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CVCC

しーぶいしーしー

CVCCは、希薄燃焼(リーンバーン)させる事で排出ガス中の有害物質を少なくする技術である CVCCについては、旧ソの副室式エンジンに関する技術論文に基づいている。 当初は触媒を使用しなかったので、有鉛ガソリンの使用も可能だった。
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概要編集

CVCCは、リーンバーン(希薄燃焼)させる事で排出ガス中の有害物質を少なくする技術である。混合気をリーン(希薄)にしていくと、排出ガス中の有害物質を低減出来るが、逆に失火しやすくなり、生ガスによる有害物質が増えてしまう。そこで、副燃焼室専用の吸気バルブ、専用のインテークマニホールド、専用のキャブレターとを持ち、副燃焼室に通常よりリッチ(濃い)な混合気を導入し、点火プラグで確実に着火させ、トーチ孔からの燃焼火炎で主燃焼室のリーン混合気を燃焼させる。これにより排出ガス中の有害物質が低減される。


この副室式燃焼室は、燃料供給や着火方法こそ異なるが、予燃焼室式や過流室式といった熟成されたディーゼルエンジン技術の応用である。CVCCについては、旧ソ連の副室式エンジンに関する技術論文に基づいている。


排出ガス対策の種類としては、エンジン本体の改良で有害成分を少なくする技術を「前処理」、排出ガスを触媒などで低減する技術を「後処理」と呼んでいる。これは当時、酸化触媒ではエアポンプやリードバルブによる酸素の供給が必要だったり、経年変化により処理能力が落ちるため、内部のペレットを定期的に交換する必要があるなど、課題が多かった。そのため、ホンダでは前処理方式を選択した。当初は触媒を使用しなかったので、有鉛ガソリンの使用も可能だった。


CVCCに対する評価編集

当時世界一厳しく、パスすることは不可能とまで言われた米国のマスキー法という排気ガス規制法(1970年12月発効)の規制値を、最初にクリアしたエンジンである。その功績により「CIVIC CVCC」はSAE(米国自動車技術者協会)の月刊機関誌(AUTOMOTIVE ENGINEERING)上で20世紀優秀技術車(Best Engineered Car)の1970年代優秀技術車に選ばれた。

社団法人自動車技術会の「日本の自動車技術180選」の「ガソリンエンジン」部門で、「マスキー法を後処理(エアポンプや触媒等)無しでクリアできる最初のエンジンとして米環境保護庁(EPA)より認められた複合渦流調速燃料方式」として選出されている。

2007年に、日本機械学会が創立110年を記念し制定した機械遺産(6号)に、「日本の排出ガス低減技術を世界のトップに引上げた歴史的な機械」として認定されている。

CVCCの問題点は、燃焼室形状が複雑で燃焼室表面積が大きく熱損失が起こり出力の低下につながったり、専用のバルブ、カム、ロッカーアーム、キャブレターなど構造が複雑になる等であった[要出典]。その後、触媒技術の進歩によりエンジン本体での対応がなくても、排気ガス浄化が可能になり、ホンダからCVCCの技術を導入し、研究や試験的発売もしていたメーカーは採用を止め、世界的な流れには成りえなかった。長く採用していたホンダ自体も、後にCVCCの採用を止めている。


歴史編集

1973年12月12日編集

CVCCをシビックに搭載し発売した。


1980年4月25日編集

CVCC-Ⅱをアコード及びプレリュードに搭載し発表。副燃焼室の位置を中央よりに変更、トーチ孔を多孔化したセンタートーチ燃焼室と、希薄混合気とEGR(排気ガス再循環)の比率を走行条件に合わせたラピッドレスポンスコントロールシステムを採用、燃費効率向上を実現している。


1981年10月29日編集

新ファンネル型燃焼室を採用し、超ロングストロークで高い燃焼効率を実現したCOMBAX(COMpact Blazing combustion AXiom:高密度速炎燃焼原理)エンジンを、シティに採用した。


1982年11月25日編集

コンパクトなルーフ型主燃焼室とB・Cトーチ(Branched・Conduitトーチ:分岐トーチ)により高圧縮比9.4を達成したエンジンを、プレリュードに搭載し発売した。

CVCC及びその派生型エンジンは、1970年代・1980年代のホンダ製の自動車のほとんどに搭載された。


搭載車種とバリエーション編集

CVCC編集

初代シビック編集

ED (1,488cc:74.0X86.5) 73PS/5,500rpm 10.2kg·m/3,500rpm('73モデル4ドアGL)

ED (1,488cc:74.0X86.5) 63PS/5,500rpm 10.2kg·m/3,000rpm(4ドアGL以外の'73モデル)

2代目シビック初期型編集

EJ (1,335cc:72.0X82.0) 68PS/5,500rpm 10.0kg·m/3,500rpm

EM (1,488cc:74.0X86.5) 85PS/5,500rpm 12.3kg·m/3,500rpm(CX)

EM (1,488cc:74.0X86.5) 80PS/5,500rpm 12.3kg·m/3,500rpm(CX以外)

初代アコード初期型編集

EF (1,599cc:74.0X93.0) 82PS/5,300rpm 12.3kg·m/3,000rpm

EK (1,750cc:77.0X94.0) 90PS/5,300rpm 13.5kg·m/3,000rpm

初代プレリュード初期型編集

EK (1,750cc:77.0X94.0) 90PS/5,300rpm 13.5kg·m/3,000rpm

CVCC-Ⅱ

初代シティ(COMBAX)編集

ER (1,231cc:66.0X90.0) 67PS/5,500rpm 10.0kg·m/3,500rpm(R MT車)

ER (1,231cc:66.0X90.0) 63PS/5,500rpm 10.0kg·m/3,500rpm(R MT車以外)

ER Turbo (1,231cc:66.0X90.0) 100PS/5,500rpm 15.0kg·m/3,000rpm(ターボ)

ER Turbo (1,231cc:66.0X90.0) 110PS/5,500rpm 16.3kg·m/3,000rpm(ターボⅡ)

2代目シビック後期型編集

EJ (1,335cc:72.0X82.0) 72PS/5,500rpm 11.0kg·m/3,000rpm

EM (1,488cc:74.0X86.5) 85PS/5,500rpm 12.3kg·m/3,500rpm(CX)

EM (1,488cc:74.0X86.5) 80PS/5,500rpm 12.3kg·m/3,500rpm(CX以外)

3代目シビック/バラードセダン/CR-X編集

EV (1,342cc:74.0X78.0) 80PS/6,000rpm 11.3kg·m/3,500rpm

EW (1,488cc:74.0X86.5) 110PS/5,800rpm 13.8kg·m/4,500rpm(CR-X)

EW (1,488cc:74.0X86.5) 100PS/5,800rpm 13.2kg·m/4,000rpm(CR-X以外のPGM-FI仕様)

EW (1,488cc:74.0X86.5) 90PS/6,000rpm 12.8kg·m/3,500rpm(キャブ仕様:グロス)

クイントインテグラ編集

EW (1,488cc:74.0X86.5) 76PS/6,000rpm 11.8kg·m/4,000rpm(キャブ仕様:ネット)

クイント編集

EP (1,601cc:77.0X86.0) 90PS/5,300rpm 13.5kg·m/3,500rpm

初代アコード後期型編集

EP (1,601cc:77.0X86.0) 90PS/5,300rpm 13.5kg·m/3,500rpm

EK (1,750cc:77.0X94.0) 97PS/5,300rpm 14.3kg·m/3,500rpm

2代目アコード/初代ビガー編集

EK (1,750cc:77.0X94.0) 97PS/5,300rpm 14.3kg·m/3,500rpm

ES (1,829cc:80.0X91.0) 110PS/5,800rpm 15.2kg·m/3,500rpm

EY (1,598cc:80.0X79.5) 94PS/5,800rpm 13.6kg·m/3,500rpm

初代プレリュード後期型編集

EK (1,750cc:77.0X94.0) 95PS/5,300rpm 14.3kg·m/3,500rpm

(最終型は97PSまで進化)

2代目プレリュード編集

ES (1,829cc:80.0X91.0) 125PS/5,800rpm 15.6kg·m/4,000rpm(MT車)

ES (1,829cc:80.0X91.0) 120PS/5,800rpm 15.6kg·m/4,000rpm(AT車)

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