事故概要
発生日時 | 2007年7月17日 |
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発生場所 | ブラジル サンパウロ コンゴーニャス空港 |
機材 | エアバスA320-233 |
乗員 | 6名 |
乗客 | 181名 |
犠牲者 | 199名(乗員乗客全員に加えてガソリンスタンドにいた12名) |
悪名高いコンゴーニャス空港
元来、コンゴーニャス空港は航空関係者から「空母にジェットを離着陸させているようなもの」などと言われており、愛称も「空母」などと皮肉られるほどの「世界屈指の危険な空港」として知られていた。
1919年に小高い丘を飛行機の離着陸場として整備した後1936年に本格的に旅客機用の空港として運用され始めた。
・・・が、1950年代後半になりパワーのあるジェット旅客機が国際線の主力になり始めると、その立地条件が問題視されるようになる。
もともと小高い丘の上にあり周囲がちょっとした崖になっている、という条件下では滑走路の延長は限りがあり、長い方の35Lでも1940m、短い方の35Rにいたっては1435mしかない。
更には周囲を高層ビルをはじめとした住宅街兼ビジネス街が取り囲んでいる上に空港に沿って幹線道路が走っているという、少しのミスで大惨事が起きかねない条件が揃ってしまっていた(実際に滑走路は関係ないが、1996年10月31日にサンパウロの住宅街の一角に旅客機が墜落し住宅ごと炎上した事故が発生していた)。(TAM航空402便離陸失敗事故)
雨の日の大惨事
大雨が降りしきる夜の中、3054便は二基あるジェットエンジンの逆噴射装置の片方が故障しているなかで着陸を試みる。
が、パイロットたちは雨の中の35L滑走路への着陸というプレッシャーに押しつぶされ操縦ミスをしてしまいエンジンの片一方がフルパワーという状態で暴走し滑走路から左に逸れてオーバーランして崖から飛び出してしまう。
更に不幸なことに3054便の落下先にはよりにもよってガソリンスタンドがあった。瞬く間に大破した機体と建物はおろかガソリンスタンドと建物も焼き尽くしてしまった。
この事故において飛行機の搭乗者は全員犠牲になり、さらにガソリンスタンドにいた12名も亡くなってしまった。
事故の原因
根本的には滑走路に問題がありすぎるのが原因。
上記の通り滑走路が2000mに満たない上、整備に問題があり滑走路は水たまりができるほど水はけがよろしくなかった。そのため前日にも大事には至らなかったもののオーバーラン事故を起こしていた。
更には事故機の逆噴射装置は片方故障していたが、会社の方は修理するのではなくその時用の着陸方法を使用することで対処していた。だが、本来の方法では晴れの時はともかく雨の時は心もとなく、更には今現在のやり方とは別のブレーキ方法も知られていた。その結果パイロットたちは35Lの状態への不安と複数のブレーキ方法の選択というジレンマに晒され、夜中でコクピット内が見えづらかったという悪条件も上乗せされ大惨事が起こってしまったのである。
あまりにも悪条件が重なりすぎて、後にシミュレータで再現して試みてみた調査官も「あんな悪条件の中で精神的に追い詰められてしまえは、どんな熟練のパイロットでも操作ミスをしてしまう。ヒューマンエラーも無理もない」とインタビューで語っていた。
余談
メーデー!の該当回においては、機長の「35L・・・35L・・・35L・・・」という取り憑かれたかのような心の声がエコー効果つきで何度も挿入されている。番組の締めくくりでもこの呟きは挿入された。あたかも非業の死を遂げた機長が昇天できずにこの世で慟哭しているかのように・・・。
関連動画
冗談抜きで周囲が建物だらけの市街地なうえ、晴れてる時すら滑走路にこれぐらいしか余裕がない
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