概要
週刊ヤングジャンプ(集英社)にて1988年から2002年にかけて掲載された。作者は吉田ひろゆき。
悩み多き現代社会を舞台に、幸福の伝道師ザビエール、オカマの死神、薬売りのトヤマ達が様々な悩みを持つ人達の前に姿を現し、彼らの望みをかなえる為に不思議な道具を提供する。
連載初期は比較的ハッピーエンド、あるいは希望の持てる終わり方をする話が多かったが、作者の画風が変化するに連れて登場人物が自分の欲望に負けて与えられた道具の運用を誤り破滅に追いやられる、あるいは破局を匂わせる結末で終わる話が多くなっていった。
善行を積み立てる事で幸運を授けてもらえる「善行銀行」及び性欲や食欲などの欲望を管理する「欲望銀行」の登場する話が複数回ある。
実写版
竹下景子主演でテレビドラマ化、つぶやきシロー主演で映画化と、二度実写化されている。
テレビドラマ版
TBSのテレビ番組『ギミア・ぶれいく』内で放送。
主演は竹下景子。
映画版
1997年にオリジナルVHSとして映画化。
主演はつぶやきシロー。
前半と後半で分かれたオムニバス形式となっており、それぞれ原作での該当エピソードを踏襲しつつアレンジしたものとなっている。
また、原作者の吉田ひろゆき氏が友情出演している。
- 映画版での登場人物・アイテム
※フルネームはVHSのパッケージ表記から。
ザビエール(つぶやきシロー)
困っている人間の前に現れる『幸福の伝道師』を自称する神出鬼没な謎の男。
怪しい雰囲気だが温和で礼儀正しく心優しい性格。困っている人間に不思議な道具を貸し与えて幸福へと導き、彼に助けられた者からは非常に慕われている。
逆に道具を悪用する者には怒りを露わにしたり、道具に依存した挙句破滅した者には冷淡な一面を見せる等、二面性が強い。
作中では屋台でおでんをつまみに酒を飲んだり、美女と会話して照れたりするなど、原作と比べて人間くさい面が強い。
ラッキーディスペンサー
第1話『ラッキーディスペンサー』のメインとなるアイテム。
幸運を呼び込む招き猫。
その実態は幸運の頼母子講(会員制)で、会員達から少しずつ吸い取った幸運を貯めて、会員達に抽選で決めた順に貯めた幸運を与えるというもの。
使用する会員には様々な幸運が舞い込むが、それ以外の会員は他者に幸運を与える事になり、僅かながら不幸が舞い込む(軽い怪我など)。
払い出される幸運には上限があるが、堅物はこれを調節するツマミを弄ってしまい・・・。
堅物徹(前田耕陽)
第1話の主人公。
堅実をモットーに生きるサラリーマン。
しかし、堅実過ぎるが故に狭量かつ小心者で、それが原因で婚約者から振られてしまう。
それをきっかけに出会ったザビエールから幸運の招き猫を貸し与えられた事で、多数の幸運が舞い込み、婚約者とも復縁するが、次第に欲望に溺れていき・・・。
太田友子(堀川早苗)
堅物の婚約者。
堅物の度が過ぎる堅実さに嫌気が差して彼を振った。
招き猫の力で幸運を得た堅物と寄りを戻すが・・・。
宇田川裕(河野靖)
堅物の先輩。
物語冒頭、借金に苦しんでいた所でザビエールに出会い、彼に『ギャンブルで当たりが見分けられる眼鏡』を貸してもらう。
軽薄な言動が多いが、ザビエールの忠告に従って運を使い過ぎる前に道具を返却したり、欲に溺れていく堅物に苦言を呈するなど、ある程度の線引きはしっかりしている。
近藤裕美子(吉田里深)
母子家庭で母と二人暮らしの苦学生。
母が病気になっていた所をザビエールから借りた満願地蔵(後述)の力で治して貰い、彼に深く感謝している。
第2話にも冒頭のみだが登場している。
満願地蔵・満願菩薩・満願大仏
第2話『満願人生』のメインとなるアイテム。
それぞれ地蔵、菩薩、大仏を象った置物。
願掛けした者の趣味や嗜好品といった好きな物や大切な物を断つ事でそれに釣り合った願いを叶えてくれる。
一度断った物はそれ以降、アレルギーのような拒否反応を起こし、二度と楽しめなくなる。
頼める願いの範囲はそれぞれ限りがあり、ランクが上がる程願いの取り扱い範囲も広がるが、破った際のしっぺ返しや求められる条件も大きくなる。
(ちなみにランクは地蔵<菩薩<大仏)
柊晴彦(宝井誠明)
第2話の主人公。
留年中の大学生。
趣味が多過ぎる事が災いして留年してしまい、それが原因で親から仕送りを止められてしまって困り果てていた所にザビエールと出会い、彼から満願地蔵を与えられる。
非常に他力本願かつ身勝手な性格で、その有り様はザビエールが「なんてわがままで自己中な」と悪態を吐いて呆れる程。
借りた道具で願いを叶えていく内に、それがどんどんエスカレートしていき・・・。
原木陽子(今村理恵)
晴彦の高校時代の同級生で、当時憧れていた女性。
満願菩薩の力で晴彦と再会し、彼と付き合うようになる。
関連タグ
笑ゥせぇるすまん 謎の老婆……それぞれ不思議な道具で一度は幸福になるも、道具を悪用したり欲に溺れて破滅する展開が似通っている。しかし、使い方を間違えなければハッピーエンドにもなるので、後者の方がより近いとも言える。