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911GT3

ないんいれぶんじーてぃーすりー

911 GT3とは、ポルシェ 911シリーズにおいて自然吸気エンジンを搭載するモデルの中でも高性能なモデル、つまり上位グレードの名前である。本項ではそのツーリングモデルや911 GT3のレーシングスポーツ用の味付けがなされた911 GT3 RSについても触れる。
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本記事に直接関係のないものの追記はご遠慮下さい。また、記事の私物化はお止め下さい。














pixiv上での表記

公式には「911 GT3」(911 GT3 RS)だが、pixiv百科事典ではスペースを入れた記事は作品とのリンクが出来ない(いわゆる「スペース入り記事」)為、便宜上「911GT3」と表記している。




概要

Porsche(ポルシェ) 911シリーズの中でも、自然吸気エンジンを搭載するモデルのうち高性能なモデル、つまり上位グレードモデルにはこの「GT3」の称号が与えられる。

系譜としては、1973年デビューの、「911 Carrera(カレラ) RS (993)」(下の画像参照)を先代としており、最初の911 GT3がデビューして以降本シリーズはかれこれ20年くらいの歴史を持つ。

Porsche 911 Carrera (993)


現在では世界中のレースシリーズで本シリーズのレーシングモデル等が活躍している事もあり割と身近な存在となっている。


なお、記事タイトルの読み方の「ないんいれぶん(ナインイレブン)」は当地での発音の仕方に準拠している(918 Spyderを「ないんえいてぃーんすぱいだー(ナインエイティーンスパイダー)」と言うのと同じ)。「きゅういちいち」は日本でしか通用しない事には留意。




歴史

996型911 GT3

2001 Porsche 911 GT3

911 GT3 (996.1)

最初のGT3は、911シリーズの5代目である996型でデビューした。

GT2は「FIA GT3カップ」に投入された車のホモロゲーションモデルとして、996シリーズ(996型は2つあり、ここでは996.1型を指す)の第1世代の1グレードとして1999年に導入。996 GT3はレースに重点を置いていた為、不要な重量を追加するアイテムは無かった。オートエアコンとCD/ラジオは無料のオプションで追加できたが、後部座席、後部スピーカー、サンルーフ、消音素材は完全に除去された。


996 GT3のエンジンは、他の996型のモデルとは一線を画しているが、標準のドライサンプ水平対向6気筒エンジンと同じ基本設計を共有している。エンジンは自然吸気で、レーシングカーのポルシェ 962、911 GT1(993型911シリーズのレーシングモデル)で使用されているユニットに基づいている。そのエンジンは、デザイナーのハンス・メツガーにちなんで「メツガー」エンジンとして知られた。エンジンは、外部のオイルリザーバーを備えた、オリジナルの空冷911の用途のドライサンプクランクケースを使用している。標準の996の、300ps(221kW;296hp)と比較して、996 GT3は、360ps(265kW;355hp)のパワーがある。GT3の構造では、いわゆる「スプリット」クランクケース(クランクケースのパーティングラインがクランクシャフトの中心線上にあることを意味する)は、クランクケースの両側に個別のウォータージャケットを追加して、ラジエーターを通してポンプで送られる冷却水でシリンダー3つのバンクを冷却する。したがって、GT3エンジンは、同じクランクケースをベースにした完全水冷式のレーシングカー、ポルシェ 962のエンジンと非常に似ている。ただし、962は6つの個別のシリンダーヘッドを使用するが、911 GT1及びGT3は、空水冷の959(日産 スカイライン GT-Rが搭載する「ATTESA E-TS(通称「アテーサ」)の原型になったと言われる制御システムを搭載するモデルとして有名)と同様に、それぞれ3つのシリンダーのバンクをカバーする2つのシリンダーヘッドを使用する。これによりGT3エンジンは、959エンジンとも似ているが、水冷シリンダーを備えている。

2004年初頭の生産モデルの996 GT3まで、GT3のクランクケースに使用された基本的な鋳造は空冷エンジンと同じだった。2004年半ばに「996」鋳造番号のクランクケースに変更されたが、内部的には同じだった。


996 GT3は空冷911(初代の901型から4代目の993型まで)譲りの6速MTを使用した。このギアボックスは交換可能なギア比を備えており、標準タイプの996ギアボックスよりも耐久性が高く、レースに適していた。


サーキットでの能力を最大限に引き出すために、PorscheはGT3に、ブレーキの拡大、サスペンションシステムの再調整、軽量化、ダウンフォースを高めるためのリアスポイラーと一致する新フロントバンパーを装備し、グリップを向上させた。


また、Porscheは「Clubsport(クラブスポーツ)」パッケージと呼ばれるGT3の無料オプションを提供した。このオプションは、標準のパワーシートのレザーフロントシートを、難燃性ファブリックで仕上げられた手動で調整のレーシングバケットシート、シングルマスフライホイール、ボルトインハーフロールケージ、6点式ドライバーレーシングハーネス(標準のサイドエアバッグも交換)に置き換えた。消火器(助手席の足元に取り付けられている)とバッテリーマスタースイッチも準備された。




911 GT3 (996.2)

2004 Porsche 911 GT3 RS(996)

Porscheは、2002年型の996を使用して2004年モデル(米国の顧客に車が提供された最初の年)のGT3の大幅な更新を実施。これが996.2型911 GT3である。

エンジン出力は381ps(280kW)に上がり、トルクは385Nmで、その80%は2000rpmから利用可能だった。

ブレーキのセットアップがアップグレードされ、フロントに6ピストンキャリパーが搭載され(リアは4ピストンのまま)、オプションとしてセラミックコンポジットブレーキ(炭素繊維強化炭素複合材料セラミックコンポジットブレーキ、略称「PCCB」)システムが提供された。


アメリカの自動車雑誌によるトラックテストでは、GT3は0–60mph(0–97km/h)加速4.5秒、1/4マイル時間は12.0秒で、速度は118mph(190km/h)を記録している。


ポルシェの公式テストドライバーであるヴァルター・ロールは、ニュルブルクリンクノルドシュライフェを996 GT3で7分56秒を記録した。これは、Porscheが宣伝する際に使用した記録でもある。




911 GT3 RS (996.2)

2003年、Porscheは996型911 GT3の、更ににトラックに焦点を合わせたバージョンである911 GT3 RSを発表した。RSはドイツ語で、RennSportの略で、英語では文字通り「Racing Sport(レーシングスポーツ)」。「RS」は特徴的な軽量の青または赤のホイールと、「GT3 RS」サイドステッカーは、996 GT3RSを1970年代初頭のカレラ2.7RSなどの歴史的なモデルを彷彿とさせる。

996型911 GT3 RSは、ポリカーボネート製のリアウィンドウ、カーボンファイバー製のフード、リアウィングの効果で996 GT3よりも軽量化されている。

セラミックコンポジットブレーキは、標準装備の鋳鉄ユニットよりも耐熱性と耐フェード性に優れている。


996型911 GT3 RSは、996型911 GT3とはわずかに異なるエンジン仕様を持つ。996型911 GT3 RSのシリンダーヘッドは、レースホモロゲーションの為吸気ポートと排気ポートの形状を変更した。出力はGT3よりも若干向上し381hp(284kW)。

RSには、プログレッシブスプリングもある。

ダンパーはアップグレードされており、バウンドとリバウンドにおいて996 GT3よりも10〜15%剛性がある。


ホイールキャリアは、改善されたダイナミックキャンバーコントロールを最大化するために完全に再設計されている。サスペンショントップマウントは、120度回転させて、カップカーの位置にすることができる。フロントとリア両方のコントロールアームは調整可能。RSは3mm (0.1in)、996 GT3よりも低い。


リアウィングは125mph(201km/h)で35kgのダウンフォースを発生。RSには、エンジンベイにラムエアダクトがあり、187mph(301km/h)で18mb(ミリバール)(=1.8kPa)の圧力で空気を吸気口に押し込む。そして15hp(11kW;15ps)のオーバーパワーを発生する。公式のエンジン出力はダイナモメーターで認定されているため、この追加の出力は認定できない。


本モデルは、2003年から2005年にかけて生産された。Porscheが製造した右ハンドル車は140台のみで、そのうち113台が正式に英国に輸入された。また、本モデルは米国、カナダでは販売されていない。


自動車雑誌は、996型911 GT3 RSが0–97km/h(0–60 mph)加速が約4.3秒で、スキッドパッドで1.0g以上を維持し、最高速度は約306km/h(190mph)としている。


なお、本モデルはニュルブルクリンク北コースを7分47秒でラップした。




997型911 GT3

2008 Porsche 911 GT3

911 GT3 (997.1)

2006年2月、Porscheは911シリーズの6代目となる997型(の前期モデルとも言える「997.1型」)でGT3を発表。

新型3.6L H6エンジンは最高出力415ps(305kW)を発生させる。

本モデルは「ゼロリフト」空力特性を備えている。ボディはダウンフォースのみを発生させ、グリップを意図的に低下させる「リフト」は無い。

GT3は、PorscheのアクティブPASMサスペンションの修正されたトラック指向寄りのバージョンを利用しており、電子的に調整可能なサスペンションシステムを備えた最初のRSまたはGT3バージョンとなっている。

ナビゲーションシステムとポルシェの「スポーツクロノ」ゲージパッケージも利用可能。

2006年の夏に発売され、米国では917台、カナダで46台が販売された。

本モデルは、0–97 km/h(0–60mph)4.1秒、最高速193 mph(311km/h) 。Road and Trackは0–60 mph (0–97 km/h)3.8秒を達成することができた。ポルシェの公式テストドライバー、ヴァルター・ロールは、2006年に本モデルを使用して、ニュルブルクリンクノルドシュライフェで7分42秒を記録した。




911 GT3 RS (997.1)

2006年10月にヨーロッパで、2007年春頃に北米で997.1型911 GT3 RSを導入。これも996型と同じ様に一連のレーシングシリーズのホモロゲーションモデルとしてデビューした背景を持つ。

997.1型911 GT3と比較して本モデルは25kgの軽量化がなされており、その車重は1370kg。この軽量化は調整可能なカーボンファイバーウィング、スチールエンジンカバー、軽量プラスチックフロントガラスの使用によって達成された。

本モデルは997.1型911 GT3と比較してリアが64mm程大きい。リアエンドは、方向安定性を向上させるだけでなく潜在的なコーナリンググリップを向上させる。ただし、リアウィングが大きくなる為抗力が増加し最高速が低下する。新技術に加えて塗装スキームとボディパネルはすべてRSの為に特別に設計されている。




911 GT3 (997.2)

2009年、Porscheはエンジン排気量を3.8Lに拡大し、最高出力を435psに引き上げた997型の後期モデルと言える997.2型911 GT3をデビュー。

ダイナミックエンジンマウントや、低い最低地上高を補う為、空気圧で持ち上げるフロントアクスルなど、多くの新しいオプションを備えていた。リアスポイラーもボディワークの他の部分と一緒に変更された。

同年11月に欧州での納入を開始。米国では654台、カナダでは58台が販売された。




911 GT3 RS (997.2)

センシティブな作品

2010年、Porscheは997.2型911 GT3を更にパワーアップさせたRSモデルをデビューさせた。

新型の3.8L H6エンジンの最高出力は450ps。

グランダム(北米のスポーツカーレーシングシリーズの名称)は当初、本モデルの参戦を承認しなかったが、パフォーマンス問題クリアの後グランダムは2010年4月に参戦を承認した。

北米で541台、カナダで71台が販売された。




911 GT3 RS 4.0 (997.2)

2012 Porsche 911 GT3 RS 4.0

2011年にデビューした本モデルは997型におけるGT3の最終的な進化系で、4.0はエンジンの排気量をcc単位で表記した時の上2ケタを示す。

エンジンは4L H6エンジン(ストリートリーガル911で搭載される最大級のエンジン)を搭載し最高出力は500ps/8500rpmを記録する。クランクシャフトは、911シリーズの完全レーシングモデルである「911 RSR」のものを使用する。

シャーシは997型911 GT2 RSのものを使用している。

車重は1360kg。パワーウエイトレシオ(kg/ps)は2.72kg/ps。

パフォーマンスの数値では0–97km/h(0–60 mph)加速が3.5秒、最高速が193mph(311km/h) 。ニュルブルクリンクノルドシュライフェのラップタイムは7分27秒だった。

限定で600台が生産され、うち米国で141台、カナダで16台が販売された。




991型911 GT3

911 GT3 (991.1)

2014 Porsche 911 GT3

2013年、Porscheはジュネーブモーターショーで991型911 GT3を発表した。

本モデルは、8250rpmで出力475ps(469hp;349kW)を発生する新型3.8L 直接燃料噴射(DFI)H6エンジンを搭載している。ポルシェドッペルクップルング(ポルシェにおけるデュアルクラッチ式オートマチックトランスミッションの名称。略称「PDK」)および後輪ステアリングを搭載。エンジンは991型911 Carrera Sに装着されたユニットをベースにしているが、共通のパーツはごくわずか。他のコンポーネント、特にクランクシャフトとバルブトレインは本モデル用に特別に開発された。たとえば、本モデルのエンジンは、エンジン最大回転数が9000rpmに到達できる様、鍛造ピストンに取り付けられたチタンコネクティングロッドを使用している。

デュアルクラッチギアボックスは、レーシングカーで使用されるシーケンシャルマニュアルトランスミッションに基づいて、本モデル用に特別に開発されたもう1つの機能である。

(シーケンシャルミッションではあるが「パドルシフトによる変速」であるという事に留意。)

本モデルは、0–97km/h(0–60 mph)加速3.5秒以下、1/4マイル(いわゆる「ゼロヨン」)は11.2秒で速度126mph(203km/h)。最高速度202mph(325km/h)とされている。ニュルブルクリンクノルドシュライフェのラップタイムは7分25秒だった。


2014年、何件かのエンジンが故障する事象後、コネクティングロッドボルトのサプライヤーがボルトの合金の製造ミスを犯したことが発見された。その後、それまでに製造された785台のGT3はすべて販売店に回収され(いわゆる「リコール」)、新しいエンジンが取り付けられた後すべての所有者に1年間の保証が追加された。その後10年間、12万マイルのエンジン保証の延長を提供した。




911 GT3 RS (991.1)

2016 Porsche 911 GT3 RS

2015年、ジュネーブモーターショーで991.1型GT3のRSバージョンを発売した。メイン画像の車はこの991.1型911 GT3 RSである。イメージカラーは明るいメタリック風のオレンジ。

991.1型911 GT3と比較して、フロントフェンダーにはルーバーが装備され、リアフェンダーにはターボのようなインテークが含まれるようになった。ルーフはマグネシウム合金でできている。インテリアには、フルバケットシート(918 Spyderのカーボンシートに基づく)、カーボンファイバーインサート、軽量ドアハンドル、および標準のクラブスポーツパッケージ(フロントシートの後ろにボルトで固定されたロールケージ、バッテリーマスタースイッチ、6点式安全ハーネス、備え付けブラケット付き消火器)が含まれる。


本モデルは4L H6エンジンを搭載し最高出力500ps(370kW;490hp)、最大トルク469Nmを記録する。トランスミッションはPDKのみ。ドライブトレインは0–100 km/h(0–62mph)加速3.4秒(997型911 GT3 RS 4.0より0.6秒速い)、0–200km/h(0–124mph)加速は10.9秒。本モデルには、従来のマニュアルギアボックスでクラッチを押すのに匹敵する「パドルニュートラル」によるクラッチ解除や、ピットスピードリミッターボタンなどの機能も備わっている。991.1型911 GT3と同様に、リアアクスルステアリングと完全に可変のリアアクスルデフロックを備えたポルシェ・トルクベクタリングプラスがある。ニュルブルクリンクノルドシュライフェのラップタイムは7分20秒である。




911 GT3 (991.2)

2017年、ジュネーブモーターショーにて改良された911 GT3(991.2型)を発表した。

エンジンに大幅な変更が加えられ、911 GT3 R(レースモデル)及びカップのレーシングカーから派生した4L H6エンジンで、9000rpmまで回せる様になった。エンジン最高出力は500ps(493hp;368kW)、最大トルクは460Nm。

ポルシェの焦点は、スロットルレスポンスの改善の為内部摩擦を減らすことにあった。991.1g型911 GT3と比較して、リアスポイラーは0.8インチ高く、より効果的に後方に配置されているため、ダウンフォースが20%増加した。新しいフロントスポイラーがあり、より大きなラムエアダクトとリアサスペンションに変更された。車は最高速度で154kgのダウンフォースを生成する。本モデルは、MTかPDKデュアルクラッチトランスミッション(=パドルシフト)のどちらかを選択できる様になった。


パフォーマンスの数値は、0–97km/h (0–60mph)加速が3.8秒(PDKバージョンの場合は3.2秒)、1/4マイル時間は11.6秒。GT3は198mph(319km/h)の最高速を達成することができた。




911 GT3 Touring (ツーリング) (991.2)

2018 Porsche 911 GT3 Touring

2016年、GT3のツーリングバージョンが導入された。

このバージョンでは、リアウィングが取り外され、Carrera GTSのリトラクタブルリアスポイラー(ガーニーフラップと20度の展開角度)に置き換えられている。より滑らかで流れるような美的イメージで、更に上向きに伸びてダウンフォースを得ている。スポイラーは75mph (121 km/h)で展開する。そして50mph(80km/h)で収納される。ボタンを押すだけで手動で展開することもできる。ダウンフォースは最高速で標準の991.2型911 GT3よりも104kg少ない。最高速度も196mph (315km/h)に低下している。

ツーリングはMTモデルのみ存在し(無いとは思うがオーナーが滅茶苦茶にいじり倒してパドルシフト化していたりシーケンシャルミッション化していたりする可能性が低いがなきにしもあらず)、インテリアは革とアルカンターラが特徴であり、通常GT3で利用可能なクラブスポーツパッケージでは指定できない。その他のオプションと機能はGT3と同様。

サスペンションの設定は、エンジンと同様に標準のGT3と同様。ただし、エアインテークは通常のGT3のボックスペーパーエアフィルターを円錐形のハイフローBMCエアフィルターに置き換え、ガーニーフラップの下の2つのエアフィルターチャンバーに追加している。これが通常のGT3とGT3 Touringのエキゾーストノート(エンジンサウンド)の違いの理由。

991.1型911Rとは異なり、本モデルは限定生産ではない。




911 GT3 RS (991.2)

センシティブな作品

2018年2月、Porscheは改良されたGT3 RSを発表した。

変更点には、991.2型GT3およびRSRモデル(レーシングモデル)と同様の9000rpmの最大回転数と20ps(15kW;20hp)、10Nmアップした新エンジンが含まれる。以前のGT3 RSから、ブレーキ冷却用のNACAダクト、変更されたフロント(991.2型GT3と同様)サイドスカートとリアウィング(991型911 GT2 RSと同様)でダウンフォースが増加し、すべてのサスペンションリンクのボールジョイント、フロントヘルパースプリング、リアとリアサイドウィンドウ用の軽量ガラス、新開発のタイヤコンパウンドがある。オプションとして、追加のカーボンファイバーボディとインテリアパーツ、マグネシウムホイール、より剛性の高いサスペンション設定を含む「Weissach Package(ヴァイサッハパッケージ)」を利用できる。


2018年4月18日、ケビン・エストレがドライブし、本モデルはニュルブルクリンクノルドシュライフェで6分56.4秒のラップタイムを記録した。7分の壁を破った3番目のポルシェのプロダクションカーである。

(ちなみに最初は918 Spyder。)




992型911 GT3

911 GT3 (992)

2022 Porsche 911 GT3

2021年2月、992型911 GT3を発表した。

本モデルは先代と同じエンジンを搭載し、4L H6エンジンで8400rpmで510ps(503hp;375kW)、6250rpmで470Nmを発生する。

本モデルの0–100 km/h(0–62mph)加速は3.4秒。

また、本モデルは991型911 RSRの影響を受けた不等長のコントロールアームフロントサスペンションになった。リアウィングは、以前のGT3モデルと比較してダウンフォースが増加したスワンネックパイロンとなった。

本モデルは7速PDK、6速MTのいずれかが提供される。6速MTモデルについてはTwitterに走行風景がツイートされていたのでそちらを参照されたい。

当該ツイート(クリックまたはタップするとページが開きます)


また、6速MTモデルと7速PDKモデルの2台でドラッグレースを行った動画があるので参照されたい。

MTはギアチェンジを人が行う為、そのシフト捌き(さばき)もといシフトラグ(変速に必要とする時間)は人によって異なる。対しPDKは後述の通りシフトチェンジを世界最速でこなす為、MTモデルがPDKモデルに対して変速で後れを取るのは必然の事である。




911 GT3 Touring (992)

992型911 GT3はツーリングパッケージが選択可能で、リアウィングを自動的に展開可能なリアスポイラーに置き換えられる。




911 GT3 RS (992)

2022年8月、992型911 GT3 RSを発表した。現状(2022年12月)の911GT3シリーズにおける最新作である。

フロントフードには、大型のセンターラジエーターを採用。リアには、スワンネックで支えられた大型リアウィングを装備した。ポルシェの量産車で初めて、車両のルーフよりも高い位置にあるリアウィングとなる。高回転志向の4L H6 NAエンジンを搭載。最大出力は525ps。0-100km/h加速3.2秒、最高速296km/hの性能をものにした。

同年10月13日、ニュルブルクリンク北コースにおいて6分49秒328のラップタイムを計測したと発表した。


同年10月21日には アメリカ限定の「トリビュートtoカレラRSパッケージ(Tribute To Carrera RS Package)」を発表した。 911 Carrera RS 2.7 (901)(俗称「ナナサン・カレラ」)の50周年を記念したパッケージオプションとなり、ボディカラーはホワイトを基調に、パイソングリーンのアクセントを添えた他、専用デザインのテールライトがホワイト+グリーンのテーマを強調。リアウイング両端のサイドプレートはホワイトで塗装され、パイソングリーンのRSロゴが入る。パイソングリーンの鍛造アルミホイールには、白いピンストライプが添えられる。




PDKとは?

本記事で度々その名前が登場した「PDK」は、途中でも軽く触れた通り、「Porsche Doppelkupplung(ポルシェ ドッペルクップルング)」の略称で、Porscheオリジナルのデュアルクラッチ式オートマチックトランスミッションの事を指す。

その開発経緯は紆余曲折あったが、現在ではPDKは世界で最も短い時間でシフトチェンジが出来るクラッチとトランスミッションのセットとされ、そのシフトラグはわずか0.01秒(10ミリ秒)以内とされる




pixivでのイラストについて

やはり911 GT3 RSの方が知名度が高く、911 GT3や911 GT3 Touringのイラストの投稿は少ない。ユーザーからの多数の投稿が待たれる。

また、イラスト検索時には「911GT3」よりも「911 GT3 RS」で検索をかけた方が数がヒットする。




関連タグ

ポルシェ ポルシェ911

GT3→FIAが定義するレースマシンカテゴリの1つ。


911GT2→911 GT3の更に上を行くモデル。

911R→911 GT3シリーズと似て非なる少し特殊なグレード。




その他おさえておきたい、記事中に名前が登場したポルシェの車(特に重要なものを記載):

  • 911 Carrera RS (993)→911シリーズの4代目、993型のうち最高級モデルを務める。
  • 911 GT1→993型911シリーズベースにレーシングモデルに改造した車。
  • 911 Carrera RS 2.7 (901)→911シリーズの初代、901型のうち最高級モデルを務める。ちなみに2.7は排気量をcc単位で表記したときの上2ケタの数値を示す(=2700cc、2.7L)。なお、これの上位モデルとして排気量が2.8Lになったモデル(911 Carrera RSR 2.8)が存在する。



外部リンク

ポルシェ・911 GT3 - Wikipedia(JP)

ポルシェ・ドッペルクップルング - Wikipedia(JP)



Porsche 911 GT3 RS - ポルシェジャパン

※ここで取り上げられているのは992型。

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