする。これが龍師たちの本来の企みであった。

しかし、実際の丹楓は「脱鱗輪廻」を受けた後でも、その身は龍師たちに引き渡されることはなかった。引き続き十王司によって一時拘束された後、丹楓の転生体は景元に(わざわざ愛用武器である『擊雲』を渡された上で)羅浮から「追放」され、龍師たちの手の届かないところに行ってしまったのである。

そればかりか、「龍化妙法」を持たない白露が次期龍尊の継承者として景元に認められてしまうことに。

こうして、龍師たちの計らいは失敗に終わった。

応星の結末

応星も逮捕された。「飲月の乱」の従犯として。

「飲月の乱」において、豊穣の使令・倏忽の血肉を白珠転生用の道具として手にした応星は、経緯は不明だが、その強大な豊穣の力に呪われ、倏忽と同様の不死身の力を手に入れてしまう。

そのため、応星は処刑を受けたものの、結果的に死ぬことはなく、ただただ生きる抜け殻の如く幽囚獄に幽閉されていた。しかし、魔陰の身の「嗔恚」状態(詳細は余談を参照)にあった鏡流は、それを許さなかった。

鏡流によって幽囚獄から脱獄されられた応星は、自分が彼女に送った「支離剣」によって千回以上殺され、千回以上同じ問いを投げつけられた。

「なぜ飲月と、あのような悪行を?」

繰り返し殺され、死を体験していく中で、応星は不思議とかつて五人が盃を交わし合った日々に戻ったかのような安らかな気持ちになった。しかし、この安らぎは長く続かず、倏忽の呪いによって再び生きる苦しみを味合わうことになる。

最後の死のあと彼が目覚めたころには、鏡流は既にボロボロになった「支離剣」と同じくボロボロになった自分を荒野に残して去った後だった。

千回以上の死の中で鏡流の剣を悟り、忌み物へと落ちた自分自身への憎悪と、「飲月の乱」の主犯だった丹楓への恨みを抱いて、自分たちが死を以て過ちを償うそのときをただひたすら追い求める存在となった。

そして、そんな自分に、彼は新たに「」という名前を付けた

鏡流の結末

鏡流は魔陰の身に堕ちてしまった。

  • すでに1000年を超える時を生きていたこと
  • 倏忽との戦いで重傷を負っていたこと
  • その重体からまだ回復していない状態で厄龍の討伐に赴いたこと
  • 不本意とはいえ「大切な親友だった白珠の転生体」であるその厄龍を自らの手で殺めなければならなかったこと

などなど、並の仙舟人ならたったの一つでさえ耐えられないような不幸が、同時に重なって身に降りかかってしまった結果、かの剣首・鏡流といえど、もはや限界に達してしまったのである。

魔陰の身に堕ちた者の慣例として十王司によって幽囚獄に幽閉されたが、後に脱獄し、理性を失った「嗔恚」の状態で多くの雲騎軍を殺めてしまう

既に騰驍の後を継いで羅浮将軍となっていた景元は意を決し、魔陰の身に堕ちてしまった師の前に立ちはだかることに。

一時は鏡流に圧倒された景元だが、最後は羅浮将軍として与えられた権限で「神君」を使役し、師を相手に辛い勝利を収めた。

「さよなら、師匠。この一振りで、恩を返します。」

再会と決別

鏡流は生き残った。

「神君」の一刀を受ける直前で魔陰の状態から理性を取り戻した彼女は、「神君」の攻撃を正面から耐えき切ったのか、それとも危機一髪のところで躱したのかは不明だが、死んだと見せかけて羅浮から姿をくらました。

およそ700年間、彼女は宇宙中を転々と巡り、ついに魔陰を克服する方法を見つけることができ、それを実践するために仙舟に帰還することになる。

本来ならば、700年前に雲騎軍を多く殺した重犯として、仙舟虚陵で直接自首すれば、そのまま元帥を含む「帝弓七天将」の前まで連行され、自分の見つけた方法を仙舟同盟の最高権力に直々伝えるはずであった。

しかし、鏡流はそうはせず、仙舟虚陵ではなく、わざわざ仙舟羅浮へと足を運んで自首した。自分が最後の罰を受ける前に、かつての「仲間」だった者たちともう一度羅浮で会い、過去を清算し、そして別れを告げるために。

「人は五人、代価は三つ」

この一言は、「雲上の五騎士」のうち、犯した大罪を償うために代価を支払うべき者が三人いる、ということを意味している。

首魁の飲月は、独断で龍化妙法による回生を図った。形骸を変えて、大禍を招き、戦士の誉れを辱めた。」

従犯の応星は、狂悖なる傲慢により豊穣の神使の血肉を手にした。飲月の妄為に手を貸し、不死の忌み物へと堕ちた。」

罪人鏡流——魔陰に堕ち、同胞を殺め、盟友の誼を裏切った。」

「今こそ、我らが代価を払う時なり」

「丹恒、お前は永遠に飲月から逃れられぬ。奴はお前の始まりだ。お前が進む道には、奴の罪業が影のように寄り添い、死ぬまで後を追うだろう。」

「『刃』……いい名だ。終わりの見えぬ人生の中、お前は殺すか殺されるかの狭間を彷徨い、己の骨の埋める場所を探すことになる。そうでなければ、『応星』の悔いを消し去ることはできないからな。」

「そして我は同盟の審判を受け、永劫の罰を背負う。その後は…より悲惨な「代価」が我を待っている。こうでなければ、あれを銘記すべき苦しみは……消えてなくならない。」

かくして、「雲上の五騎士」の物語は幕を閉じた。

余談

魔陰の身について

  • 俗に「魔陰の身」と総称される症状は、実は具体的に「残傷」「汚染」「嗔恚」「他化」「無記」の5種類に分けられている。
    • 「残傷」
      • 肉体が外界からの暴力によって著しく損傷し、自己治癒能力によって長く苦しい修復を行わなければならないこと。
      • 薬王秘伝の魁首・丹枢が盲目を直すことができず、義眼を付けようにも付けられないのは、この症状にかかっているため。
    • 「汚染」
      • 肉体が不滅であるが故に、何らかの手強い宇宙のウイルスまたは細菌に感染し、長期間にわたって共存すること。
    • 「他化」
      • 肉体から変異した器官ができ、人間としての姿を保っていられなくなること。
      • プレイヤーがゲーム内で戦う豊穣エネミーのほとんど(「魔陰の身・兵卒」「薬王秘伝・鍛錬者」「薬王秘伝・内丹士」「薬王秘伝・器元士」などの異形エネミー)がこの症状に該当している。
    • 「嗔恚」
      • 恨みや他人を傷つけようとする気持ちが芽生え、激しい喜怒哀楽の中で感情が大きく起伏し、しまいには理性すらも失ってしまうこと。
      • 鏡流や刃など、外見は普通の人間と変わらないが、精神面で憎しみの感情が激しく、理性を保つことが難しい者は、大概この症状に該当している
    • 「無記」
      • 心が謎の虚無感に支配され、空虚な状態に陥ってしまうこと。

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