ドバイへようこそ
Welcome to Dubai.
概要
「2K Games」が2012年に発売したTPS。カバーアクションや分隊指揮といった操作を行い、時には砂を利用しながら進めていく。
『Spec Ops』シリーズの約10年ぶりの新作として、ドイツ「Yager Development」によって開発された作品。プラットフォームはPC、Xbox 360、PlayStation 3。CERO:Z(18才以上対象)。
日本のファンたちの間での愛称は”ドバイ”。
2024年に収録楽曲等のライセンスが切れ、SteamやGOGなどのデジタル版の販売が終了した。
映画『地獄の黙示録』の原作でもあるジョゼフ・コンラッドの小説『闇の奥』をモチーフとしている。
戦争の悲惨さ・残酷さをプレイヤーに問いかけるストーリーが高く評価され、カルト的な評価を獲得している(後述)。
ストーリー
ゲーム開始時点から6ヶ月前、史上最大級の砂嵐がアラブ首長国連邦・ドバイを覆いつつあった。
ドバイには米陸軍の英雄ジョン・コンラッド大佐が率いる第33部隊が駐留しており、国防総省の撤退命令を無視してまで民間人の避難支援活動に従事していた。
だが、最後の避難キャラバンを送り出した直後に砂嵐が直撃し、第33部隊とキャラバンは音信不通となった……。
「こちらジョン・コンラッド大佐……我々はドバイからの脱出作戦を試みるも、これを断念……犠牲者はあまりに……あまりに多く……」
しかし彼らが消息を絶ったと思われる地点から謎の遭難信号が発信され、デルタフォース隊員、マーティン・ウォーカー大尉、アルフォンス・アダムス中尉、ジョン・ルーゴ軍曹の3名が派遣されることになる。
ドバイに到着したウォーカーたちはすぐに生存者に遭遇する。ただし、武装ゲリラとして。
外界と隔絶されたドバイは、難民と第33部隊が交戦し、死体の山が築かれる修羅場と化していたのだ。
第33部隊は健在なのか、ドバイで一体何が起こっているのか?
国防総省の命令を無視したウォーカーはドバイ市内へと入り、やがて第33部隊が武装ゲリラとなったことを知るウォーカーは部隊が砂嵐による混乱の隙にコンラッドに逆らって蜂起したのではないかと考えるが……。
評価
戦争の愚かさや狂気を踏み込んだ作風
最初は『COD』や『BF』のような普通のFPS/TPSらしくミリタリーアクションが始まるが、Chapter 8を迎えてから本作の毛色はかなり変わっていく。
自然に誘導をされる形でプレイヤーサイドが白リン弾が発射することになる。しかしプレイヤーが発射した白リン弾は多くの民間人を巻き込んで虐殺してしまうという最悪な事故を生んでしまう。
その事故によって、ウォーカーは作中で幻覚を見たり別人格が表面化される等トラウマで徐々に精神を蝕まれてしまう生々しい描写をプレイヤーに見せつける。そしてこのゲームが最強の鬱ゲーだとたらしめる最大の理由は白リン弾を発射した責任をウォーカーだけでなく画面の向こう側にいるプレイヤーにもDo you feel like a hero yet?(英雄らしい気分になってきたか?)とロード画面で皮肉を交えながら追及している。
これは他のミリタリーゲームと一線を画し、単なる敵と味方の打ち合い、そして英雄になりたいプレイヤーや爽快感あるFPS/TPSゲームを製作する会社に向けての風刺的メッセージが込められており本作のストーリーを傑作というだけでなく唯一無二の怪作と評されている。
また今作はマルチバッドエンドであり、どのEDも救いがないためか某所ではドラッグオンドラグーン、さよならを教えてに匹敵するレベルの鬱ゲーと言われている。
関連タグ
ドバイ:舞台となった都市。なお、本作はアラブ首長国連邦で発売が禁止されている。
バイオハザード7....本作の脚本家がシナリオに携わっている