作品解説
欲望が渦巻く街で、 それぞれの組織の思惑が交錯し、 ぶつかり合う。
互いの信念と生き様を賭けた戦いが今、 始まる!
世界観設定
舞台は東京──天海区
東京湾を貫く「国道59号線」。
その先に続くのは欲望で輝く、世界有数の摩天楼。
湾に浮かぶ巨大人工島に、国内外から莫大な資金が投入されて誕生した眠らない街「天海区」である。
幾重にも開発が行われた街は昔日の匂いを残す雑然とした旧市街区と、洗練された新市街区が渾然一体となっている。
そこには「ジンギ」と呼ばれる任侠者たちがいた。
「ジンギ」と呼ばれる任侠者たち
本作の任侠者は盃を交わす際に、酒ではなく「血」を用いる。
子は親から、弟は兄から「血」を分け与えられることで晴れて組の一員と認められ、「神祇(ジンギ)」と呼ばれる力を持つ。
血の盃を交わすこと、それは人の道を外れること──
ジンギとなった者は二度とカタギの世界には戻れない。
彼らにはそうまでしても、力を求める覚悟と理由がある。
作品あらすじ
零和の時代の幕開けから数十年。
眠らない街、天海区。
その陰で「ジンギ」は4つの組織に分かれ、互いに勢力争いを繰り広げている。
時代のしがらみにとらわれず、自由を生きる「春雲組(しののめぐみ)」。
家族のような絆を持ち、伝統を重んじる「狛浪組(はくろうぐみ)」。
金と権力でのし上がった、飛ぶ鳥も落とす勢いの「黒条組(くろじょうぐみ)」。
世界規模の繋がりを持つ、海外マフィアの連合組織「PHOENIX(フェニックス)」。
それぞれの組織が権謀術数を巡らせ一進一退する中、天海区の地下に封印されているという「夜真多大蛇(ヤマタノオロチ) の首」の情報がもたらされる。
その血を飲めば、かつてジンギが持っていた神と等しい力を手にできるという。
裏社会の勢力図を一変させるであろう「夜真多大蛇の首」と、その封印を解く鍵となる、生まれながらにしてジンギの血を引く「少女」を巡り、これまでにない抗争の火ぶたが切って落とされる。
登場組織・登場人物
春雲組(しののめぐみ)
時代のしがらみにとらわれない、自由な気風の組。
普段はまとまりのない組員たちだが、ひとたび問題が起こればそれぞれの得意分野を活かして事にあたる。
主人公。人を食ったような立ち居振る舞いで相手を翻弄する男。
トラブルを解決するぶっ飛んだ行動力は、周囲を辟易させながらも同時に頼りにされている。何事も適当に済ませる性格に見えてやる時はやる、春雲組の実質的なリーダー。
真面目で控えめな女子高生。天海区のジンギ組織に追われていたところを八薙バクトや春雲組に出会い、やがて後述の清信の娘である事が判明する。
組の問題児たちをどうにかまとめるている春雲組の参謀兼ツッコミ役。常に組の資金難に頭を悩ませている。八薙バクトのぶっとんだ行動に毎回文句は言うものの、バクトが持つカリスマ性は認めている。ジンギの盃で視力を大幅に強化されているため、戦闘時はスナイパーとして味方を援護する。
うさんくさい雰囲気をただよわせる春雲組の交渉担当。ハッタリと話術が得意で、相手を転がし、有利な取引に持ち込むことができる詐欺師である。その虚実が入り混じる言葉は、仲間でも嘘か本当かの判断は難しい。
組の最年少。しかし、幼少期より組の世話になっているため歴は長い。ジンギにより、優しそうな見た目からは想像できないほどの力を持つ。
組の年長者。一見とらえどころのないようだが、実際は誰よりも組員のことを考えており、時に助言を与える。
春雲組の組長。個性の強い組員を率いている。戦いにおいて、父の様に組の若者達を導く大きな存在である。天界区の地下に眠っているらしい「夜真多大蛇の首」の謎に関係があり、部隊第1弾では組員たちに、華夜を守るよう指示した。
狛浪組(はくろうぐみ)
伝統と格式を重んじる関西系の組。
悩み多き若き組長代行と彼を支える組員たちは、家族のように強い絆で結ばれている。
周りの期待に抗えず、組の伝統と格式を背負わされ、不本意ながら極道の道を歩んでいる悩み多き狛浪組の若き組長代行。
厳しい姉とわがままな妹に挟まれ、言いたいこともなかなか口にできず、眉間のしわがますます深くなる……
氷室家の長女。組を実質的に切り盛りしている。その厳しい態度は、頼りない弟のショウを組長として大成させるためである。肝が据わっているので、理不尽な要求にも威勢のいい啖呵で切り返す。
ショウと静の妹。元気で明るい女子高校生。ジンギの力で、見かけによらず大人の男でもなぎ倒せるほどの力強さを持っていて、自ら争いの場に赴きバッドで戦う。
家を背負わされたショウを支える良き理解者。幼い頃からショウと一緒に育った。一見物腰柔らかい雰囲気だが、ショウに敵対する者には容赦がない。神祇の盃の副作用で、長時間の戦闘はリスクがある。
黒条組(くろじょうぐみ)
金と権力でのし上がった天海区の最大勢力。
しかし肥大化した組織の裏側では、冷酷なトップによる独裁への不満が渦まき、内部抗争の火種を燻ぶらせている。
傲岸不遜な態度で他者を見下す黒条組の組長。
余裕の笑みを浮かべた双眸の奥には冷酷な光を宿す。
天海区の都市開発などを手掛ける大企業のトップという表向きの顔も持つ。
独裁的かつ強引に裏社会を一気に駆け上がるそのやり方に、不満や恨みを抱く者も多い。
柊彩愛の姉。武闘派組員で、妹と共に、柊姉妹と恐れられている。先代の頃から黒条組に仕えており、姉妹で皇賢誠に忠実。
柊蓮花の妹。皇賢誠にどこまでも心粋している。姉とは常に一緒である。
皇賢誠の優秀な側近。何事にも冷静に対処し、常に抜かりがない。めったな事では表情が変わらず、誰も彼の内心は読めない。
PHOENIX(フェニックス)
世界規模で展開する海外マフィアの連合組織。
結果主義のリーダー達が、海を越えて繋がる「ビジネス」の要衝として、天海区は狙いをつけられている。
海外マフィアの連合組織「PHOENIX」の日本支部リーダー。
奇抜なメイクやファッションが毒々しい煌びやかさを放つ、イタリアから来た男。
組織上層部の命令により「夜真多大蛇(ヤマタノオロチ) の首」を手に入れるべく、天海区掌握計画の指揮を執るが、独特な言葉遣いや奇異な挙動により、同組織の幹部から「理解不能」と不評を買っている。
それでも重要任務を任せられるのは、合理的な判断力と確かな実力があるからである。
ベネディクトの秘書兼ボディガード。紛争地域の少年兵として育ったため、戦闘力は高い。しかし、事務仕事では書類の山をぶちまけたりと失敗も多い。
女性戦闘員。殺し屋として子どもの頃から訓練され鍛え上げられてきた。華奢な見た目に反して「死んでくだサイ」と言い出すような危うい一面がある。
舞台第2弾から登場したPHOENIXの支援を受けた孤児院で身寄りのない子供たちを育てる隻眼の女性。子供たちには戦闘教官としての指導も行っている。
天海区(てんかいく)
天界区で店を構えている住人。
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