「街で人々の間に流れている風聞や噂を『가담항설(カダムハンソル)』って言うよね? 僕のことは『항설(ハンソル)』って呼んでよ」
プロフィール
※名前のスペルは正確なものとは限りません。
概要
白く短い髪に薄黄色の目を持つ、白い服を着た青年。だがその正体は人間ではなく、岩である。
人物
元々ボクアの村にあった「祈り岩」だったが、ボクアがたった二度祈っただけで人(ハンソル)ができた。
着衣、食事といった常識を知らない。一方、「巷で流れる根拠のない噂話」という意味の街談巷説について言及するなど、難しい単語を扱う非凡な姿を見せた。「가담항설(街談巷説)」という四字熟語から取って自分の名前を「항설(hangseol)」と呼んでほしいと言うが、ボクアはその名前は滅多にないと言って「한설(hanseol)」と呼び直す。
大石から人間になった時、全裸であることを懸念したボクア(奴婢)から彼の古着を渡され着用している。しかしそのためか、行く先々でボクアに仕える奴婢と誤解されがち。誤解した一人であるアムジュはハンソルの超人的な身体能力を見て 「父親が優れた資質の壮士なのに母親は卑しいんだな」と揶揄する。
無知ゆえに幼い面もあるがボクアに対しては従順。
能力
体が完全に岩のため、のどもなく、痛みも感じず、血も出ず、肌もとても堅い。序盤で片腕が斬られても楽観的な態度を取るハンソルにボクアは引いている。
身体は岩である一方、軽快かつ敏捷な身のこなしで力も強い。
対峙した武官たちは「壮士のようだ」とハンソルの身体能力や強い肉体を指したが、ホンファやアムジュなどの壮士も怪我をすると出血するうえ、四君子さえも負傷すれば血を流す。一方、ハンソルは強い衝撃を受けると「壊れる」。
身体の性質が石かつ身体能力が優れ、作中では壮士と誤解されがち。しかし、ボクア(の筆力)により強化された状態でもアムジュに壊されたことを考えると、一般的な壮士より身体能力が落ちると思われる。
だからといってハンソルが壮士の下位互換であるというわけでなく、水も、食べ物も、空気も何の必要もなく生活でき、体がばらばらになって動いたり、貼り直すこともできる。これまでの最大の長所としては、あらゆる結界を無視する。正確には結界があるかどうかを認識することができず、結界の影響を受けない。これは、読眼で結界を解くこととは異なる。例えば、主人公一行がシム•ヨンホを訪ねる道で、最強の結界師である秋菊が作った虚像結界によって「ただの橋」を「切られた橋」と勘違いして通り過ぎる時も、ハンソルはなぜ「ただの橋」を前にして帰るのか理解できていない。(ハンソル以外の通常の人間には切られた橋にしか見えていない)
またハンソルはただの人の形をした岩なので体は重いが、深い水中にいても自ら抜け出せる。電気に対する耐性も強いため、神龍だけが使える武器の稲妻も通じない。むろん、神龍の能力は雷を操るのではなく、天候全体を操るため、完璧な天敵ではないが、超人的に動く人間の形をした石は、風に飛ばされず、凍らず、火を通さず、雹に耐えられることとなる。溺死も不可能である。
そして、粉々の石になったまま長い間放置されてもいつでも簡単に蘇らせられるという長所も活用し、粉々になった状態でボクアが持ち運び、適切な時に適切な場所で復元するという方法で神出鬼没な攻防を見せる。
またとない生体兵器であり、非人間の無生物だからこそ完全な回復が可能。
そして不死性と怪力に劣らず記憶力と五感も超人的。「坊ちゃんが必ず科挙に及第して王様に学び身に付けたことを話しに行けるようにしてください」というボクアの願いによってハンソルが作られたためと考えられるが、ある程度読んだり書き方を学んだ後、今までボクアに言われたことを地面に書いたりした。ボクアの声は他人が話している時も、ボクアが遠くにいる時も全て聞くことができ、自分の一行が遠くで危険に晒された時に現れるなどした。
結論を言えば、壮士と同等なほどの力を有するが、急所というものが存在せず、毒や虚像結界も効かず、溺死もせず、身体が千切れても死なないので、修復さえできれば、いつでも回復可能なチート。
台詞
2 | なぜなら、僕は僕が知ったことを王に伝えに行かなければならないから。 |
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3 | 街で人々の間に流れている風聞や噂を『가담항설(街談巷説)』っていうよね?僕のことは『항설(ハンソル)』って呼んでよ。 |
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6 | 大丈夫。分からない部分からは 一緒に知っていけばいいじゃないか。君が元気になるまで待つよ。待ってる。さっきもここで君を長い間待ってたけど君が起きた時本当に嬉しかった。だから大丈夫。待ってるから。 |
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14 | 桃花は桃源郷で咲く花なり。小川に沿ひて桃の花びら流るるままに、漁人それを見ゆれば隠る桃源郷見つけたり。すでに逃ると思へどかのしるしにて見つけたり。 |
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68 | だめだよ。ボクアは僕を宮殿に送ってやるって約束したんだから。僕は僕が知ったことを王に伝えに行かなきゃいけない。だから絶対にボクアを死なせないぞ。 |
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135 | ボクア…なんで僕にそんなこと言うの? 心がとても痛いよ… |
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210 | 君は僕に心臓がないって言ったけど、僕は僕の心臓がどこだか知ってる。今とても痛い所が僕の心臓だ。 |
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僕を宮殿に連れて行ってやるって言っただろ。君なしで行けないからじゃない。君なしでは行きたくないんだよ。 | |
僕をこんなに悲しくさせるなら、悲しみが何か教えてくれよ。君を大切にするべきじゃなかった。僕の特別な人になるべきじゃなかった。どうして他人を想う気持ちを分かるようにしたの。 |
224 | 僕の天命は王に会うことだ。 |
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だけど、いま僕がするって決めたことはここでお前を倒すことだ。 |