概要
南米ボリビアに生息する珍しいカブトムシ。サターンオオカブトとも。
学名は「Dynastes satanas」。
種小名(及びそれに準拠して付けられた和名)は元ヘブライ語の「satanas(敵対者・悪魔の意)」が由来。
ちなみにキリスト教における魔王であるサタンもsatanasから由来している。
なおよく混同されがちなローマ神話の農耕神サターン(サートゥルヌス)はSaturnでという綴りで語源も全く異なるためお間違えなきよう。
最大110mm程度とオオカブト属(ディナステス属)のカブトムシの中では小さめの部類に入る。
雄の胸角はあまり長く伸びないが強く湾曲し、胸角の裏や前胸、腹側などにビロード状の体毛がかなり毛深く生える。また、本属のカブトムシの中では唯一胸角突起が退化している種である。
雌雄ともに上翅マットな質感をしており、雌は一見するとネプチューンと似るが上翅全体が艶消し状でざらついているため容易に判別できる。
脚(フセツ)の形状や体色が似ていることからネプチューンオオカブトに非常に近縁とされており、両種共に標高の高い場所に生息するなど生態面でも共通点が多い。交雑種も容易に作成可能。
また、ボリビアにはネプチューンが生息していないため本種がネプチューンの代置種となっていると考えられている。
なお、研究者によっては本種とネプチューンをカバイロオオカブト属(Theogenes)として扱うこともある。
戦闘能力
ネプチューンと比較して角のリーチが短いため相手を挟むのは苦手だが、挟む力はより強力。
個体差はあるが、性格は温厚であり戦闘をあまり好まないとされている。
飼育
ネプチューン同様、幼虫期間は2〜3年と長めでヘラクレスよりもやや低めの温度帯を好む。
昔は幻のカブトムシとされ、ペアで100万を超す値が付いたこともあったため、純粋な本種と偽ってサタンとネプチューンの交雑固体が売られる詐欺が横行したことがある。しかし、飼育自体はネプチューンのノウハウが流用可能でそう難しくなかった為か、時代が下ると値崩れを起こしており、今では「安くはないが手が届かないほどではない」という程度に落ち着いている。
本種もネプチューンも共にヘラクレスオオカブトやグラントシロカブトといった他のオオカブト属と交雑できることが証明されている。
現在は絶滅危惧種とされ、サイテス(ワシントン条約)2類に指定されている。
2類の扱いは輸出国からの輸出許可証があれば国際取引は可能というものだが、そもそもボリビア政府が生き物の輸出を認めていないため、野外品の正規輸入はまず不可能である。
甲虫王者ムシキングでのサタンオオカブト
2004セカンドで初登場。強さ180。性格は全ムシ中唯一のスーパーディフェンスタイプ。ゆえに体力が(強さ200のムシにディフェンスタイプがいなかったため)全ムシ中最大の220を誇った。
MAXカスタマイズ後の体力は238であり、強さ200のアタックタイプの超必殺わざ(攻撃力118)を2回受けてもギリギリ耐えられるレベルである。
しかしその代わり、攻撃力はカスタマイズ無しだと強さ140のバランスタイプ(ケンタウルスオオカブト、パンカブト、性格無しアトラスオオカブト)と同等程度しかないので、バランスがかなり悪い性能となっている。
また、メリットの裏返しになるが、あいこのダメージが多いことや、「さいごの力」を発動させるために多くのダメージが必要になってしまうのもデメリットと言えるだろう。
なお、希少価値や概要にもあるネプチューンオオカブト(強さ160)よりも挟む力が強い点からか自身よりも大柄なネプチューンよりも上の強さとなっている。
必殺技はパー。
肩書きは「ボリビアの秘宝」
超必殺わざはS・A・S(サタン・エア・スピン)」。
3億枚突破記念および2005セカンドプラスではアダーコレクションが排出されていた(強さ160以上の甲虫がアダーコレクションになることは少ない。)。
タッグマッチでは、ヘルクレスオオカブトまたはヘルクレスリッキーブルーと組むことで「大型甲虫同士で相性◯」にできる。特にリッキーブルーに関しては「アダーコレクションの大型甲虫同士で相性◯」にもできる。
新甲虫王者ムシキング
2016 3rdにてSSR甲虫(前弾のマンディブラリスフタマタクワガタ同様シークレット枠) として参戦。
強さ180のムシの中では最後の登場であり、唯一初めから(パラワンオオヒラタクワガタやコーカサスオオカブトやマルスゾウカブトやヘルクレスエクアトリアヌスを差し置いて。しかも最後のは結局登場しなかった)SSRとして抜擢された。
超大型標準値で当時全ムシ中最大の120(タランドゥスツヤクワガタ、ジュダイクスミヤマクワガタとタイ)を誇った。
必殺技は旧作と同じ。ただしかなりアレンジされている。
激闘編では2016年7月28日発売の「Vガジェ&カードセット氷/雷」封入のカードで初登場。ステータスはタランドゥス共々体力がさらに強化され、当時全ムシ中1位の130に達した。
また激闘4弾のブラックバトルでは「赤目のサタンオオカブト」が登場。激闘編突入後初、全体で見ても2016サードのタランドゥス以来のSSR赤目ムシ。
体力がカードセットのものよりも強化され140に達し、同弾登場の覚醒ニジイロクワガタとともに全ムシ中最大だった。
赤目のサタンは体力が高く攻撃も低くはない上にアクティオンゾウカブトに必殺技のすくみが勝っているため、ニコニコ超会議における大会「激闘会議」のコスト制限バトルでは猛威をふるった。
関連タグ
スーパーアタックタイプ…真逆の性能である性格。
グランディスオオクワガタ、オウゴンオニクワガタ、マルスゾウカブト、パラワンオオヒラタクワガタ、ブルマイスターツヤクワガタ、コーカサスオオカブト、サタンオオカブト:旧ムシキングで強さ180(銀レア)だった甲虫たち。
サタンビートル:サタンの名を冠したカブトムシのウルトラ怪獣。なお、本種も甲虫王者ムシキングの英語版などでは「Satan beetle」と呼ぶのが一般的。