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「私の慈悲が貴様らの放縦を許したんだ」

「私がお前の変わらぬ心になる」


プロフィール編集

氏名신룡(Sin-Ryong)
中国版/漢字神龙/神龍
誕生日1月7日
年齢1110歳以上
身長188cm
身分皇帝
声優홍시호(ドラマCD)

※英語のスペルは正確なものとは限りません。


概要編集

漫画「가담항설(街談巷説)」の登場人物。普段の姿は、鱗のような金模様が各所に煌めくタイトな黒スーツ、半透明な黒いマントを纏い、黄金の瞳を持つ若い黒髪の男性だが、本来の姿は黒龍。


人物編集

四君子夏蘭(ハナン)秋菊(チュグク)冬竹(ドンジュク)春梅(チュンメ)を代わりとする白梅(ペクメ)を側に置く。生前の春梅とは恋人関係にあり、現在は白梅と恋人関係にある。


一見すると常人に見えるが「サイコパスな暴君+諸悪の根源」と言える存在で、朝廷の王までも牛耳る実質的な支配者。


現在から遡り、龍だった頃は、人間たちが自身を不老不死の存在にする祈りに失敗したにもかかわらず、国の災害を解決してくれるなど善良で寛大な性格だった。しかし、先代の王の計略によって叛逆を起こされた後、人間に対して大きな裏切りを感じ、性格が歪んでしまった。


基本的には四君子の1人を残酷に扱う。ただ、他の四君子にはあまり干渉しないのを見ると、不当な命令と判断して神龍に従わず直言をする彼が気に食わない模様。


1話から、何らかの目的のために死人をも蘇らせることのできる不思議な紙「天動紙」を集めようとしている。


過去編集

すべての物語の発端である1000年よりはるかに昔、当時、国には天災地変が絶えなかった。日照り、洪水、寒波、津波、台風まであったという。そこで当時の王は天候を支配する神龍に会い、丁重に頼んだ。王は国の天災地変を止めることを要求し、その見返りに100年の祈りで神龍を『人』にし、1000年の祈りで『不老不死』にし、国で手厚く待遇すると言った。


神龍は国で最も優れた梅、蘭、菊、竹を周りに置いて眠りにつく。そして当時の知識人がすべて集まり、神龍に「民のための完璧な神になってほしい」という天命を与え、100年を祈り『人』にし、1000年を祈り『不老不死』になるかのように思われたが……。日付を計る官吏のミスで1日早く目を覚まして『不老』は実現するが『不死』には失敗する。


しかし、神龍は人間なら誰しも間違えることはあると言って、これを責めなかった。


こうして神龍は不老の人間となり、一緒にいた梅、蘭、菊、竹は四君子となり、国はもう天災地変に苦しまなくなったという。この時から神龍は天候を支配する役割を果たし「陛下」と呼ばれるようになった。すなわち、(王以上の地位となる)皇帝として王位に君臨する。


ある日、神龍が食べる食べ物に致命的な毒が入る事件が発生する。神龍の担当医術師であるソブは、関連者を全員処罰しなければならないと言うが、神龍はこの薬の組み合わせは人間には毒ではなかったので、失敗をしたのだろうと信じ「春梅がいるから自分は大丈夫だ」と寛大に見過ごす。


その日の夜遅く、当時の王に頼まれて相談をしに部屋へ向かう。王が5人の息子のうち誰を後継者にするか悩むと、神龍は第一王子が嫡統で、文武に長けるので問題ないだろうと答える。そして、王は宗廟社稷が憂慮されるという意味深長な言葉とともに権力の動揺があってはならないと壮士を呼び、神龍に矢を向ける。また、神龍が一日早く目覚め、完璧な不死になれなかったことも失敗ではなく計画した行動であることを説き神龍を裏切る。つまり、神龍の権力が今後邪魔になるのではないかと疑い、罪のない神龍を王権の犠牲にしようとしたのである。


神龍に矢が飛んでくる瞬間、四君子の夏蘭(ハナン)、秋菊(チュグク)、冬竹(ドンジュク)が神龍を援護する。夏蘭が王に「何をしているのか」「春梅がいれば問題はない」と言おうとしたところ、春梅に問題が起きたことを直感する。秋菊が春梅の元へ向かった間、夏蘭と冬竹で戦闘する。しかし、いきなり医術師のソブが人質になると、神龍は戸惑い、ソブは神龍に自分のことは考えず「玉体(王の体)をお守りください」と言い、自身の首に刀を突き刺す。直後、ソブは「良くしていただきありがとうございます。陛下はいつもお優しいです」という言葉と共に傷を再生しながら首から刀を抜き、神龍を刺そうとする。ソブもまた神龍を裏切ったのである。


ソブの肩を掴み、神龍は混乱に陥ったまま理由を問うが、ソブは「人間は100年も生きられない。国の安全も何もかも自分の権勢が重要だ」と言い放ち、重傷の壮士たちを瞬時に治して再生させる。そして、神龍が食べた毒は神龍の隠された急所である逆鱗を、毒を飲んだのは春梅であることを明らかにする。


神龍が振り返ると目に入ったのは涙を流しながら梅の枝を持っている秋菊だった。王の裏切りにより神龍は、一夜にして恋人や仲間を失ったのである。


そして神龍は稲妻とともに宮殿を吹き飛ばし、怒りに満ちた言葉を言う。


「皆道を誤ったな。私の慈悲が貴様らの放縦を許したんだ」

「今日の件に加担した者は誰1人生かしておかぬ。家は柱の根まで燃やし、一家の親戚から使用人まで、生きた跡さえ残すな」


血の匂いが漂う、死体だらけの宮廷で、苦しい言い訳とともに許しを請いながら伏せた先王はどうか王家の血統を守ってほしいと言う。神龍はこれを受け入れ、王を雷で焼き殺す。冬竹によって呼ばれてきた5人の王子のうち、怒鳴りつける第1王子と第2王子、「王にしてくれれば操り人形になる」と第3王子、「助けてくれれば庵にでも入って静かに暮らす」という第4王子を皆殺しにし、怖気づいて沈黙する末っ子の第5王子を「卑怯な沈黙があったことを覚えておけ」と嘲弄しながら王位に就かせた。


この事件は真実が明かされないまま、末っ子の王子の破倫的な行動として世間に知られ『5王子の乱』と呼ばれるようになる。そして当時の第5王子は現在の無能な王となった。


春梅を失った後、神龍は失意に陥り、雨を降らせなくなる。夏蘭の説得も聞かず、日照りが続いた頃、秋菊が朝貢でやって来た天動紙なるものを紹介し、死人をも生かすことができる紙だと言って、神龍の欲望を再び刺激し、神龍は天動紙で春梅を生かそうとする。


「お前が戻って来さえすれば···!!」

「お前が戻って来さえすれば私は···」

「お前が···戻ってきたら···私は···」

「お前がまた戻ってきても私は···」

「あの時のお前と今の私は···もう···」


しかし、春梅が帰ってきても、神龍の消えた仁愛は戻ってこないと思い絶望し、神龍は春梅を蘇らせることをためらう。以下は77話で登場した朝鮮の詩人・李玉峯の作品『閨恨』の引用文と和訳。※和訳引用先


평생 이별의 한이 병이 되어平生離恨成身病
술로도 뭇 고치고 약으로도 다스리지 못하네酒不能療藥不治
이불 속 눈물이야 얼음장 밑을 흐르는 물과 같아衾裏泣如氷下水
밤낮을 내가 되어 흘러도 그 뉘가 알아주나日夜長流人不知

一生の別れがこの身の病となり

酒も効かず薬にも治せぬ

布団の中の涙は氷の下を流れる水のように

昼夜泣いても人は知らぬ


それから約9年が過ぎ、王が1人の妓生を妊娠させ入宮させようとしているという話を聞く。神龍の前で怯え、何も言えない王の隣には死んだ春梅とあまりにも似た妓生がいた。神龍は彼女の魅力を褒め、流産と同時に永遠に不妊となる煎薬を飲むことを要求する。消極的ではあるが反発しようとした王に、生きていた理由を言及して稲妻で威嚇。妓生は自分に何でもしてくれる男が必要だと言って煎じ薬を飲んだ。


髪を白く染め、春梅そっくりの姿となった妓生に「白梅」と名付ける。以後、望むことを何でも聞き入れると言い、白梅の贅沢な要求をすべて聞き入れた。そして白梅の気に障り白梅が疑う人々を皆殺してしまい春梅の喪失で空いた穴を埋めて幸せな生活を送る。同時に天動紙を集めて春梅を蘇らせる準備をする。


春梅の梅宮へ行った後に、白梅の梅宮を訪れたある日、髪に墨をつけ再び黒く染めようとしている白梅を目撃する。白梅からどこに行っていたのかと聞かれ(春梅の)梅宮に行っていたと話すと、その言葉に怒った白梅は神龍の顔に墨の入った硯を投げつけた。白梅の行為に驚く一方、神龍は怒りもせずそれを素直に受け入れる。白梅は避けられたにもかかわらず、なぜ受けとめたのか聞くと、神龍は「自分が投げつけられることを望んでそうした」と答える。すると、白梅は避けると思って投げたと言い「次はそうする」という神龍の言葉を聞いて「陛下、私に次がありますか?」と尋ね、本当に自分が望むことを全て聞き入れてくれるのなら、隣の梅宮を全部燃やしてほしいと願いを吐露する。その言葉を聞いた神龍は、無言で剣を抜き白梅に近づと「私を殺すおつもりですか?」と尋ねる白梅の手に剣を握らせる。そして自分が望んで本当に大事にしているのはお前だけだから、お前が願えば梅宮を燃やしてやると答える。


「お前は私の逆鱗がどこか知っている。私がお前の変わらぬ心になる」


ここで彼の真の目的が明らかとなる。人間本来の性質が醜悪で地獄に相応しいものなのだから、この世を地獄に作り上げることこそ民のための完璧な神が成すべきことだと言う。彼は春梅を蘇らせて不老不死となり、人間に果てしない絶望を与え、不公正な機会と不平等な結果で人間を終わりのない闇の中に閉じ込めると宣言する。


132話で春梅が生きていた頃の過去が出てくるが、雰囲気が穏和で夏蘭の諫言を聞くなど非常に寛大。


春梅が死んだ後、肯定的な感情を失って何も感じない存在になり、欲望も失い無気力な姿に変わる。夏蘭はそんな神龍を補佐しようと助言し続け、民の心と悲しみを慰めようと慈悲を施して雨を降らせてくれと諫言するが、神龍は


「ネズミを捕まえて貴様の口に入れる前にその口を閉じろ。民の苦痛を癒せと?もう私たちの中に誰一人それが可能な者がいると思うか。私が感じられるのは私の苦痛だけだ。お前もまた私の苦痛を知らない。お前が言う原則の中に私の感情はどこにある?今私が人の苦痛なんて考える立場か。民衆のどんな状態であれ、どんな感情であれ、私の知ったことではない。知ることもできないし、知りたくもない。半年間ずっと豪雨を降らして皆殺しにしないのが、まさに私の慈悲だ。だから黙っておくといい」


と完全に変わり果てた姿を見せる。


能力編集

作者のブログによると、神龍の能力は天候の操作。気候そのものはもとより、関連要素である風、雷まで扱い、さらには大気圧や風圧まで調節する。稲妻を落とすことで壮士や王族を惨殺し、四君子の外出中に神龍を暗殺しに潜入した刺客の関節を捻じ曲げたのは、風圧を応用したものだった。1話で官吏の娘を即死させたのも稲妻による攻撃であり、事実上この能力によって最強の座に君臨している。


最初から神龍を約1000年の間念入りに祈った理由は、天災地変や天候からの被害を防ぐためだった為、当然のことだが作中の神龍が見せた姿は、単に天候だけを扱う以上の脅威を見せていたため、不死にする約束を破った人間側の考えも一概に否定できない。


詳しい描写はないが、主君である以上、身体能力も四君子より遥かに高いと推測できる。5王子の乱では、神龍という計り知れない力を持つ存在の暗殺のため、刻印された武器を持つ壮士数十人が動員された。しかし、怒り狂う神龍は戦闘民族である壮士たちを稲妻で瞬殺する。この時、医術師のソブが再生させることもできないよう刺客たちを粉々にした模様。


ただし、医術や刻印には造詣がないのか、傷を直したり刻印をする姿は見られず、刻印の場合、秋菊との対話で刻むことができないとはっきりと釘を刺したことがある。


神龍の能力は圧倒的だが、その範囲や規模が現実の自然災害ほど巨大ではない。つまり、神龍は自然の気象を制御するのであって、それ自体を自由にコントロールすることもできない。長期間、雨を無制限に降らすことで洪水を起こす程度は可能。結界を無効化する読眼の能力も所持している。


天命編集

本来の天命、つまり1000年前の人間たちが与えた天命は「民のための完璧な神になること」であり、実際に人間にとって完璧な神として国を守ってきたが、約10年前に先王の権力欲によるクーデターで人間に裏切られたあげく、春梅がこれに巻き込まれ死亡した件以降、完全に歪んだ人間となった。


78話で現在の神龍が自分の天命に対する考えを白梅に語ったが、人間は利己的で自分がどれだけ優しくしても、きっと誰かは裏切るだろうし、人間の本性が醜悪だということを悟ったので、そんな愚かな人間に相応しい世界を作るため、圧倒的な恐怖で統制し、罪を犯す前に屈服させ、無意味な原則と不明確なルールで目を潰し、厳しい処罰で言行を躊躇させ、皆が自発的に枠内から出ない永遠なる統制の束縛を作ることが天命であり、完璧な神の役割だと明らかにした。天命を忘れて単純に復讐に狂っていたのではなく、むしろ確固たる、しかしどこか完全に狂ってしまった天命を果たすことにしたのだ。


余談編集

  • 物語序盤、ハナンに死んだネズミを与えながら食べろと脅迫する姿が出てくるが、特別編での本人の話では、自分は爬虫類なので、ネズミなど食べても平気だという。
  • 龍から人となった存在のため、あるとき読者が本来の姿に変身できるかと質問した。これに対して作者は「死んだら龍に戻ることはある」と答えた。
  • ブログの『街談巷説質疑応答3』で「春梅/白梅と神龍は肉体的にも関係があったのか」という読者の言葉に「白梅は(神龍と肉体関係を持ち、神龍の素肌を見たので)神龍の逆鱗を知っている」と答えた。
  • 作者がブログで「神龍は容姿が秀でた方だ」と言ったり、第1話で少女が神龍の顔を見て恥ずかしがって逃げるなど、美男子な模様。
  • 107話の作者の言葉によると、人面鳥を恐れているという。
  • 春梅の喪失以前とその後を比べると、人間性が大きく歪み、四君子を1人ずつ失っていく度に壊れていく。春梅が担っていた神龍の人格的な部分がどれほど重要であったかが分かるだろう。
  • 作者曰く、神龍は最初に作られた時から、春梅を最も愛する存在として作られたという。つまり一目惚れや友達以上恋人未満のような関係から恋仲になったわけではなく、初めから春梅を愛するように作られた。
  • ファンの間では愛称として용용(ヨンヨン)と呼ばれる。

台詞編集

1大丈夫、失望などしてない。私は人間に期待したことがないから、失望することもない。
法を作ったなら守らねばならんだろう。違うか?

28皆道を誤ったな。私の慈悲が貴様らの放縦を許したんだ。今日の件に加担した者は誰1人生かしておかぬ。家は柱の根まで燃やし、一家の親戚から使用人まで、生きた跡さえ残すな。

29殿下。今日をお忘れなく。殿下の卑怯な沈黙が命を永らえさせたことを。

41とにかく人間はいつもこういうところで失望させられる。今が好機と思ったようだが、その逆だ。ハナンがいる時に来れば、死体くらい残せただろうに。

47神龍:良心は人間を守るのではなく、むしろ危険に陥れるものだ。
夏蘭:良心は闇の中で道を照らす灯であり、人生という長い旅の中で道に迷わないための道しるべです。
神龍:遠回りさせ、険しい道へ行かせる、目的地へ至らないようにさせるのが良心だ。
お前の良心というのは卑劣極まりないな。お前はお前の良心を守り、今夜枕を高くして眠ることができるが、それはお前がしていない汚れ仕事を全て他人が代わりにしてくれたからだ。責任も負えぬ良心を口先だけで騒ぎ立てるな。

48神龍:何もできないくせに、あえて問い詰めて不快にさせる理由は何だ?どうして毎度事をわずらわせ、いつも足を引っ張るのか。
夏蘭:良心とは、元来そういうものです。
神龍:もともとそういうものなら、いっそない方が良かろう。
夏蘭:爪が伸びるのが面倒だからといって爪を全部抜きますか?
当然お前の落ち度だ。自分がすべきことをしたくないと言ったら、自分より弱い人間が代わりに引き受けねばならんだろう。

75真実かどうかなど関係ない。私に疑われただけでも罪になるとはっきり教えてやる。

76 …望みが多いんだな。多くていい。欲望のない人間など生きたとて死しているも同じ。全てお前の望み通りにしてやろう。

77私は裏切らない人間を見たことがない。
私は人間を信じない。
ネズミを捕まえて貴様の口に入れる前にその口を閉じろ。民の苦痛を癒せと?もう私たちの中に誰一人それが可能な者がいると思うか。私が感じられるのは私の苦痛だけだ。お前もまた私の苦痛を知らない。お前が言う原則の中に私の感情はどこにある?今私が人の苦痛なんて考える立場か。民衆のどんな状態であれ、どんな感情であれ、私の知ったことではない。知ることもできないし、知りたくもない。半年間ずっと豪雨を降らして皆殺しにしないのが、まさに私の慈悲だ。だから黙っておくといい。
お前を初めて連れてきた日、私はお前を愛すると言ったが、愛してくれとは言わなかった。だからお前には権利だけがあって義務はない。お前がするのは望むことだけで、望みを実現するのは私の役目だ。
私がお前の変わらぬ心になる。

78いかなる名分を持った人間であれ、一寸先が見えない限りない闇の中では、絶対に安易に動くことはできない。深くて静かな闇は人間の恐れと想像力を刺激し、自らを恐怖に陥れ、考えや行動を萎縮させるためだ。
春梅はいつも私に完璧な神としての許しと慈悲を語ったが、許しと慈悲は卑劣な者たちのための機会であり口実であり、むしろ圧倒的な恐怖こそ、愚かな人間が犯す過ちを事前に遮断するものだ。
人間とは、他人の過ちには容赦のない処罰が下されることを望み、自分の過ちには慈悲と寛容を望む。自身の卑劣さは日々の要領で包み隠しつつ他人には原則を守ることを望みながらも裏切られたくないし、悪習であることを知りながら自分が得をした瞬間はそのまま踏襲し、公正な機会より公平な不幸を望むのが他ならぬ人間だ。
人間本来の性質が低劣で醜悪極まりない、地獄に相応しいものなら、世界を地獄に作りあげることこそ、完璧な神がなすべきことだ。
だから私は人間に守られない原則と明確でない規則による闇の中で目を潰し、一度の間違いも許さない厳しい処罰で一歩も踏み出せないようにし、不公正な機会と不公平な結果で放棄とあきらめに慣れさせる。そんな世の中が「人生」になり、その人生で得た経験が子どもに「人生が与えた教訓」という名で受け継がれ、それを身につけて育った皆がその人生を自然に受け入れ、順応しない者を排斥するようにし、皆が自発的に枠内を出ない永遠なる統制の束縛を作ろうとしているのだ。
その為に私は春梅を蘇らせ、私の不死によって人間に完璧な絶望を与え、自らを限りない闇の中に閉じ込める。

152可哀想なほど愚かで怒りさえ感じぬ。とうとう人間を信じるとは。地獄を自らの足で歩いていくんだな。

178春梅の優しさが春梅を殺した!今度は貴様の原則が貴様の命を絶つ番だ!!

194お前が何を予想しようと、お前の予想外まで侵食してくるだろう。だからお前が宮殿の中で必ず欲しいものがあるなら、絶対に捨てねばならないのがまさに『仁愛』だ。

198自分の志を成し遂げることができる者の沈黙は謙譲ですが、何も能力がない者の沈黙は回避であるだけです。

237私は10年前に悲劇的な事故でお前を亡くした。お前がいなくなってから、私は仁愛を失い、他人を理解する気持ちがないから原則を守らず、原則を守らないから善し悪しを見分ける意志がなく、善し悪しを見分けることができないから、間違った信念に従うようになった。そして、その結果取り返しのつかない悲劇を迎えることになったんだ。今お前によって私はすべての感情を持った永生の身になったのだから、永遠の罪を抱えて生きる地獄を歩むことになった。

参照編集

  • ナムWiki(シンリョン)

신룡(가담항설)

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