概要
H&K社はMP5に代わる軽量かつコストパフォーマンスに優れた次世代のサブマシンガンを1990年代から開発が進められてきた。
そこには、高価なMP5に手が出せない発展途上国に対するセールスの思惑があった。
試作型としてSMG Iを経てMP2000が完成したが、予想に反して発展途上国でもMP5の売れ行きは好調だったため、「劣化版として忌避される可能性があり販売が見込めない」として量産を中止。
しかし、MP5の威力に不満を持っていたアメリカ軍特殊部隊から.45ACP弾を使用する新型のサブマシンガンの開発要請があり、MP2000をベースに進められ完成したのがUMPである。
全体にポリマー素材が多用されており非常に軽量。素材も含めG36と外観的に似たところもあるが、あくまでもMP5を祖とした銃である。
UMPには.45ACP弾使用のUMP45以外に9mmパラベラム弾仕様のUMP9や.40S&W弾仕様のUMP40も存在するほか、セミオートのみに限定し、銃身をカービンサイズにまで延長したうえでサムホールストックに変更、オリジナルのUMPとの弾倉互換を排除した民間バージョンのUSCが存在する。
サードパーティの外装カスタムパーツでオリジナルのUMPに近づけることができる。
一時期は販売中止の時期もあったが、のちに再販している。
また、現在ではGideon Shadow社が「Omega Gideon Shadow」という名称で刻印こそ違うが、オリジナルのUMPに外観がかなり近いクローンモデルを発売しており、こちらも人気を博している。
低腔圧な.45ACP弾をバリエーションに含むため、G3シリーズやMP5シリーズで用いられていたローラー遅延式ブローバックではなく、シンプル・ブローバック方式となっている。
材質にポリマーを用いており、同クラスの短機関銃よりも軽量化に成功している。また、ポリマーは水上における作戦でも錆びを気にする必要が無いという利点もある。
近年では本銃を「近代化」をコンセプトにAR-15系に操作系を近づけて作られたLWRCI SMG45が発売され、大型だった原型と比べ、小型化されたこちらの方が民間市場では人気が高まっている。
データ
全長 | 600mm |
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銃身長 | 200mm |
重量 | 2200g |
口径 | .45ACP |
装弾数 | 25/30発 |