概要
オンドウ様とは、2011年に確認された座敷神の類。
漢字では『湯頭様』と書くが『おんず』『うんず』と読む事も。
また家によっては『刀自(年配の女性を尊称する言葉)さん』と呼ばれる場合もある。
個人宅の祠で祀られ、代々当主である女性が祠の世話をするのが習わしである。
また分家でも奉遷という形で譲り受ける事も出来る。
祀った家はそれなりの恩恵受けられ、中には祈祷師の職に就いていた家もある。
だが少しでもお世話を蔑ろにするとその家に厄を齎す祟り神となる。
しかし親戚からお世話できそうな人を養子に迎え、その人がお世話役を引き継げば厄を収める事が出来る。
とある宮司の見解では、オンドウ様は式鬼神の一種らしく、とても有り難い存在では無いらしいのだが...。
目撃談
オンドウサマ
2011年の最初の目撃談。
元嫁の本家筋から、愛娘を連れて行かれそうになったとスレ主は語る。
その本家は、当主の家に跡継ぎには女性が選ばれるそうで、故にスレ主の愛娘が家の当主として連れ行かれそうになったのだ。
だが愛娘は跡継ぎなるのを拒み前妻と離婚後、スレ主と一緒に暮らすことを選んだ。
その理由は跡継ぎになった当主は『オンドウ様』なるお世話役を務めるらしく、それは『オンドウ様』の嫁入りする事に等しい物だった。
だが幼い頃から、霊感の強い愛娘は『オンドウ様』の不穏な気配を感じ取った事と、元嫁とその祖母に無理やりに本家に連れて行こうとした為に、愛娘は跡継ぎになるのを拒んだのだ。
しかしスレ主の愛娘には妹がおり、次女である娘はオカルトなことに興味を持って(長女曰く邪気眼と称して、霊感があると吹聴してた程の厨二病)おり、完全に本家側の人間になっていたらしい。
しかも運が悪い事にスレ主は末期の肝臓がんであり自分が居なくなってしまった後に、次女が本家の当主になってしまうかもしれない。
次女も本家側の人間になった以上、スレ主を父親だとは思っていないだろうと。
一時期は、本家に乗り込んで『オンドウ様』を壊そうと本気で考えていたが実兄に殴られ出来なかった事を語り、何も出来なかった自分自身に本当に悔しくてたまらないと悔いるスレ主。
しかしオカ板住人に助言と励ましを貰い、心身共に救われたスレ主は、今日の実家で娘や両親、兄夫婦と食事会で病気とこれからの事を話すと語り、スレ主はスレッドから離れた。
暫くして食事会での報告を、書き込む為にスレッドに再び戻っはスレ主。
愛娘が彼氏を連れてきた事に驚きつつも、スレ主に何かあっても元嫁関係には、一切連絡は不要と忠告する。
肝心の本家では、祖母が寝たきりで何もわからない状態だという。
病気についてはセカンドオピニオンを勧められて、家族皆から「本人が諦めてどうする」と策励され、まだ闘病を頑張ってみると宣言するスレ主。
元嫁と次女はもう戻らないが、このまま『オンドウ様』がすたれてしまえばいいのにと思う···というスレ主の願いでスレは幕を閉じた。
そして2年後、スレ主の長女を名乗る者がオカルト板に現れた。
あの後、余命2ヶ月と宣告されていたスレ主だったが、なんと1年近くも生き続けたという。
これもオカ板住人の助言と励ましとお陰だと、長女は住人達に感謝の意を伝えるのだった。
温頭様
2013年の目撃談。
祖父の家の蔵で祀っていた、神様を本家に返したら立て続けに死人が出たと語るスレ主。
スレ主曰く、神様を返してから1年も経たない内に祖父が事故で急逝。
祖父の子供達(スレ主の父母世代)も次々に離婚・勤めていた会社が倒産したりと様々な災難が降り掛かり、スレ主の両親も既に離婚しているという。
神様を本家に返すきっかけは、今まで世話役をしていた祖母が亡くなったのが原因で、誰もお世話のやり方が分からなかったのと、祖父が孫達に世話役を引き継ぐのを躊躇ったからだそうだ。
また蔵の神様を使って呪いをかけた事が昔にありお世話をする人しか近付けないことになったという。
神様を返す日、従姉妹の父親が「お世話役をやる気はないか」と聞いた所、彼女が「絶対に嫌だ!」と拒否した。
彼女は祖父の家の蔵に近づくのも怖がるほど嫌がっており、スレ主の母親も「蔵に近づくのはなんとなく気持ち悪かった」と2人共、不穏な気配を感じていた。
その反応を見て、神様を返すことに反対した人達も諦めたという。
そして奉遷の儀式の際に、本家の人間がやって来た所で「子供は家の中にいろ!」と言われ、スレ主は儀式の内容を見せてくれなかった。
後に聞いた話では、神様を動かす前に神意を伺うべく、鳴釜神事に似た占いをしたらしい。
蔵釜を焚いた時に、鳴る音の強弱・長短等で吉凶を占うのが本来の手順であったが、蔵の土間でやった時は釜が鳴らず途中で釜が割れたというのだ。
目の前の不吉な出来事に「本当は返さないほうが良かったのかも」とスレ主の母親は呟いていた。
後日オカルト板が好きなスレ主の弟が上記の『オンドウサマ』の話を見て、「祖父の家にあった神様に似てるかも」と家で祀っていた神様との共通点を指摘する。
弟の推測では昔、祖父の家に嫁いできた人が『オンドウサマ』の関係者で、世話役の女性だったんじゃ?と語るが、詳しいことを知っている人間は殆ど亡くなってしまい、これ以上は調べようが無いとスレ主は語り終えるのだった。
オンドウ様
スレ主が小さい頃、曾祖母の住んでる家に連れていって貰った事があるそうだ。
その家は広く歴史ある家で、探検ごっこだけで充分楽しめた。
ある時、スレ主が家の中を走り回っていたら、ある部屋で曾祖母と鉢合わせた。
その途端に優しい感じだった曾祖母が、強い調子で「こっちへ来なさい」スレ主に言った。
スレ主は「ドタバタしてたから怒られるんだ!」と思い、その場でウジウジとしていたが、曾祖母はしびれを切らしたのかスレ主の方まで来て、手を引いて歩き出した。
ここからが少し変で、子供だったスレ主の体感でもすごく長い時間、襖を開けて次の部屋へ、というのを繰り返して進み、広いっていってもそこまではないだろと何個も部屋を通り抜けたのだ。
もうやだなとスレ主が思い始めたくらいで、部屋は行き止まりになった。
スレ主が辿り着いた部屋は、茶室みたいな感じの小さな部屋であり掛け軸があって、茶室でいうと生花が置かれているはずの所には、紫色の着物か布かが置いてあった。
曾祖母が「ここに座っときなさい」と言ったので、スレ主は大人しく部屋の隅に座った。
曾祖母は黙ってスレ主を見て恐怖を覚えたが、その部屋は小さいからか知らないけど凄く安心感があった。
そしてスレ主だんだん眠たくなってきて、その場で眠ってしまった。
スレ主が目を覚ますと、曾祖母が置いてあった布を持ってごそごそしてる。
スレ主が「何してるの」と聞くと、曾祖母は「〇〇(スレ主)着せる着物が~(方言きつくて何言ってるかわからなかった)」と答えてスレ主を見ると、「オンドウ様がいらっしゃるからここに居るだろう?」と、ここに居続けるのがのが当然みたいな口調で聞かれた。
ここでスレ主は嫌な予感を感じ、咄嗟に「おはぎ食べる約束したから戻る」と嘘を言った。
スレ主の嘘を信じたのか、曾祖母は「なら仕方ない」みたいなことを言って、スレ主の手を引いて襖を開けてその部屋の外へ出た。
外に出た瞬間、スレ主は全然知らない場所に居た。
後ろを振り向いても部屋どころか手を引いていたはずの曾祖母が居ない。
突然の事にスレ主は、怖くてぎゃんぎゃん泣いていると、近くに居たお坊さんが気づいてくれた。
田舎だから、名前言ったらすぐに「ああ、あそこの家に遊びに来てる子ね」という感じでスレ主の身元が分かり、家に連絡がいってスレ主は事なきを得た。
後から聞いた話では、スレ主は曾祖母宅の裏山に面したお寺の中に居たそうだ。
スレ主は一人で外に出た(しかも裸足で)ってことで両親にすごく怒られたが、スレ主は今まで起きた出来事にただ困惑するしかなかった。
スレ主が『部屋』の中で起きた事を話しても、ただの言い訳として聞き入れてくれなかった。
その筈、曾祖母はずっと両親達の元に居たというのだから...。
スレ主は、その事実に理解不能のまま終始不機嫌だったが、その後は何事もなく数日を過ごして家に帰った
その後、成長したスレ主は曾祖母に真相を尋ねようと思っていたが、訪ねた後すぐ亡くなってしまった。
結局、スレ主の身に何が起こったのか?。
スレ主の手を引いた曾祖母は本当に曾祖母だったのか?。
曾祖母の言っていた『オンドウ様』とは何なのか?。
曾祖母の死後、家を取り壊すことが決まった以上、真相は闇の中に消えてしまうのだった。