作品概要
『週刊ヤングサンデー』(小学館)2002年(51号)から連載され、2008年7月31日に掲載誌の休刊を経て、第四章より『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に移籍し2010年1月4日(5・6号)まで連載された。
昭和の少年院とヤクザを舞台にしているだけあって、内容がえげつない。
戦争によって何もかもが壊され、それまで信じられていた価値観も意味を無くし、誰も彼もが生きる為に手段を選ばなかった混沌の時代の中、夢を追い続ける少年達の泥臭い生き様を描ききった熱き青春物語である。
原作者曰く、「愛と勇気の物語」
ストーリー
まだ敗戦の傷跡が残っていた昭和30年(1955年)の日本。
湘南特別少年院の二舎六房に六人の少年が堕ちてきた。
大人が起こした戦争のあおりを喰らって心に傷を負い、それぞれの理由で犯罪に手をそめて、社会のクズと蔑まれるようになってしまった少年たち。水上真理雄(通称マリオ)をはじめとする六人と、そこで出会ったアンチャンこと桜木六郎太との間には、いつしか友情と絆が芽生え、「再来年の夏、外(シャバ)に出る」ことを唯一の、そして大いなる夢として心に抱き、過酷な日々を乗り越えていく。
登場人物
二舎六房の七人
水上真理雄
(声:小栗旬)
マリオ。17歳。女子高生に暴行を加えようとした担任教師に重傷を負わせ、殺人未遂で少年院へ。
仲間のためなら誰であろうと体を張る鉄火肌な男で、悪く言えば短気、良く言えば兄貴分な性格。
(声:小山力也)
アンチャン。18歳。マリオたちから慕われる兄貴分。自身の罪状は親殺しらしい。
釈放目前であるが、ある理由で塀の中に封じ込められている。
現実に負け、目標も夢もなくした6人に「愛と勇気」を持って強く生きることを教える。
松浦万作
(声:脇知弘)
キャベツ。17歳。暴行傷害・飲酒等不良行為。
頭の回転が鈍い、優しすぎる大食いの怪力男。
野本龍次
バレモト。17歳。詐欺横領・置き引き。
父親が満州で戦死し終戦後の混乱が原因で人間不信に陥ったが、仲間や他人のおかげで救われる。
前田 昇
(声:朴璐美)
スッポン。16歳。多額窃盗累犯。
広島に投下された原爆により孤児となる。口が上手い根っからの商売人で、大金持ちになる夢を持つ。
遠山忠義
(声:黒田崇矢)
ヘイタイ。17歳。罪状は暴力行為・不法監禁容疑。
怒らせると怖い任侠気質の風貌を持つ硬派の大男。「兵隊」になるという明確な夢を持っている。
横須賀丈
ジョー。16歳。暴行傷害・不純異性交遊。
目元に泣きぼくろがある、金髪碧眼の風貌を持つ二枚目の混血児。歌手になりたいという夢がある。
特少関係者
佐々木
(声:土師孝也)
同院の嘱託医師。自らが引き起こしたある事件の真相と証拠をアンチャンに知られ、隠匿して闇に葬ろうと石原同様彼を虐待する。同性愛者。
石原
(声:石井康嗣)
ある事件の真相をアンチャンに知られているため佐々木と手を組み、あらゆる手段を使ってでもアンチャンの出所を阻止しようと企てている。
仲間
節子
(声:貫地谷しほり)
佐々木の病院に勤務する看護婦。
リリィ
(声:山像かおり)
米軍基地に出入りする娼婦。
アニメ
2010年4月6日から9月28日まで、日本テレビ他にて放送された。アニメでは冒頭で必ずエクスキューズがある。ナレーションは林原めぐみが担当しているが、モノローグや心の声などと言った一部のナレーションは各キャラクターを演じる声優が担当している。
スタッフ
監督:神志那弘志
シリーズ構成:高屋敷英夫
キャラクターデザイン:菊池愛
音楽:髙見優
音響監督:三間雅文
アニメーション制作:マッドハウス
オープニングテーマ
coldrain「We're not alone」
エンディングテーマ
ガルネリウス「A FAR-OFF DISTANCE」