黒狼の牙
こくろうのきば
自分勝手な性格で冒険者パーティに所属できなくなったパウロが結成した冒険者パーティ。
僅か数年でS級へと駆け上がるなど、実力者の集まりだが、自分の欲望に忠実に生き、気に入らなければ依頼人でも殴りつけ、喧嘩は日常茶飯事の通った後には草一本残らないと悪名高く、当時は何かと話題になっていた中央大陸において最も有名だった冒険者パーティの一つ。
伝説の聖剣を手に入れようとするパウロとギースが他の冒険者パーティに対抗するため仲間を探すが、まともな冒険者はパウロと組もうとはしなかったため、同じようなはぐれ者を仲間に引き入れる。結局、聖剣は手に入らなかったが、その件で仲間の重要性に気付いたパウロはそれまでの自分を反省しその時のメンバーだったタルハンドを勧誘。女性メンバーを望んで聖剣の件で知り合ったエリナリーゼを勧誘し結成した。
しばらくは仮のパーティ名で活動していたが迷宮探索の際に出会ったギレーヌを勧誘した時にギレーヌの異名の「黒狼」から「黒狼の牙」というパーティ名をつけて正式に誕生した。
ゼニスと結婚を決意したパウロがパーティメンバーの意見を聞かずに一方的に解散を宣言。さらに「他に呼び名がないから仲間と呼んでいただけで、俺の中でお前らはそんなに重くない」と仲間関係を否定した挙げ句にパーティの資金を持ち逃げしたので、ほかのメンバーはパウロのことを嫌っている。
リーダー。剣士。孤独な幼少期を過ごし、仲間というものがよくわからないまま、冒険者になったが、「黒狼の牙」は自分の居場所だと強く実感した。しかしゼニスとの出会いで自分の気持ちに向き合ううちに結局は家族のような仲間で家族にはならないと実感。最終的に自分で解散させて仲間割れをした。別れかたは自分でも最悪だと自覚があり、ガキだったと後悔していた。
シーフ。メンバーで唯一戦闘能力がないが、情報収集など雑務の能力の高さから信頼されている。有望な新人冒険者だったパウロに強引につきまとい実力を認められて仲間になった。
魔術師。鎧を着て前衛で戦うこともあるため魔法戦士とも呼称される。聖剣を手に入れようと仲間を募ったパウロの呼びかけに応えて仲間になった。
故郷で伝統を絶対視する頭の固い周囲にいろいろ言われていたため、何にも縛られずに好き勝手に生きるパウロの事は気に入って信頼していた。そのため解散の際の言動でパウロの事は強く嫌っている。
戦士。前衛で敵の攻撃を引き付ける盾役。
所属していた冒険者パーティのリーダーに「仲間ではなく情婦」と、魔物から逃げるための捨て駒にされたところをパウロたちに助けられて、その後にパウロに勧誘されて仲間になった。そうした経緯で仲間になったからか解散の際に仲間関係を否定したパウロの事を最も嫌っている。
剣士。冒険者の枠に収まらない実力者で、パーティで最も強かった。しかし、複数の指示を与えると全部忘れるような馬鹿だったので「直感で二択を充てる時しか役に立たない」と酷評されている。師匠から世の中を知ってこいと言われて、冒険者になって旅をしていたが、騙されて報酬をピンハネされ続け空腹で倒れたところをパウロたちに助けられる。「黒狼」の異名を持ち、パーティ名の由来になった。
治癒術師。ほかのメンバーの妹分で可愛がられていた。
詐欺に引っかかりそうなところをパウロに助けられてパーティに勧誘された。