概要
前年にイギリスのロードノースが前人未到の3連覇を果たしてからはや1年。当時の主戦だったデットーリは欧州を去り、新たな時代を予感させる中で迎えることとなった。
ロードノースのゴスデン厩舎は、牡馬相手で奮戦を続ける5歳牝馬ナシュワとの2頭出しで臨む。他にも香港の刺客ヴォイッジバブルや、同コースの前哨戦を勝って臨む良血馬メジャードタイム、10F戦線で活躍してきたルクセンブルクなど、充実のラインナップ。
日本からは5歳馬4頭がエントリー。幅広い距離適性を示すドウデュース、本格化を迎えつつあるマイル女王ナミュール、前年2着馬ダノンベルーガ、古豪横山典弘とのコンビで臨むマテンロウスカイがエントリーした。
- 今回は日本のルメール騎手が米国馬キャットニップで参戦する。
- 米国へ移籍したデットーリ騎手は過年度に引き続きイギリスのロードノースで参戦する。また、デットーリ騎手の他に50代騎手がデフリース騎手、武豊騎手、横山典騎手と4名参戦している。
出馬表
番 | 枠 | 馬 | 性齢 | 騎手 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | カイロ(IRE) | 牡4 | W.ローダン(IRE) | A.オブライエン(IRE) |
2 | 15 | カリフ(GER) | セ5 | A.デフリース | F.ナス(UAE) |
3 | 6 | キャットニップ(USA) | セ5 | C.ルメール(JPN・栗東) | M.スティッドハム(USA) |
4 | 10 | ダノンベルーガ(JPN) | 牡5 | J.モレイラ(BRZ) | 堀宣行(JPN・美浦) |
5 | 4 | ドウデュース(JPN) | 牡5 | 武豊(JPN・栗東) | 友道康夫(JPN・栗東) |
6 | 8 | ファクトゥールシュヴァル(IRE) | セ5 | M.ギュイヨン(FR) | J.レニエ(FR) |
7 | 11 | ロードノース(IRE) | セ8 | L.デットーリ(USA) | JT.ゴスデン(GB) |
8 | 3 | ルクセンブルク(IRE) | 牡5 | R.ムーア(IRE) | A.オブライエン(IRE) |
9 | 7 | マテンロウスカイ(JPN) | セ5 | 横山典弘(JPN・美浦) | 松永幹夫(JPN・栗東) |
10 | 5 | メジャードタイム(GB) | 牡4 | W.ビュイック(GB) | C.アップルビー(GB) |
11 | 2 | リアルワールド(IRE) | セ7 | K.ストット | S.ビン・スルール(GB) |
12 | 13 | サンドナート(IRE) | セ8 | P.ドッブス | D.ワトソン(UAE) |
13 | 12 | ストレートアロン(AUS) | セ5 | B.アヴドゥラ | C.ファウンズ(HK) |
14 | 1 | ヴォイッジバブル(AUS) | セ5 | M.バルザローナ(FR) | P.イウ(HK) |
15 | 14 | ナミュール(JPN) | 牝5 | C.デムーロ(FR) | 高野友和(JPN・栗東) |
16 | 16 | ナシュワ(GB) | 牝5 | H.ドイル(GB) | JT.ゴスデン(GB) |
前評価
人気 | WH | JRA | JRAオッズ |
---|---|---|---|
1 | ドウデュース | ドウデュース | 2.1 |
2 | メジャードタイム | メジャードタイム | 6.3 |
3 | ルクセンブルク | ヴォイッジバブル | 7.5 |
4 | ロードノース | ダノンベルーガ | 7.9 |
5 | ナシュワ | ロードノース | 10.8 |
レース結果
着順 | 馬 | タイム/着差 |
---|---|---|
1 | ファクトゥールシュヴァル | 1:45:91 |
2 | ナミュール | 短アタマ |
3 | ダノンベルーガ | ¾ |
4 | メジャードタイム | ½ |
5 | ドウデュース | 1 |
ドウデュースは出遅れ。ハナを奪ったのはマテンロウスカイ。直線に入って外からファクトゥールシュヴァルとナミュールが追い比べながら差し込み、ファクトゥールシュヴァルがクビの上げ下げで勝利。前年2着のダノンベルーガが、先抜け出しを測ったメジャードタイムをかわして3着、ドウデュースは内から盛り返すも5着まで。4連覇を狙ったロードノース、ヨーロッパ5歳の早上がり2騎・ナシュワとルクセンブルク、日本から参戦のもう1頭マテンロウスカイは着外となった。なおキャットニップは直線で馬体に故障を発生、ルメール騎手が落馬し競走中止。キャットニップは予後不良、ルメール騎手は病院に搬送され、検査の結果鎖骨肋骨を骨折、さらには肺にまで穴があくという重傷と判明した。この日この後騎乗予定であったスターズオンアースとデルマソトガケは乗り替わり(前者はランフランコ・デットーリ騎手、後者はオイシン・マーフィー騎手)。自身の帰国も見送られ、JRAの春GⅠも多くの騎乗馬が乗り替わりを強いられる結果となった。
- 勝ったファクトゥールシュヴァルはこれがG1初勝利で管理するフランスのレニエ調教師は本レース初勝利、M.ギュイヨン騎手は15年のソロウ以来9年ぶり2勝目。本馬とは前年サセックスS以来のコンビだった。
- ファクトゥールシュヴァルは日本で10番人気(57.1倍)の伏兵だったこともありJRAの3連単は94万9270円の波乱決着となった。