初めに
中立性を保つため、編者個人、ないしは特定の人物の主張、見解に基づいて記述することはお控えください。
概要
AV新法(えーぶいしんぽう)は、アダルトビデオ(AV)の出演に係る被害の防止・被害者の救済を目的として制定された日本の法律。略称は「AV出演被害防止・救済法」で、「AV被害救済法」・「AV新法」と呼称される場合もある。2022年6月に成立し、同月に公布・施行された。
その後、当事者の意見を無視して可決されたAV新法で仕事が縮小したセクシー女優や男優・監督が2024年に「AV新法改正」を訴える国会前デモ行進に参加していた。
経緯
2018年6月に決定された民法の改正により、2022年4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられた。この為従来「未成年」として取り消し権を行使できていた高校生を含む18・19歳についての扱いが各所で議論となっており、特に女性のアダルトビデオなどの成年向けコンテンツの出演契約を巡って、支援団体が取り消し権の復活を求める活動を行っていた。元々若年層など知識の少ない演者が悪質なメーカーと不利な条件で契約を締結させられ、出演・販売を強要されたという事案について、支援団体からは法整備が求められていた。
活動を受けて同月に与党(自民党)側が、AV出演強要問題についてのプロジェクトチームを結成した。6党の与野党が参加して足並みを揃えた議論が行われるようになり、成人年齢の引き下げ・未成年の取り消し権だけで無く、広く「AV出演強要の被害防止」を念頭に置き、年齢・性別を不問に出演者を保護する為の法案が作成された。ちなみに同年5月時点で明らかになっているAV新法の主な内容は以下の通りで、詳しくはここを参照して欲しい。
出演者の意思・権利を守るもの
- 出演者に対して性行為を強制してはならない(第3条)。
- 撮影は契約書などの提供から1か月が経過した後に行われる(第7条)。
- 作品の公表は撮影から4カ月を経て行われ、撮影後には出演者に映像の確認を行う必要がある(第9条)。
- 出演者の年齢・性別に係わらず、映像の公表から1年間(施行当初は2年間)は無条件・違約金など無しで契約を解除できる(第13条)。
制作側・販売元に課される義務や罰則
- 制作・公表者は契約時に撮影で求められる性行為の内容などを記した書面を渡したり、出演者が特定される可能性などを説明する義務を負う(第4-6条)。
- 契約解除の場合、制作・公表者が商品を回収するといった原状回復の義務を負う(第16条)。
- 虚偽の説明・契約の解除を防ぐ為に脅した場合、事業者は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金を課せられる他、法人の場合は1億円以下の罰金となる(第20-22条)。
関連動画
外部リンク
テリー伊藤がセクシー女優らとAV新法の改正を求めるデモ行進に参加「ピュアな女性たちを応援したい」