開設!基地航空隊
かいせつきちこうくうたい
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概要
開設!基地航空隊とは、DMM.comのオンラインSLG『艦隊これくしょん』の期間限定イベントである。 2016年5月2日より作戦開始(実際には翌3日午前3時開始)、同27日終了予定→同30日に延長→同31日に再延長。
なお、公式の表記では「開設!基地航空隊」と、「!」(エクスクラメーション)が全角になっている(pixivの仕様によるもので、本来はこちらが正しい)。
仕様
運営が様々な媒体で発信している通り、昨年夏と同じく全7海域構成の大規模作戦。史実におけるモチーフのないif作戦かつ、二部の拡張作戦は「参加自由」となっている(初の三部構成)。また、今回は総力戦と題し、全艦種がフル活用できる。
今回も作戦難易度の選択が可能だが、以下の通り出撃識別札(通称:お札)がつく。
札名称 | 出撃可能海域 |
---|---|
連合艦隊 | E1/E4 |
設営部隊 | E2/E3 |
南方部隊 | E5 |
機動部隊 | E6 |
なお、拡張作戦のE5は攻略しなくてもE6に挑戦することができ、最終海域のE7については、全艦娘の出撃が、難易度及び出撃制限に関わらず可能。ただし、E6にて丙作戦を選択した場合は当然甲作戦への出撃はできない。また、E4にて丙作戦を選択した場合、E5およびE6にて甲作戦を選択できないので注意。
新システム
基地航空隊
E4から使用解禁となるシステムで、味方の航空基地から艦載機及び局地戦闘機などを発進させ、航空支援を受けることができる。
また、航空攻撃は艦隊の攻撃よりも先に行われる(索敵→基地航空隊の攻撃→航空戦→支援艦隊→開幕雷撃→砲撃戦)。
配備可能な機種は、大型飛行艇を含む全ての艦載機と、局地戦闘機、陸上攻撃機。それぞれの機種ごとに戦闘行動半径(スタート地点から数えた海域のマスの数)が設定されており、戦闘行動半径以上の距離にあるマスへ航空隊を送る事はできない。戦闘行動半径が異なる機種が同一航空隊に配備されている場合、その航空隊の戦闘行動半径は最も行動半径の長い機種の数字に設定される。
また、航空機を中隊に配備・機種変更するたびに一定量のボーキサイトを消費するほか、一旦機種を変更すると元の機種は「配置転換中」となり、中隊への再配備が一定時間(機種に関わらず約20分)不可能となる点にも注意が必要。
出撃後は航空隊を派遣したいマスをクリックして指定(1つの航空隊につき2回まで航空支援が受けられる。同じマスに1つの航空隊を2回分指定し、攻撃を集中させる事も可能)し、進軍開始となるが、海域によっては敵基地から空襲を受け、資源や航空隊が被害を受ける場合もあり、基地航空隊を防空に充てる事で被害を軽減する事ができる。
だが、如何せん敵の基地航空隊が強すぎる為、こちらがいくら最高位の戦闘機で防空しても攻撃を防ぎきれずに基地が全て壊滅してしまい、結局資材や海域で使う航空隊が消耗しただけに終わったという例も多発している模様。
この為、資材に余裕がある場合は「航空基地の守りを捨て、全航空隊を出撃させ敵艦隊攻撃に集中させる」という肉を切らせて骨を断つ戦術も有力視されている。もはや兵站もへったくれもあったものではない…
母港へと帰還した後は資源(燃料とボーキサイト)を消費して補給を行う必要があるのだが、支援艦隊とは違い、航空隊を派遣するマスに辿り着く前に途中撤退しても資源は消耗しない。
イベント開始当初は上記の敵基地による空襲が不具合により動作しておらず、プレイヤーにとって有利な不具合であった為、緊急メンテナンスで修正された。
この緊急メンテナンスでは「基地航空隊の打撃力が非常に低い」というユーザーに不利になる致命的な不具合も修正されており、実際の所は痛み分けといった所だろうが、この修正にはまだE5に突入していなかった提督から不評を買った。
結果「メンテ延長と臨時メンテのお詫びに空襲をプレゼントした」(詫び空襲)と皮肉られてしまう事に。
運営は「(臨時メンテナンスの詫びの意味を込めて)プレイヤーに一方的な不利を強いる空襲を実装した」のではなく、あくまで「仕様通りに動作させた」だけなのだが、プレイヤーに何ら得のない仕様(此方は資材が有限であり、基幹艦隊が撃滅できなければ、あるいはドロップ艦の邂逅という目的が達成できなければ延々と戦闘が続く為、消耗戦になると圧倒的に不利になるのに対し、深海棲艦側は資材の概念がなく、いくら空襲を撃退し、敵艦を撃沈しても敵艦隊が弱体化する事はない)を実装した事自体への不満が浮き彫りとなった。
ただしのちに後段階作戦に突入した際、航空隊の攻撃回数がそのまま難易度に直結したところもあるので、今後の改善次第で有用性のある要素になり得る可能性を秘めている点も理解しておきたい。
ステージ
前段作戦(主作戦)
ステージ | 海域 | 作戦名 | レベル |
---|---|---|---|
E1 | 北太平洋前線海域 | 前線制海権を確保せよ! | ☆7 |
E2 | 北太平洋前線海域 | 設営隊を揚陸せよ! | ☆8 |
E3 | 北太平洋前線海域 | 前線飛行場を設営せよ! | ☆9 |
E4 | 北太平洋前線海域 | 発進!基地航空隊 | ☆9 |
E1は連合艦隊での出撃となる。
E2には通常海域「中部北海域ピーコック島沖」に新たに登場した砲台小鬼が出現(ランダムで集積地棲姫が出る場合も有り)。有効打を与えるには大発やWG42などの対地攻撃用の兵器が必須となる。
E2クリアでE4以降で使用可能な陸上攻撃機(一式陸攻・九六式陸攻)が入手できる。
E3は輸送護衛部隊での出撃となり、海域の最奥部には新たなボスとして駆逐古鬼が登場し、海域クリアで新艦娘ゲット可能(後述)。
E4は再び連合艦隊で出撃、基地航空隊(上記:新システムの項を参照)での支援が受けられるようになっている。
拡張作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 | レベル |
---|---|---|---|
E5 | 南方ラバウル基地戦域 | ラバウル航空撃滅戦 | ☆13 |
E4に引き続き、基地航空隊が運用可能。ただし、本作戦より敵航空基地からの空襲が発生する為、それを考慮した対応を迫られるようになる。ボスはリコリス棲姫。
後段作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 | レベル |
---|---|---|---|
E6 | 北太平洋深海中枢泊地沖 | 友軍泊地奪還作戦 | ☆12 |
E7 | 北太平洋戦域 | 波濤を越えて | ☆15 |
E6、E7ともに連合艦隊での攻略となる。E6のボスは『艦これ改』にて先行デビューを果たした中枢棲姫で、E7では強化型の中枢棲姫-壊が登場。甲作戦の最終編成ではなんと随伴全員姫クラスを伴っての登場となり、その絶望的な戦力差は歴戦の提督でさえ甲作戦による攻略を諦める程であった。
しかし、のちにギミックの存在や基地航空隊の利用法、支援艦隊を航空支援に切り替える等、次第に抜け道が発見されたことで攻略することに専念すれば、そこまで理不尽な難易度ではないことも判明している。
E7を攻略すれば、Iowaとの邂逅が可能。
新艦娘
新アイテム
艦これ史上最凶のイベントへ
今回のイベントは夏季イベント並の大規模作戦かつ非常に高い難易度に加え、数々の不具合なども重なり艦これ界隈は決戦!鉄底海峡を抜けて!とAL作戦/MI作戦以来の荒れ模様となり、イベント開始後からツイッター公式アカウントへのリプライが運営叩きを目的としたものが大半を占めるようになった。
ちなみに何の因果か、「決戦!~」も最終エリアのクリア報酬が超強力戦艦だった。
難易度
序盤のE1から早速空母棲姫と戦艦棲姫のイベント皆勤タッグが出現する(ボスではなく道中なのだが、「まだボスじゃないだけ幸い」と安堵する声もあれば「直前の回避不能なマスに居座るせいで門前払いされてボスに辿り着けない」と辟易する声もある)。
続くE2では、通常海域6-4にて猛威を振るった砲台小鬼が登場。大発やWG42を持たない提督の殆どはここで門前払いされてしまう。特にWG42はイベント限定の艦娘のひとりであるU-511の初期装備であり、未所持の提督は本イベントで彼女がドロップすることに期待するしかない・・・のだが、よりにもよってそのU-511がドロップする最も早い海域は問題のE2を突破した先のE3であるため、どうがんばってもWG42なしでE2を突破する他ない。後に高速戦艦や軽空母を投入できることが判明していくらかマシにはなったものの、高難易度であることに変わりはなく、また総力戦を謳っておきながらいつも通りルート固定や連合艦隊による駆逐艦必須の編成縛りや低速艦(特に戦艦は確実にルートから弾かれ、E3の輸送作戦では確実に1マス余計に通らされる)が出番をもらえず冷遇されることも変わりない状況に(深海棲艦だけ)総力戦と揶揄されることも。言っておくが、これは前半海域、しかもまだ二つ目の海域である。
後半海域は更に難易度が上がり(中枢棲姫の記事参照)、丙作戦のゲージ削り段階ですら今までの甲作戦のラストダンス以上の編成でこちらの艦隊の行く手を阻んでくる。司令部レベル100超えの提督ですら、丙難度でもボス戦でB勝利にも届かない事態が頻発しているというのだから、その凄まじさはわかっていただけると思う。
歴戦の猛者が集う「ニコ生RTA(所謂タイムアタック)」勢や、防空棲姫をギミックなしで打ち破った歴戦の猛者達が悉く甲での攻略に行き詰まり、結果イベント開始14時間でようやくE6突破者出現、48時間以内で丙難易度クリア者僅か1名、乙以上の難易度でのクリア者に至っては0という、史上初の事態となった(今までのイベントでは5時間~半日ほどでクリア報告が上がっていた)。
これだけでも既に今回のイベントを物語るには十分である。
5月5日の緊急メンテナンス以後、ようやく甲作戦でのE7クリア者が現れた(イベント開始から54時間後)ものの、このような領域にいない多くの一般プレイヤーの海域攻略が滞っているのは言うまでもない。
イベント開始から日数が経過した現在では、E6・E7ともにボスへの対策が確立されつつある。
E6では弱体化ギミックの存在、爆撃機によるダメージ増加などが判明。支援艦隊や機動部隊によって高密度の航空爆撃を仕掛け、交戦前に撃破する戦術が広まっている。中には瑞雲ガン積み航空戦艦という狂気の産物を投入した提督もいたとかいないとか。
E7は秋津洲によるルート固定、雷撃機によるダメージ増加が判明。丙作戦ならばボスに基地航空隊を集中させるだけであっさり撃破できることも多く、難易度を問わないならばクリア者は徐々に増加しているようだ。
先に述べた通り、後半海域の基地航空隊のダメージは不具合により本来のダメージが出ず、後ほどメンテで修正されている。攻略法の確立はこの修正の恩恵が大きい。
ドロップ
そして追い討ちをかけるように、春風と親潮は後段作戦でしかドロップしない事が判明。特に春風はドロップが確認されているのがよりによってE7のボスマスである。いずれも確率はかなり高めに設定されているようだが、勝利自体が難しい場所である事を考えれば、邂逅難易度は今までのドロップ限定艦の比ではない。最終海域報酬であるアイオワ共々都市伝説枠となってしまうのか。
流石に不味いと思われたか、13日の臨時メンテナンス時に親潮のドロップ率が上方修正されている。
臨時メンテナンス、そして…
あまりに多い不具合に対処する為、5日08:30~10:00に臨時メンテナンスが行われたが、その後も新艦娘のステータス不具合などが相次いで報告された為、13日に再び臨時メンテナンスを行うことが発表され、11:00~18:00に行われた。これにより、1日イベント開催期間を再延長した。
1回目及び2回目の臨時メンテ諸元についても運営ツイッターを参照してほしい。
運営ツイート(2回目メンテ告知)
同一のイベントで2回以上臨時メンテナンスが行われるのは極めてまれである。
イベント前のメンテナンスが延長されるのは『艦これ』の風物詩といっても差し支えないので置いておくとしても、イベント開始直後のバグによる攻略の困難さ、敵ボスに有効とされていながら入手経路が非常に限られた装備の存在などにより、不満の声を上げるプレイヤーが目立った。
一方で、バグの修正後に攻略に着手し、かつ先人の残した攻略情報を活用できたプレイヤーにとっては、これまでのイベントと大差ない難易度だと感じられたかもしれない。
一連の騒動に寄せて……
今回のイベントは過去最大の混乱とともに開幕し、様々な粗や不備が続々と発覚した。
しかしその一方、これらトラブルは速攻クリアを目的とした上位ランカー提督たちへの不条理というかたちで発覚したものがほとんどであり、提督各位のプライベートのスケジュールとの噛み合わせもあるとはいえ、波濤のように押し寄せイベントを制圧していくような、せっかちな攻略手法にも一つ、トラブルの原因はあったように思えてくる。
事実、全作戦突破率(難易度は不問)は5月24日時点でおよそ70%と、そこまで低くはない。
思えば艦これイベントは、レベル別の難易度選択が導入されて以来、「全段階甲作戦突破で早い者勝ちがステータス(当たり前)」と言わんばかりにRTAの上位提督たちの先行突入で、瞬く間に踏破され、ただレア艦掘りに勤しむ作業に没するがお約束となってしまっていた。
それはもちろん悪くはないし、むしろ後発でのんびりと攻略に漕ぎ出す残る多くの提督たちは、彼らのRTA上位提督たちの犠牲と努力の恩恵に浴しているのが現状である。今回の件も、彼ら先行組が突撃してくれたからこそ、発覚して改善できたトラブルである。
そして思い返して欲しいのだが、後段階作戦において甲・乙でないと後々のプレイにおいて著しく不利になるような限定装備はない、つまりどの段階でクリアしても大きな支障はないのである。差と言えば、勲章の数・改修資材・熟練搭乗員くらいである。
そもそも甲種勲章自体、難関を突破した提督への褒章として始まったものであり、獲れること自体を当たり前にしたものではない。
『甲は栄誉、乙は敢闘、丙は英断』なのである。
正直言えば、我々提督のイベントへの感覚も麻痺し切っていたというところはあるだろう。
当然、運営の見積もりや事前のチェックの甘さは、批判されてしかるものである。
「イベント本番に新システムをぶつけてくる」ことで起こったトラブルは、今回が初めてでない訳で、一部からは「いっそテスト期間設けて仮実装とかすればいいのに」という意見も続出している。
同時に唯々「責任取れ」と罵るのも無責任と何ら変わりはないことも知見してほしい。
「仮実装」の意見など、具体的な対処の提案こそ、我々に持てる特権とも言えよう。それで今後の改善の一翼を担ったとなれば、両者の益となるのだから。
トラブルは無いことが一番。
それでも不確定なことは起こり得るのが世の常である。
作る側はそれを未然に防ぎ、触る側はそれをつぶさに報告し、互いに問題解決に尽力する。
この姿勢がもしかすると、今回のトラブルで問われたのかもしれない。