CV:松風雅也(OGMD)
『J』と『OGMD』では若干設定が異なるので、分けて紹介する。
『スーパーロボット大戦J』では
オリジナル敵勢力「フューリー」の準騎士。
気性が激しく、フューリー以外の人種を見下すなど、自惚れと出世欲が強い如何にも小物臭い性格をしている。
実際、相良宗介からは「挑発に乗りやすい。兵士としては失格」と評され、さらに「貴様など○××○△だ」と放送禁止用語で挑発され「なっ…!こ、この野郎ぉぉぉぉぉぉっ!!」と激怒している。
アル=ヴァン・ランクスは彼の上司に当たり、彼が失脚したことにより騎士へと昇格する。
しかしアル=ヴァンを強く慕っていたために彼の失脚により精神に異常をきたし、その憎悪をプレイヤー部隊にぶつけ、言動も異常に口汚くなり、騎士にあるまじき卑劣な行為を繰り返すようになる。
彼のイカれっぷりを最もよく表したのは、月面にて時間を停止させる「ラースエイレム」を用いてル・カイン率いるグラドス軍を一方的に嬲り殺しにするシーンであった。
ジュア=ム「ふん、貴様がグラドスの大将かよ。人の頭の上に不細工な基地作りやがって、やかましいから全員抹殺な」
ル・カイン「我が軍に不意打ちを仕掛けたのは貴様か!無礼な口を叩いたことを後悔するがいい、この私の」
(ラースエイレムにより時間停止)
ジュア=ム「私のぉ?何ですかぁ?ひゃはははは!悲鳴が聞こえないのが残念でしょうがないですねえ!」
…グラドス軍にも彼という逸材がいたが、残念ながらシナリオの都合で対決は見られなかった。
しかし発狂後の彼のキチガイぶりは、数々の迷言を残すほどである。
「アル=ヴァン様が…くそ、あいつのせいで…あいつのせいで…あいつの、あいつの、あいつの、あいつの、あいつの、あいつの!!くそーーーっ!殺してやる、必ず!」
「な、何でだよ!何でお前を殺せねえんだ!お前さえいなければ、お前さえ!お前お前お前お前ぇぇっ!!」
「大体、実験体が人間らしい口の利き方覚えたつもりか?(主人公機名)がなけりゃ、ゴミ以下の存在のくせしてよ」
「あーっはっはっはっは殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺ぉぉぉす!!」
「くあぁぁあぁっ!?バカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなぁぁっ!?」
最後はフューリーの本拠地「ガウ=ラ・フューリア」内部でフー=ルー・ムールーと共に自軍部隊を迎え撃つが敗北。
「や、やられた…のか…?し、死ぬのか、俺が?嘘だろう、おい!」
「い…いやだ、いやだあああっ!こ、こんなの認めねぇえええぇえ!」
「こ、怖いよ…俺には、まだ…う、うわぁあああああぁあっ!」
散々地球人など他の種族を「ゴミ」だの「死ね」だの罵倒していた自分自身が「いやだ!怖いよ!」と 悲痛な叫びを残して爆死する自業自得の呆気ない最期を迎える事となった。
搭乗機は初登場時はヴォルレント、騎士昇格後はラフトクランズ(赤)。
ちなみにラフトクランズに乗り換えてからは能力がアル=ヴァンと全く同じになり強敵となるのだが、主人公達との戦い以外では毎回ラースエイレムを使っているため、前述のル・カインの件のようにラースエイレムに胡坐をかいている感は否めない。
某攻略本では「怒りのスーパーモードはいかんと誰かが言っていたのに…」と書かれている。
『スーパーロボット大戦OGムーン・デュエラーズ』では
フューリーの準騎士という立ち位置は同じだが、フューリーの純血主義及び選民思想に染まっており他民族への蔑視は『J』以上に強くなっている。
さらに冷凍睡眠中の事故で弟アドゥ=ムを失っており、地球への同化計画を推し進めていた皇女シャナ=ミア・エテルナ・フューラに対しても、悠長過ぎる上にいつになったら冷凍睡眠が解けるのかと不信に思っている。
また、出世欲が強いのは冷凍睡眠中の家族たちにいい暮らしをさせてやるためと家族想いな一面が描かれ、アル=ヴァンが失脚した時点では精神に異常をきたしてはいなかった。
しかし、アル=ヴァン失脚の決め手となったカルヴィナ・クーランジュを執拗に狙うようになり、騎士に昇格した直後に彼女と一騎打ちとなる。
「下等生物が何匹死のうが、知ったことか!」
「俺達から見たら、地球人なんざそんなもんだ!とっくの昔に抹殺されてもおかしくなかった!」
「そんな奴らを利用する計画なんざ、潰して当然!アシュアリーの連中は死んで然るべきなんだよ!!」
アル=ヴァンが失脚させられた逆恨みをカルヴィナにぶつけるあまり、アシュアリー社襲撃事件の犠牲者を侮蔑する暴言を吐いてしまい、結果彼女の怒りに火を点ける事になり、危うく敗北しそうになった瞬間にラースエイレムを使用してしまう。
『OGMD』では『J』とは異なり、ラースエイレムはフューリーの母星でしか産出されないレアメタル「エイテルム」をコアとする必要があるのだが、エイテルムはラースエイレムの使用回数が限界を超えると砕け散ってしまう。しかも、外からではあと何回ラースエイレムが使えるのか全くわからないため、使ってみなければ限界かどうかわからないという欠点もあり、使用にはシャナ=ミア等上層部の許可が必要となっていた。
さらに『OGMD』ではラースエイレムは正々堂々を重んじる騎士の戦いに相応しくない一方的に相手を殴るだけの卑劣な装備とされ、騎士階級にある者が無断で使用すれば良くて階級剥奪と騎士団からの除名、悪ければ死刑すらあり得る禁忌とされており、ジュア=ムも死刑にされてもおかしくなかったが、ベルゼルートの破壊に成功したこともあって騎士総代グ=ランドン・ゴーツの計らいにより騎士団除名で済んだ。
騎士の地位を剥奪され荒れるジュア=ムだったが、スパイ部隊である諜士ソ=デス・ズォー(『J』には登場しなかった『OGMD』オリジナルキャラ)の誘いを受け、諜士へと鞍替えする。
グランティード鹵獲の功績により、諜士部隊へと与えられたクストウェル・ブラキウムに搭乗することになった。
諜士になった際に、騎士から転落するきっかけとなったカルヴィナへの憎悪が爆発したからなのか、何らかの精神誘導を受けたのかどうかは不明だが、好戦的で残忍な性格へと変貌し、何のためらいも無くラースエイレムを使用するなど騎士の誇りも無い外道へと成り下がった(裏の部隊である諜士にはラースエイレムの制限は適用外であった)。
「今になってみれば、騎士の矜持なんざ下らねえってことがわかるぜ!」
「今の俺には何の躊躇いもねえ!使ってやるよ!ラースエイレムをな!!」
「ハハハハハハ!どいつもこいつも止まってやがる!!」
「まずはカルヴィナ、てめえだ!てめえをこの手で殺す!」
「てめえは何が起こったかわからず、死ぬ!いや、もうわかってるか!?」
「だが、心配するな!仲間たちと母艦も爆弾で跡形もなく消してやる!」
「もうてめえはどうしようもねえ!今、動けるのは俺だけだ!俺がこの空間の支配者なんだよ!」
…この台詞の後、ラースエイレムの影響を受けない時流エンジンを搭載したエクサランス・ガンストライカーに驚愕するのだが。
「ち、地球人ごときがラースエイレムを破るだと!?クズ共がそんな技術を持っていただと!?」
「馬鹿な!あり得ねえ!ゴミの分際で!こんなことがあってたまるか!!」
…ラースエイレムに胡坐をかく悪い癖は『J』の頃から変わっていなかったようである。
その後も鋼龍戦隊と何度か交戦し、『J』同様ガウ=ラ・フューリア内で最後の戦いを迎えるが、フー=ルーの計らいで脱走していたアル=ヴァンがジュア=ムの目の前に現れる。
ジュア=ムはアル=ヴァンに共に戦うよう問いかけるが、アル=ヴァンはシャナ=ミアに賛同し、さらにカルヴィナの事を今でも愛していると聞かされたジュア=ムは…
「な、何を言ってんだ!!何を言ってんだ!!騎士のあんたが!ゴミを!カスを!愛しているだとぉおおおおぉおお!?」
「いや、あんたはもう騎士なんかじゃねえ!俺の敵だ!敵だ!敵だぁああぁぁああああ!!」
「うるせえぇぇぇ!!殺す殺す殺すっ!あんたもゴミ共と一緒に殺してやるぅぅぅ!!」
「てめえも皇女も敵!敵、敵、敵、敵、敵だぁあああ!!」
とうとう完全に精神崩壊を起こしてしまう。
アル=ヴァンとの対立自体が無かった『J』とは異なり、敬愛する師を討つという過酷な展開をも迎えることとなったため無理もないだろう。
「や、やられた……のか……!?し、死ぬのか、俺が!?嘘だろう、おい!」
「い…嫌だ、嫌だぁぁぁっ!こ、こんなの認めねぇぇぇぇ!」
「俺はまだ死ぬわけにはいかねぇぇぇぇ!!ク、クド=ラァァァァァ!!」
(※クド=ラとは、会話の内容から恐らくはジュア=ムの妹と思われる)
自業自得かつ呆気なかった『J』の最期とは違い、家族想いの設定が加わったり、地球人蔑視がより酷くなっていたりと良くも悪くも人間臭い描写が増えた結果、哀れな末路を迎えてしまったとも言える。
テキスト上のキチガイぶりは『J』の方が上だが、『OGMD』では担当声優である松風雅也氏の熱演が凄まじいため非常に印象に残りやすい。
搭乗機はカルヴィナルート第1話では量産型ヒュッケバインMK-Ⅱ、その後はヴォルレント、ラフトクランズ、そして前述のクストウェル・ブラキウム。
ただしクストウェル・ブラキウムは条件次第でプレイヤーの手に渡ることになり、その場合は引き続きラフトクランズに搭乗する。
関連タグ
スーパーロボット大戦J スーパーロボット大戦OGムーン・デュエラーズ
フューリー ヴォルレント ラフトクランズ クストウェル・ブラキウム
レーベン・ゲネラール…『スーパーロボット大戦Z』に登場。後半のキチガイぶりは彼といい勝負である。ただしジュア=ムの場合はアル=ヴァン失脚後に狂い出した事に対し、レーベンは最初から(少なくとも初登場した時点で)狂っていたという違いはある(初登場時は好青年のように見えるが、全部演技である)。
ジン・スペンサー…『スーパーロボット大戦UX』に登場。バンプレストオリジナルかつ中の人繋がり。彼も出世欲が強い好戦的な性格だったが、こちらは途中で覚醒して彼女が出来て使命に目覚め、最期は主人公との対決に敗れながらも己の戦いに満足して誇り高く散っていくという、ジュア=ムと真逆と言ってもいい末路であった。
ガエリオ・ボードウィン…『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』の登場人物で、中の人繋がりかつ騎士モチーフの機体に搭乗する。彼も地球至上主義のエリートではあるが正義感の強い仲間想いの性格で、最後は親友に裏切られ精神をズタズタにされたあげく敗北するという末路を迎えている。そのあおりでジュア=ムが「汚いガエリオ」と呼ばれることも…。ただ、原作第2部を控えており、もしかしたらガエリオもジュア=ムのように…?