춘매
ちゅんめ
「花が美しく感じられる瞬間や香りがほのかな瞬間には陛下にも私の心にあるような喜びが感じられますように」
街談巷説の登場人物。神龍の臣下である四君子の一人だが、神龍の恋人でもある。物語開始時点で既に故人。
春夏秋冬の四季の中では「春」を象徴。代表する価値は儒教の道徳理念「仁義礼智」の中で他者を思いやり、慈しむ心を指す「仁」と推定される。本来の姿は梅の花。
ウェーブがかった、薄いピンクのグラデーションが印象的な白髪にピンクの瞳をしている。半透明なピンクのチョゴリ、背中が露出した白いドレスを着ているが、作者曰く、梅にちなんだデザインだという。
絶世の美女であり、作られた存在ではない純粋な人間の中ではただ一人だけが春梅と同じ外見を持っている。2人はほぼ同じ容姿をしているため、容姿に対する評価も共有される。つまり誰もが認める美しさの持ち主。ちなみに身長は白梅より2cm低く、外見上は20代の女性。
国で最も優れた梅を摘んで100年の祈りで人間になり、後の900年の祈りで作られた神龍の「温情」を司る、最初に作られた四君子。夏蘭(ハナン)が神龍に良心を守れという言葉をよく言ったように生前は神龍にいつも完璧な神としての許しと慈悲を施すように言ったが、これを見ると彼女の天命は「神龍の仁愛となり神龍を正しい方向に導くこと」と推定される。また、かつて秋菊(チュグク)が夏蘭に「春梅とお前は我々とは役割が違う」と言ったが、夏蘭と春梅は神龍が暴政を敷くことができないようにするための制御装置と推測される。
何事にも非常に優しく明るい性格で、他者に対して深く共感し傷つくことを心配する親切さを持っていた。同じ顔を持つ誰かとは正反対で、何事にも笑顔や明るい表情を見せ、目つきや瞳も可愛らしく優しい人物として描かれる。
春梅は生命を作り出す春の化身で、春梅が存在するだけでも私たちを死から復活させるからだ。 |
【78話 神龍】 |
他の四君子とは違って武術を身につけず、戦闘に関する祕笈もユ・ホソンから学ばなかった。他の四君子が神龍
の臣下なら、春梅は互いを愛する恋人としての役割が大きい。しかし、作られた存在固有の能力が現れるが、一つは神龍と四君子を死から復活させ、完全な不老不死の存在とさせること。そして二つ目は…
【以下ネタバレのため注意】
132 | 今日に限ってみんな全く寝つかないので、やむを得ず、しばらく息を止めておきました。 |
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神龍と四君子はもちろん、すべての生命を死から復活させるか、その逆にすべての生命の命を奪うことができる。
生前は自分とユ・ホソンだけが知っていた能力で、これについて、春梅本人は生と死は結局一つであると言い、ユ・ホソンは天命が表す通り、すべてのことの根本になるので当然の能力だと話した。作中でしばらく息の根が切れていた彼らは、生き返るとうっかり眠っていたと感じていることから、死という特別な感覚さえ感じられない模様。
避ける方法が皆無で、生死を完全に攻略する能力であるため、能力だけで判断すれば四君子の中で最強と言える。
また、ブログに掲載された外伝では、遠くにいる人の折れた歯を元に戻したりもした。
後に「5王子の乱」とも呼ばれた事件、先代の王の裏切りにより死亡した。10年経った現在では梅に戻った状態で登場する。ここまでは序盤で明らかになった内容で、作品が進行されるにつれ、春梅の生前の足跡と死が詳細に記述される。
27話で神龍と四君子たちとともに祈りから目覚めたのが見え、28話の神龍の回想で初めて姿を現す。神龍の担当医術師のソブが神龍の脈を計り、煎薬が毒になる組み合わせだと言うと、神龍は「春梅がいるので不老不死も同じだから」として処罰せずに許す。春梅はそう話す神龍の側に座っていた。
その日の夕方、先代の王は神龍を呼び出して裏切り、壮士の血統である武人たちを放って神龍と四君子を攻撃する。四君子たちが神龍の側に移動し、夏蘭は王に「春梅さえいれば…」と言いかけた瞬間、微笑む王を見て春梅の危険を感じ取り、秋菊が春梅の元へ向かう。そして神龍は人質になっていたソブを助けようとするが、それは罠だった。ソブは前もって計画した通り毒を飲んだのが誰なのかを明らかにしようとした瞬間、帰ってきた秋菊の手には血のついた梅の花の枝があった。神龍は春梅を失い、反乱の関係者はもちろん、一族の親戚に至るまで皆殺しにしてしまう。
この日の直後「春梅」の不在によって変わってしまった神龍と君子たちの姿が現われる。神龍はもはや慈悲を抱くことができなくなり、夏蘭は良心に従って行動するが、他人の感情が排除された原則で、秋菊はこれ以上学びを通じた喜びを感じることができなくなった。中盤でも言及されるが、彼らは全員他人に共感できるようにする思いやりを失った状態となる。
神龍は絶望し、何の行動もせず、夏蘭の懇願も無視して、雨が半年以上も降らず、民に苦痛を与えた。しかし、秋菊が天動紙で春梅を蘇らせるという希望を持たせたことで、神龍は再び動くようになる。もちろん天候も操りながら。
神龍は春梅がまた生きて帰ってくるという欲望で毎年天動紙に文を書いたが、時間が経つにつれ神龍は変化し悟る。過去の自分が生前の春梅を愛したが、現在の自分は春梅を戻してもあの時のようなことはできないということを。もう2人は共存できないということを。
そんな中、神龍は春梅と全く同じ外見の妓生に会い、彼女に白梅という名前をつけ、髪を真っ白に染め、春梅の空席を埋める。同じ姿をして、同じ梅宮に住んでいた白梅はある日、神龍に墨の入った硯を投げつけて不安な気持ちをぶつける。神龍は天動紙に接した直後は「春梅を生かすこと」が目的だったが、白梅に出会ってからは「春梅の生命を操る能力を得ること」が一つの過程に変わったという本心を語る。
132話で四君子と神龍の生前どのように過ごしたかが描かれた。春梅は梅宮から梅を眺めているところ、神龍がやってくる。春梅は梅の時の記憶はないが、人間になって梅を見つめる感覚が妙だと言い、神龍と甘い雰囲気の対話を交わす。神龍が夏蘭の小言を聞きながら行く途中、神龍は花を折って春梅に渡し、春梅も同じく神龍に握らせる。良心である夏蘭の小言を聞き、神龍が「やれやれ~」と言うと、春梅も「やれやれ~」と真似しながら笑みを浮かべていた。
書物で見た内容から「愛嬌」が感じられるポーズをしてみる秋菊を見て、彼の言う愛嬌を真似る。弓を練習する冬竹に「一日中それだけしてたら退屈ではないか」と尋ね、「何も考えない」という彼の返事に、春梅は「考えない時の気分」を聞き、冬竹は「気分がいい」と答える。秋菊は武術を学んだらどうだと誘うと、春梅は「あなたたちがいるじゃない」と答えた。 再び、自分たちに何かあったらどうするんだという質問に、春梅は自分がいるのだからそんなことは起こらないと答え、秋菊もこれを肯定する。
そしてその日の深夜、ユ・ホソンに密かに会う。春梅は「みんな全く寝つかず仕方なかった」と話し、しばらく息を止めておいたと微笑んで話す。続いて「もうその時になったのか」と言うと、ユ・ホソンからよろしくお願いしますと言われる。春梅は四君子と神龍だけでなく、すべての生命を死から救い出し、再び生命を取り戻す能力を持っていたが、これはユ・ホソンだけが知っていた。その後の対話はそれ以上は映らず、四君子たちは眠りから覚める。
次の日の朝、夏蘭は昨日急に眠ってしまったことを秋菊に話し、秋菊は自分もだと言いながらこれを「春の季節病」だろうと話す。春梅は何の話をしているのか聞いた後「花びらの愛嬌のポーズ」をしている秋菊の真似をしながら、一緒に夏蘭もやってみることを提案する。夏蘭が恥ずかしそうに蘭の花のポーズすると秋菊共に笑いながら和やかな時を過ごす。すると、3人を何気なく見ていた冬竹に気づき、花のない竹である彼に謎のフォローの言葉を掛けながら、悔しかっただろう、すまないと言う。もちろん、冬竹は愛嬌のポーズなどやりたくないしどうでもよかったのだが春梅は「お前たち(花のポーズを)やめなさい」と真剣に言うギャグチックなシーンが見られた。
ユ・ホソンが法度に従って首を切り自決した日、先代の王は裏切りの準備をして、ソブは春梅に毒の入った煎薬を飲ませる。その夜、神龍は王に呼ばれて部屋へ向かい、春梅は一人になった。春梅は急に睡魔に襲われて倒れこみ、心の中で秋菊が言っていた言葉を思い出す。
あ…これが季節病なのかな…? |
そうだ。秋菊が… |
人はみんな、こういうものなのよね… |
そして秋菊が駆けつけた時、春梅は口と鼻から血を流して倒れており、秋菊の目の前で血塗れな梅の花の枝に戻る。
春梅は死んだ感情の象徴で、生きた感情の象徴であるホンファの対比とされる。作者は154話あとがきにて、前者は「出ていった席」、後者は「入ってきた席」と表現した。
これは韓国のことわざ「든 자리는 몰라도 난 자리는 안다(入ってきた席はわからないが出て行った席はわかる)」から抜粋したものと思われる。その人がいる時には存在の価値や有り難みに気づかないが、いなくなるとその存在の大切さに気づくことを意味する。
- 表紙を通じてオフ・ザ・レコードの設定が確認されたことから、白梅と春梅は一人多役だと思われたが、最後の外伝を見ると白梅と春梅は別人である。
- 白梅によく似ており、ポジションを少し共有しているが、印象や性格は正反対。春梅は仁愛と愛情の象徴らしく印象も善良でおとなしい方だが、白梅は無慈悲さを感じられる性格で、欲望の象徴であるだけに印象も鋭く刺々しい。
- 春梅が死んだ後、他の四君子と神龍は肯定的な感情と共感能力をすべて失ってしまった。これは春梅が「仁」を象徴すると同時に神龍の優しさや思いやりを象徴しているためである。
- ブログに出た作家の質疑応答によると、四君子の中で一番年長者。
- 2次創作では主に神龍や白梅との組み合わせが多い。四君子とも一緒にされるが、このときは性愛より友達を懐かしむなどの友情に関する内容が主に盛り込まれている。
- 作者がブログで「神龍は春梅を最も愛するしかない存在」と言ったことがあるが、このため、一部では神龍が春梅を愛すること自体が神龍の天命の一つではないかという話も出ている。
- 主要人物ではあるが、物語開始から既に故人かつ神龍の現恋人である白梅が目立っているため、春梅の姿が映るシーンは非常に少ない。
132 | 梅の時の記憶はありませんが、人になって梅を眺める感覚はとても奥妙で心地いいです。人間というのはこういうものなんですね。こんな感情を感じるなんて不思議です。花が美しく感じられる瞬間や香りがほのかな瞬間には陛下にも私の心のような喜びが感じられますように。 |
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133 | あ…これが季節病かしら…? |
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そうだわ。秋菊が… | |
人はみんな、こういうものなのよね… |