「私は陛下の良心です」
「理にかなわぬことはできません」
プロフィール
※英語のスペルは正確なものとは限りません。
概要
神龍の臣下である四君子の1人で、ゆるくカールした左右非対称な長さの灰紫の髪をしている。 原則から外れた不当なことや不要な殺生を嫌い、必要な場合に限って行う。
27話で、本人が言及した「精魂込めて作った存在のネタ」が解けたことで、正体が判明。花の蘭だったことが明らかになる。
春夏秋冬の四季の中では「夏」を象徴。代表する価値は「仁義礼智」の中で不義を恥じ、正しいことを守ろうとする「義」と推定される。秋菊(チュグク)が神龍の知性を担当するように、夏蘭(ハナン)は神龍の良心を担当する。作中の台詞からすると、天命は神龍の良心(原則)として神龍の良心(原則)を守り、神龍が正しくない道に進むのを防ぐこと。
能力
刀をメインとした高い近接戦闘力を有している。刃に必要な刻印を刻んで戦い、青い光で剣の形状を作り出すことができるが、これを『体化』という。冬竹(ドンジュク)の青い矢がただの矢ではなく爆撃であることを見ると、夏蘭の青い剣の威力を推し量ることができる。5王子の乱が起こった当時の夏蘭を見ると、岩より頑丈だという壮士の体と刻印された武器まで易々と斬っている。
白梅と共にイ・ガプヨンの家へ行き、帰り道に冬竹と互角の戦いをする。白梅を襲った刺客の家族を始末するために放った冬竹の竹矢を刀1本で迎撃。ハンソルの岩の体をも簡単に撃ち抜き、壮士の暗住(アムジュ)に回復不能の致命傷を負わせた冬竹の刻印の矢も夏蘭の剣では一刀両断にされた。
冬竹との会話で冬竹に「自分を殺すことができるか」とは言わずに「自分を殺した後、精神的に耐えられるか」を語るところを見ると冬竹より強い模様。
172話では冬竹と秋菊の四君子2人を相手に戦い、2人の挟撃を防いだ。冬竹と秋菊が本気を出したかは不明だが、夏蘭は片目を失った状態でそのレベル。
ただ夏蘭の実力は、他の四君子と違ってかなり起伏があり、自分の意志と符合することに対して、さらに強くなるものと見られる。夏蘭が明瑩(ミョンヨン)を救出する際には、冬竹と秋菊の挟み撃ちに耐えられたが、ミョンヨンとの戦闘ではミョンヨンを殺すことができないというのが例である。気持ちが落ち込んでいる時の場合、四君子の中で最も高い戦闘力を有するかはやや曖昧。
戦闘力とは別に、性格のせいで誰かを殺すことをためらうが、これは自分にとって害となることが多い。自分より弱いシム・ヨンホには彼が指で弾いた攻撃により片目を失明。秋菊と冬竹との戦いでも秋菊の首を攻撃することができたが、威嚇攻撃に留め、秋菊の攻撃によって残った片目を失明。前者後者ともに近距離攻撃で致命傷を負ったというのは、四君子の中で近距離(剣)特化である彼への皮肉ともとれる。しかし、医術師でない以上、近距離奇襲に脆弱なのは誰もが同じである。
四君子として
主君が誤った道を辿れば諫言を惜しまない忠臣であり、命令を必ず遂行する冬竹とは正反対に位置する。そのため、神龍からは冷遇され、肉体的/精神的に激しく虐待されている。神龍の最後の良心である夏蘭だが、良心など犬にくれてやったような状態の神龍としては到底かわいがることなどできない。春梅が神龍にいつも慈悲と許しを請うとすれば、春梅がいなくなった今、道理と良心による判断をするようにと神龍に正しいことを言う作中で唯一の人物。いわば人格が破綻している上司の下で働く真面目な部下なので、日々の苦労は並大抵のものではない。そして扱いも日に日に酷くなっている。ネズミを食べさせられるのが、すべての苦難の始まりに過ぎないほど、ますます可哀想な状態になるキャラ。
さらに、苦難の場合、肉体的な虐待と負傷が増えるだけでなく、「夏蘭は保身を考えないため、神龍が夏蘭を手なずけるという名目で、他人を殺させたり怪我を負わせ始め、これによって信念と心が挫けるなど、本当に死ぬほど傷つけているため、作者が夏蘭をあまりにも虐めている」というコメントもたびたび見られるほど。その例として人の誠意を蔑ろにしてはいけないという理由でネズミを食べさせられ、苦労して連れてきた子供の母親を自分の手で殺すよう仕向けられる。そして神龍と白梅を騙して、救った当の子どもは経緯を何も知らないので、夏蘭を自分の母を殺した人だと記憶する。また、シム・ヨンホを最後まで攻撃せず、弓を切っただけに留めると、シム・ヨンホが飛ばした針で片目を失明させられる。加えて、ボクア一行について行き、ハンソルと戦いながらも少し傷だけつけて殺すつもりはなかった一方、奇襲を受けてチョウルに急所の首を刺される。
前述したような点のため作品を見ると、夏蘭は心から喜んで笑う場面がない。すなわち、永遠に苦しんでいる。ブログにある質疑応答によると、春梅が死ぬ前は神龍が夏蘭の言うこともよく聞いて、皆よく笑ったという。116話で笑う場面が出たが、嬉しくて笑ったのではなく、メンタル崩壊による笑顔。
さらに、自分が正しいことを言うほど事態が深刻化することに気付き、107話では神龍に諫言することをやめたが、ファンの間では良心を持って守っていた夏蘭が神龍の良心をこれ以上守ろうとしないため、後に天命を破った見返りにハナンに何か起きるのではないかという推測も出た。
しかし、ミョンヨンのおかげで希望を見出した後は、再び堂々と諫言し、武力を使ってでも他の君子に立ち向かうなど、天命を忠実に行う。その代わり、春梅復活の可能性がなくなり、神龍が四君子を殺そうとすることを以前より嫌がらないなど、いっそう苦しめられていたが···。読者の大多数からは四君子のうち二番目に死ぬという予想がされた。
余談
- 読者コメント欄では夏蘭が出てくる(特に神龍からの暴言•暴力が酷い)話には、神龍を罵る書き込みや夏蘭を想って煩うような書き込みがたびたび掲載される。
- 神龍にひどく暴行されながらも、自分の天命と信念をストレートに吐露する部分が、あまりにも不憫で健気だったためか、その場面を見てファンになった人が多い様子。
- だんだん傷つけられる度合いが激しくなるため、夏蘭が出てくる話では、とりわけ他の話より、コメントの書き込みが殺到している。
- 原則を天命にして生まれた四君子らしく、良心に対する堅固な信条、聖者のような人格、美男なビジュアル、高い戦闘力で人気が高いキャラ。
- 初期は性別を間違う人がいたが男である。今では作者が直接性別を言及したが明言がなかったら誤解が初期以上に多かったキャラ。80話近くになってまだ性別を気にする人がたまにいる。むろん、イ・ガプヨンやアムジュのように、作中で言及があるわけではない。実際、秋菊とともに眉目秀麗な男性である。
- 82話で初めて「陛下、首を斬ってください」とはっきり下克上するなど、この世を地獄に作り上げるという神龍の哲学に反対する時を除けば、意外とお互い気兼ねなく過ごしている様子。ただし、普段から虐待が激しく、どんどんエスカレートしていく点を踏まえると82話が神龍と夏蘭が和やかに描かれた唯一の回と言っても過言ではない。作者のあとがきによると、この場面で夏蘭のセリフがいつもより過激な理由として、元々は「〇〇を切れ」というセリフにしていたが、あまりにも下品で修正したためだという…。82話あとがき
- 神龍が夏蘭を激しく攻撃する場面や、過剰に虐める場面が多いため、2次創作では神龍との組み合わせが多く、同じ四君子である秋菊や冬竹、春梅はもちろん、本来敵対する立場だが類似した要素を持つミョンヨンとの組み合わせも多い。
- きちんとした装いで高潔な印象を与えるために白をベースにしたという。斜めで非対称の髪の毛は蘭の花びらの部分からモチーフを取ってデザインしており、蘭が綺麗なところにのみ咲いているため、全体的に清らかな感じのデザインとなっている。
- ファンの間で2番目に死ぬ四君子として一番多く取り上げられている人物。
1 | 最初から不死ではないと釘を刺して出てくる上に、自分が死ぬこともあり得るから先代の王が自分を殺そうとしたという神龍の台詞。 |
---|---|
2 | 春梅がいない今は神龍と四君子が死ぬこともあり得ると言う夏蘭の台詞。 |
3 | 蘭は枯れるほど葉が暗くなるように夏蘭の髪色がだんだん暗くなる点。 |
4 | 欲望のない人間は死人と同じという神龍の台詞。 |
5 | 四君子やハンソルのように作られた存在の欲望のような概念が「天命」だが、ハナンは自分の天命に逆らう存在でもある点。 |
6 | 季節の順序は「春→夏→秋→冬」である。作中で春梅は死に、春が終わったという言及がよく出てくるが、春の次は夏という意見。 |
台詞
蘭のように弱そうに見えるが、戦闘力は高く、正常な惻隠之心を持ち、原則と道理と良心に従って行動する実直な人物。高い地位にいる人間としての責任感(ノブレス・オブリージュ)も重要と考える。また、このような信念のために自らの安危など全く気にせず、暴君である神龍に直言する。
41 | 理にかなわない命令を下して服従するよう仰る陛下が問題だとは思いませんか? |
---|
47 | 理にかなわぬことはできません。 |
---|---|
夏蘭:陛下。どうして単純に肉体を保護することだけが人間を守ることだといえましょうか。私は陛下の良心です。私は陛下の良心を守る存在です。 | |
神龍:良心は人間を守るのではなく、むしろ危険に陥れるものだ。 | |
夏蘭:良心は闇の中で道を照らす灯であり、人生という長い旅の中で道に迷わないための道しるべです。 | |
神龍:遠回りさせ、険しい道へ行かせる、目的地へ至らないようにするのが良心だ。 |
77 | 陛下。陛下が何を恨んで、何に失望したかは存じています。しかし、貴重なその席は、責任が重いからこそ価値あるもので、高いところに居る者は必ずその責任と義務を果たさなければならないのです。 |
---|
129 | お帰りください。力のない良心では、何も成し遂げられません。 |
---|
145 | それなら今、お前を殺さないとな。 |
---|
174 | 夏蘭:まだだ。私の性格を知ってるだろ。 |
---|---|
秋菊:ああ。だからこそ変わるのを願った。人は簡単に変わるから。 | |
夏蘭:変わったさ。だから元の場所に戻ったんだ。 | |
良心がどうして肉体に帰属すると言うんだ。 |
212 | 以前と同じやり方では同じ敗北をもたらすだけです。人間は悪い方には簡単に変わりますが、良い方に変わるためには劇的なきっかけが必要です。肉がへこみ、骨が折れて、心臓を痛めるような苦痛を乗り越えてこそ、正しいことのための強い力を手に入れることができます。 |
---|
213 | 私が死んだら全てが鮮明になるでしょう。原理は私の生死ではなく真理の中に存在することを。 |
---|---|
陛下。私は陛下を守るのが第一の天命です。どうか永遠の罪を抱えて生きる地獄に堕ちないで下さい。 |
参照
- ナムWiki(ハナン)