キャラクターとしてのクインティは、『クインティ』の項へ
概要
制作は田尻智・ゲームフリーク。
北米では『Mendel Palace』の名称で同年12月にハドソンUSA(現:コナミと合併する前のハドソンの海外支社)より発売された。
後に『ポケットモンスター』を製作するゲームクリエイター集団『ゲームフリーク』の処女作。
「新しいアクションゲームとは、新たな動詞を考えること」という田尻の思想のもと、「めくる」という新たなアクションをベースに、簡単なシステムと操作で駆け引き、戦術、収集、発見、協力、対戦など様々なタイプの要素を詰め込むことに成功したアクションゲーム。
製作は開発機材の自作からスタートし、数々の苦難を経て3年の月日をかけて完成した、ファミコン用ゲーム史上初めてにして唯一の商業発売されたインディーズゲームである。
なお、ゲームフリークは本作を限りなく完成に近い状態でナムコに持ち込んだため、ナムコは本作の制作には関わっていない(製品化するにあたり、ナムコの要請で多少手直しを加えてはいるが、その実作業はゲームフリークと、当時ナムコの下請けをしていたKIDが共同で行った)。
田尻智やゲームフリークのその後の活躍や知名度にもかかわらず、続編やリメイクは制作されていない。
バーチャルコンソールによる配信も長らく行われていなかったが、2014年にWiiUにてバーチャルコンソールの配信が決定。7月2日より配信中。
2020年6月18日から配信予定の『NAMCOT COLLECTION』の第一弾配信タイトルに本作が含まれている。⇒公式サイト内タイトル一覧
ストーリー
主人公は人形の国に住むカートン少年。3人の兄と妹のクインティと仲良く暮らしていたが、カートンに恋人ジェニーができて事態は一変。3人の兄はジェニーを奪おうと企み、クインティは「大好きなお兄ちゃんを取られてしまう」と思い込み、共謀してジェニーを誘拐する。カートンは友人のパートンと共に、ジェニーを救い出すために立ち上がった。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
登場人物
カートン
主人公。五人兄妹の四男。
兄妹達に誘拐されたジェニーを救うべく立ち上がる。
パートン
カートンの友人。2Pキャラ。
二人プレイによって彼がいるか否かでエンディングが変化する。
ジェニー
カートンの恋人。優しいしっかり者。
彼女に心奪われた三人の兄と、カートンを奪われると思い込み嫉妬したクインティによって攫われてしまう。
プラム
五人兄妹の長男。レストランステージでジェニーを攫う。
ボスとしてはマッシュルームステージとキャッスルステージに登場。
セカム
五人兄妹の次男。ピラミッドステージとクラブステージのボス。
トライ
五人兄妹の三男。コテージのボス。
クインティ
カートンの妹で本作のラスボス。五人兄妹の末っ子。
妹でレオタード姿でブラコンでヤンデレと、時代を先取りし過ぎているレベルで属性が詰め込まれた子。
ゲーム内における彼女の結末はパートンがいるか否かで変化する。
敵キャラ
ウォークマン
基本的には歩くだけ。
緑→こっちに一応向かって来るが、こっちがじっとしているとギリギリの所で遠くへ走る。
黄色→普通に追っかけて来る。
桃→黄色と同じ。
青→一発で倒せないと二体のキッドに分裂する。
キッド→非常に軽い。単独で出る事がある。
ジャンパー
パネルを跳ねて移動する。もちろん着地している時にしか攻撃できない。
桃→特になし。
オレンジ→こっちにまっすぐ向かって来る。
緑→離れていると動かず、転ばして倒せないと逃げ回る。
赤→かなり大きく飛ぶ。
裸→隠しキャラ。
アーティスト
パネルに絵を描く。描かれてると攻撃パネル以外でパネルをめくれなくなる。
桃→普通に絵を描く。
青→描いた絵が動き出してこっちに迫って来る。
10面→描かれた絵がまた自分を描く。
プランプ
転ばして倒せないと、反撃の四股を踏み一列のパネルがめくれる。
白→少しは動く。
紫→ほとんど動かない。
アクロバット
何らかの対応をすると飛び跳ねる。
茶色→接近すると跳ねる。
赤→パネルをめくると跳ねる。
バレリーナ
ステージを踊っている。壁にぶつかるたびに速度が上がり、最高速になるとスピンする。その時に倒すと1UP。
オレンジ→普通に45度の角度で踊る。
桃→メタルパネルをぶっ壊す。
赤→こちらを狙って来る。
ミミー
こっちが動くと動き、止まると止まる。パネルをめくると同じようにめくる。なお時間切れになると話は別。
オレンジ→ワンテンポ遅い。
赤→同時。
スイマー
パネルの上を泳ぐ。泳いでいる最中にランダムにパネルをめくる。
緑→一直線に泳ぎ、メタルパネルがあると向きを変える。
青→カートンに向かって泳ぎ、メタルパネルの上に乗っかる。
コサック
天空の城に出現。条件に合わせてパネルを2回めくる。
青→何でもいいからこっちがパネルをめくると。
ピンク→カートンが目の前を通ると。
余談
本作の発売から13年後、同じくゲームフリークが制作した『ポケットモンスター・ルビー・サファイア』の内部データに、本作のキャラであるプランプらしきグラフィックが没データとして存在していることが発覚している。
この事実は、YouTubeにてポケモンシリーズのバグ技や没データの検証を中心に活動している動画投稿者・ガナヒビ氏により以下の動画で実証されたもの。
動画でも言及されている通り、歩行モーションや水面に顔が反射する描写がしっかりしていることから、かなり作り込まれたグラフィックであることがわかる。
ガナヒビ氏は「デバッグやテストプレイ用に作られたものであり、ゲームフリークが遊び心として裏データに忍ばせていたのでは?」と考察している。
Quintyはゲーフリの処女作であり、社の首脳陣の強い思い入れが乗っかっていることは想像に難くない。その上、プランプはゲーフリのキャラデザイナー・杉森建氏の作品集『杉森建の仕事』の表紙にも描かれていることから特に思い入れが強いキャラの一人であることが窺えるが、任天堂ブランドのポケモンにわざわざナムコ版権のキャラである彼を忍ばせる辺り、中々の度胸である。