概要
『日本三大奇祭』にその名を連ねる、日本屈指の熱狂的祭りの一つ。
巨大な燈籠を山車に乗せて引きまわし、『ラッセラー』の掛け声ととも地面を踏みならしながら踊り狂う。
燈籠は祭りのクライマックスで川に流される。
その原型は古代中国の祭りだとされ、夏の睡魔を祓う行事が「ねむた」→「ねぶた」or 「ねぷた」に変化したともされる。その後、平安時代に坂上田村麻呂が蝦夷討伐で、敵の不意を突くためにドンチャン騒ぎを演じたことに由来するという坂上田村麻呂伝説ともされているが後世に創出された伝説に過ぎず、歴史の事実に基づけば田村麻呂が青森まで訪れた史実はない。
「ねぶた」とは《根蓋》、すなわち『根の国(黄泉)の蓋』を意味し、地面を踏みならす踊りは、『亡者が黄泉の国から這い上がってこないように蓋を踏み固める』という動作を表すらしい。これは蝦夷への残虐な仕打ち、野辺送り(風葬)でまともな供養を受けなかった死体の氾濫など、憎悪や怨嗟を増やしたことへの恐れと哀悼の意ゆえに、盛大な祭りを催して、亡者の霊魂を慰めようとしているのだという。
『ラッセラー』『ラッセー』も《来世(=死後)》という意味を含むともいわれる。
そもそも、雪深く「日本有数の晴れの日数が少ない」都道府県である青森県民の県民性は、内向的で控えめだとされている。
現代に伝わる賑やかな祭りは『庶民の憂さ晴らし』を起源とする説も多く、ねぶた祭りは、普段は内気な青森県民が、この日とばかりに大暴れする希少な祭りだったりする。
県民の中には『この日のために去年からエネルギーをためる』と言い切る人すらいるほど。
兎にも角にも、ねぶた祭りは青森県の魂として、毎年8月初頭の夜に強烈な熱気をはらんで開催されている。
余談だが、2015年と2017年にはラブライブ!のメンバーの山車が登場しており、前者はμ's(Angelic_Angel)、後者はAqours(青空Jumping_Heart)が出てきた。
各都市で名称は微妙に異なる(青森市:青森ねぶた、弘前市:弘前ねぷた、五所川原市:五所川原立佞武多など)。
関連作品
CAPCOMv.s.SNK2:青森ステージの背景に「本田関弓を奮う」と「覇王丸」の燈籠が登場する。