概要
特定の言語・言葉の使用を禁じる社会的な規制をかけることが多々ある。これを言論の自由の観点から言論弾圧であるとして、否定的に表現した名称である。
筒井康隆が書いた「無人警察」での一連の事件がきっかけで「言葉狩り」が生まれた。
下記の事例が「言葉狩り」と称される。しかしこれらの事例で、例え使用者に悪気はなくとも、心象を悪くする人がいることも忘れてはならない。社会的信用を安定的に保つためには、「言論の自由」や「言葉狩り」の是非は関係なく「口は災いの元」と肝に銘じ、自身の発言内容に留意するべき、とも言える。
しかし、近年では思ったことや軽いジョークを口にしただけで、大手マスコミメディアを中心にクレームやバッシングが嵐のように行われ、人畜無害な意見ばかりが求められて、昔と比べ世間からおおらかさが失われてしまっているという声も多い。
そのため言論人をはじめとした多くの人々が、恐れから言いたいことや言うべきことを言えず、窮屈で思考停止した世の中になったと言われている。
「言葉狩り」とされる事例
- 矢口高雄の名作漫画である『釣りキチ三平』も、タイトルに含まれる「キチ」の言葉が「気違い」の意味そのままであることから、これが差別的であるとして批判を受けた。作者は「釣りが好きで好きでたまらない三平」という意味で使用したものであり、差別的意識は全くない。
- さだまさしの楽曲『関白宣言』の歌詞が女性差別的として、歌詞を真に受けた女性から抗議を受けた。しかし『関白宣言』は、結婚を前にした男が「亭主関白」となることを宣言しつつも、男の不器用で依存的な性格からそれが実現しないことをほのめかす「コミックソング」として作詞されたものであり、歌詞の内容はさだの考えとは異なる(のちにさだはアンサーソングとして「関白失脚」を発表している)。