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ディナステス属(ディナステスぞく)は、カブトムシの分類群の一種。この属の代表種の名前にちなんでヘラクレスオオカブト属とも言う。

中南米を中心に分布する。大型の甲虫で、胸角がよく発達し、内側にビロードの毛を有す。

巨体に似合わず性格はおとなしく、あまりケンカはしないが、怒らせると非常に怖いので注意。

属名はギリシャ神話英雄ヘラクレスエラトの子「デュナステス」にちなむ。

ゾウカブトとともにアメリカ大陸を代表するカブトムシ類として知られている。

主なディナステス属のカブトムシ

ヘラクレスオオカブト

ディナステス属の代表種。ヘルクレスオオカブトともいう。

世界最大のカブトムシとされており、角を含めた全長最大18cmにも達する個体もある。

オスの成虫は頭角と胸角が共に長く内側には毛が生える。前翅は黄褐色だが、稀に水色の個体(ブルーヘラクレス)もあらわれ珍重される。

多くの亜種に分かれ、その生息地域によって、同じ種とは思えないほど、大きさと個体変異の差が顕著に出てくるのも本種の特徴である。

世界最大のカブトムシだけにペット人気は非常に高く、この属では最も輸入量が多く、それ故に飼育人口も個体数も多いのが本種である。

ネプチューンオオカブト

ヘラクレスオオカブトに次ぐ世界で2番目に大きいカブトムシとされる。

ヘラクレスオオカブトとは前翅の色の他に、別の1対の角があることから区別できるが、むしろ前肢の形状からサタンオオカブトとの近縁関係が指摘されている。

名前の由来はローマ神話海神ネプチューン

サタンオオカブト

ボリビアの限られた地域に生息する。以前は生息地がはっきりせず、とも呼ばれ珍重されてきた。

ビロード状の毛が胸角の裏のほか翅などに覆われていない柔らかい部分にもびっしり生えている

シロカブト

ディナステス属にはシロカブトと呼ばれるグループが含まれる。

内体色が黄色クリーム色などをしているタイプ。北米南部から中米一帯に生息し、新大陸を代表するカブトムシ類となっている。

しかし、同属のヘラクレスオオカブトよりも遙かに小さく、多くの種類は日本のカブトムシよりも小型であり、代表種のグラントシロカブトは体長は最大でも70mm程で、日本のカブトムシの大型個体には及ばない。この系統で最大のヒルスシロカブトでも、最大でも90mmほどで、ヘラクレスやゾウカブトといった、他の南米産の巨大種と比べても小さい。

角がやや短いために、戦いでもヘラクレスオオカブトなどに比べて、あまり激しくはないといわれる。

主なシロカブト

グラントシロカブト

シロカブトの代表種。アメリカ合衆国西部砂漠地帯に生息する。アメリカ合衆国で単にカブトムシといった場合、多くはこのグラントシロカブトを指す。カブトムシ類には珍しく、全身が白である。現地での採集は禁止されている。

名はアメリカ合衆国第18代大統領でもある南北戦争の北軍最高司令官ユリシーズ・S・グラントに由来すると言われている。北米産のカブトムシの中では最大種。

ヒルスシロカブト

中米(主にメキシコ)に分布する。シロカブトの最大種白に濃い黄色の混じった色合いをしており、時に黄金と形容される。

ティティウスシロカブト

アメリカ合衆国東部に分布する。色はヒルスシロカブトに近い。グラントよりも、角は短い。現地ではユニコーン・ビートルと呼ばれている。

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