CV:今井由香
概要
ドキドキ!プリキュアのキャラクター。キュアエース/円亜久里のパートナー。
赤ちゃんなので外見からはわかりにくいが性別は女の子。
本作の他のプリキュアのパートナー妖精たちよりも謎に包まれた存在で、ストーリー上のキーパーソンとなっている。
その登場
【第8話ネタバレ注意】
その日、相田マナたちが、剣崎真琴にジョー岡田を紹介するのを兼ねて、岡田の雑貨屋「ソリティア」に赴いた時、何故かテーブルの上に置いてあった大きな卵から孵化。
中から現れたのは、何と卵の1.5倍程の身の丈の赤ちゃん。
それだけでも十分非常識なのに、羽根が生えていたり、空を飛んだりするなど、常識人の菱川六花の視点からすれば、ツッコミが追いつかないほどの存在であった。が、マイペースなマナと四葉ありすは全くお構いなし。
「アイ、アイ」と片言でしゃべったことから「アイちゃん」と名づけられた(命名はありす)。「アイちゃん」は一人称でもある。
なお、ありす的には「アイちゃん」で正式名称という扱いらしく、「アイ」と呼び捨てにはされない。後にパートナーとなる亜久里も「アイちゃん」と呼んでいる。
ベールは1度「きゅぴらっぱ~」と呼んだが、クシャポイを恐れてか次の回以降「アイちゃん」ときちんと呼ぶようになり、他の幹部もベールに倣った。
ありす曰く「産まれて最初に目にしたのがマナだった」ことから、マナを母親として認識しているようである。
マナたちとの交流
誕生してからしばらくは岡田の拠点である「ソリティア」に住んでおり育児をしてもらっていたようだが、岡田は自分の仕事(表ではグッズの仕入れ、裏ではアン王女の捜索)のために、アイちゃんの世話をマナたちに世話を任せることが多々あった。
性格は、良くも悪くもまだまだ善悪のついていない赤ん坊そのもの。
人懐っこいので誰に対しても笑顔を向ける(ジコチュー関連者は除く。ただし、マナを攻撃した事があるレジーナは敵視せず、仲良く遊んでいた)。亜久里(キュアエース)や、岡田ことジョナサン・クロンダイクなど、トランプ王国のマリー・アンジュ(アン)王女に関わりのある人物には自ら飛びついていく。イーラの失敗を見て笑ったこともある。
生まれたばかりなので何にでも興味を示すのか、妖精たちをおもちゃにしたり、純の顔を引っ張ったりなど、色んなものに手を出す癖がある。後述する不思議な力でイタズラをして学校を混乱させたり、機関車の煙をピンク色にしてしてしまうなど、周囲に迷惑をかけることも。
後述の正体のため、良い子とも悪い子とも言えないキャラクターであり、どちらに転がるか分からない赤子となっている。
精神的成長がふつうの人間よりも早いのか、第19話で「しゅごーい」(すごい)と発言してから徐々に言葉を発するようになり、カタコトではあるが話数が進むにつれて語彙が増えていったがイヤイヤ期に入ってからは一時的に嫌以外の言葉をあまり喋らなくなった。
言葉を話すようになってからは自我もはっきりしてきて、第23話では落ち込んでいたマナを元気付けようとする面も(ただし、その際にマナの母・あゆみに対して記憶操作を行なったが)。また後述の円亜久里が変身しようとするタイミングにはすぐに登場してラブアイズパレットを召喚するなど、赤子とは思えないような聞き分けの良さと行動を発揮している。が、第34話からは「イヤイヤ期」(第一次反抗期)に突入してしまった。
また、彼女は数々の謎の力を持っている。
「きゅぴらっぱ~!」と呪文のような言葉を発すると超能力が使えるようで、その際は前掛けのハートマークが光る。目の前で窮地に陥ったプリキュア達を一時的に強化したり、新しい技を使用できるキュアラビーズを生み出したり、念動力を発動させて物体を宙に浮かせ彫刻や文字の形を変えたり、他者の記憶を操作(先述した相田あゆみの一件)するなど、効果は様々。
この力のおかげでピンチを脱出したり突破口を開いたりと、前半の対ジコチュー戦では安定性は無いものの、ほぼ自らの能力に関して手探り状態だったプリキュア達にとって大きなアシストとなっていた。また絶大な能力を持ち、なおかつメンバーを鍛え上げるキュアエースが登場することにもアイちゃんの存在が必要不可欠なため、それらを合わせていわゆるお助けキャラのような立ち位置になっている。
彼女が生み出すラビーズは多種多様であり、プリキュアを戦闘でパワーアップさせる効果の他に、自分に必要な衣食住環境を作り出す「おせわラビーズ」を生み出すことができる。
(例)お腹がすく⇒ベビービスケットを作り出すラビーズ など。
しかしアイちゃん自身はラビーズを生み出しても「使用」できないので、プリキュアとパートナー妖精達の世話が必要である。人間の赤ん坊が口にするものも食べられるので、「ソリティア」では市販の粉ミルクを飲んでいる。
羽がある事と飛べる事と超能力を除けば普通の赤ちゃんと変わりなく、普通にマナや岡田、セバスチャンに抱かれて一般人の前に顔見せしている。一般人は、彼女の羽をファッションと思ってるのだろう。
キュアエースとの関係
23話でキュアエース=亜久里のパートナー妖精であったことが判明する。
かつてキュアエースと共にジコチューと戦い、敗れて一度卵に戻っていたらしい(事実はやや異なっていた。詳細は後述)。
彼女が力を発揮することによって、5つのロイヤルクリスタルが組み込まれた変身アイテムであるラブアイズパレットが出現、それによって亜久里がキュアエースへと変身する。
プリキュアのパートナー妖精としてはシフォン以来の赤ちゃん妖精ということになる。更に「妖精の方が先に登場して人間のパートナーが後から登場する」パターンはポルン以来で「アイテムを与える形で変身させる妖精」はハートキャッチプリキュア!の3妖精以来となり、「外見が(小動物系ではなく)人間の赤ちゃんに似ているパートナー妖精」としてはシリーズ初である。
アイちゃんの日常
基本的には好奇心の赴くままに日常を過ごしているが、プリキュアやジコチューに関することに関しては、マナたちとは無関係に独自の行動をとる場合がある。
それが顕著に見えたのは第23話。第22話で封印されたアン王女を秘匿するために岡田が「ソリティア」を去ることになり、その際アイちゃんも一緒に連れて行ったのだが、同話で彼女が一人だけ戻ってきた。
第23話以降は表向きは相田邸で暮らすようになった。第38話ではマナのベッドの隣で就寝していた。
キュアエースのパートナーなのにも関わらず、亜久里とは生活を共にしておらず、亜久里自身も行動を縛ろうとはしていない。(亜久里の円家での立場もあるため、うやむやになっていたと思われる)
エースへの変身には必要不可欠な存在だが、変身が必要なタイミングになると彼女は急いで現場にかけつけてくれる。合流までのタイムラグは一切感じられないが、そこはアニメ的なご都合主義というものだろう(テレポートのような能力は持ってない様子)。
その後、第44話で育ての親である岡田の消息と真相が明かされた。
がある洞窟の小屋で一息付いていると、ロイヤルクリスタルが生成する結界内で眠っていたアイちゃんが、そのまま洞窟の天井に穿たれた穴から飛び去った。同時にアン王女の声が、「愛の切り札となる少女」が覚醒しそのために彼女が人間界に戻らなければならない事を岡田に告げた。この出来事は、作中時系列では岡田が「ソリティア」を去ったのと同じ第22話の時、同話終盤でキュアエースが現れた裏で起こっていた。
また、お気に入りなのかランスの耳をよくしゃぶる。
第35話で歯が生えたため、ランスにとっては最早噛みつかれているようなものである。実際、彼は涙目になりながら痛がっていた。………ランスは泣いてもいい。
この件以外でも、シャルル・ラケル・ランスたちは第9話でお世話役を名乗り出て以来、超能力で振り回されたり文字通りオモチャにされたりと、何かとアイちゃんのせいで不憫な目に遭うことが多い。
イヤイヤ期
第34話からアイちゃんがぐずる機会が増えた。これは前述した通り、自己主張が強くなる「イヤイヤ期」を迎えたからである。この時期に入ると明確なワガママを言うことが多くなり、夜泣きでメンバーが睡眠不足になったり、ラブアイズパレットを召喚しないため亜久里が変身出来なくなるなど、明確にプリキュア達の行動に支障が出るようになってしまっている。
また、大泣きしている間はジコチューが大幅にパワーアップするなど、それまでのお助けキャラが一転、プリキュア達をピンチにさせる非常に厄介な存在になってしまった。
第35話では鏡ラビーズを通じてプリキュアたちが封印中のアン王女の意識と会話することができたのだが、ここで王女からアイちゃんの「もうひとつの力」が語られた。
王女によると、アイちゃんは二つの使命をもって生まれてきたという。
一つは「妖精として、プリキュアたちに力を与えること」。そしてもう一つの使命とは、「闇の力に対するシールドとしての役割を果たすこと」である。
ジャネジーはジコチューたちの力の源となる精神エネルギーだが、アイちゃんはただそこに存在するだけでジャネジーの闇の力を減衰させることができる。仮にこのシールドがなくなった場合、ジコチューたちは何倍にも強化される。
実際に、彼女が不機嫌になって泣きだすと、ジコチューは強化される。この状態の時、前掛けのハートマークが黒く染まる。
なお、卵から誕生した以前(第8話以前)のジコチューが、それ以降より強かったというわけでもないので、卵の状態でもシールドの効果は発揮されていたと推測される。
この時期自体は成長には必然のプロセスだが、同時にこの時期に育て方を誤ってワガママで愛を知らない子に成長してしまうと、ジャネジーに対するシールドが完全に消滅してしまい、ジコチューを止められなくなってしまう可能性もある。そのような事情から、「アイちゃんはこの世界の最後の希望」とアン王女は告げている。
この時点からプリキュアたちの使命に「アイちゃんを良い子に育てること」が追加されることになり、母親として彼女を導く役目を負うことになった。
プリキュアたちの教育によりイヤイヤ期のアイちゃんは少しずつ良い子へと落ち着いていった。第38話ではジコチュートリオが彼女を悪い子に育てようと企んだが、成功寸前でマナの言葉と抱擁を受けて元の鞘に収まった。この時点でイヤイヤ期から卒業した。
このように作中では+にも-にも傾くキャラクターとなっており、まるでシーソーのようにストーリー中では良いことも悪いことも引き起こしている。
赤ちゃんには無限の可能性があると言われるが、アイちゃんはその可能性を良い方向にも悪い方向にも示しており、まさに愛にも自己中にもなる、ある意味この作品の人間の可能性の縮図のようなものを内包している。
正体
第46話で、プシュケーを失って死亡したアン王女が妖精として生まれ変わった存在だと判明。
ただし、現在のアイちゃんはかつてのアン王女とは異なる別個の人格である。
アン王女は「アイちゃんの力を借りる」ことで鏡ラビーズを通じてプリキュアたちに声を伝えていたが、これは前世の記憶が一時的に蘇っていたと考えられる。マナたちにも内緒で独自の行動をとっていたのは、彼女の中に残る王女の記憶の導きのためなのだろう。
(彼女の心や人格が未成熟であるがゆえにイヤイヤ期が発生しており、そしてそのことをアン王女が危惧していたことからも、二人は別人格だとわかる)
亜久里の「かつてパ-トナーだった」という発言も、実は亜久里の「前世の記憶」を現在の記憶と錯誤した結果である(詳細は円亜久里の項目を参照)。
彼女はアン王女の自決後に生まれたため、それ以前の(崩壊前の)トランプ王国に「闇を抑えるシールド」が存在してたかどうかは不明。
もしなかった場合、地球で生み出されるジコチューたちは何倍にも強化されていたわけで、トランプ王国にもプリキュアが複数いながらもすべて敗れたというのはそのためなのかもしれない。ソードがシールドが無かった時期のジコチューを倒せていたのはソードが強いかソード以外のプリキュアは弱かったとも考えられる。
(※ソード以外のプリキュアは未登場のジコチュー幹部「ルスト」&「ゴーマ」と相打ちで倒れたという裏設定があり、実力は不明)
ただ、トランプ王国には闇に対抗するための神器やアン王女がいたため、この面々がシールドを張っていた可能性も存在する。
彼女が成長したらアン王女のような容姿になるのかは不明。ただ前述のとおり、人格に関しては別個のものであるため、単に育てればアン王女のようになるとは考えづらく、おそらく容姿や成長後に関してもこれからの成長の仕方が大きく関わってくると思われる。
アン王女から生まれた他の二人と同様に、アイちゃんはアイちゃんとして存在をもうすでに確立しており、マナの言うとおり「どんな女の子になるのか」わからないのである。
余談
ネットの実況スレでは、その外見などから「ガッちゃん」と呼ばれている。もっとも、雰囲気だけなら「どこぞのハナちゃん」も彷彿とさせるのだが。
pixiv上では「かわいい赤ん坊」という扱いが一般的だが、その赤ん坊らしからぬ容姿や先述の洗脳などから、ネット上の一部では「キモ赤子」「不気味」「怖い」などと言った声も上がっている。
中の人について
中の人である今井由香は過去のプリキュアシリーズにも多く出演しているが、メイン格のキャラを演じたのはスプラッシュスターの霧生薫(19話まで)以来である。
関連タグ
きゅぴらっぱ~キャラソンのタイトル。
黒アイちゃん(黒化ネタ)