概要
その名の通り、“魔法界”において魔法の技を教えるための学校。
プリキュアシリーズ初の異世界に存在する学校である。(厳密には、本作以前にも映画「プリキュアオールスターズ」でプリキュアのパートナー妖精たちが通う異世界の学校(妖精学校)が登場しているが、人間が通っている異世界の学校としてはシリーズ初である)
魔法を極めたい生徒が13歳に入学する学校であり、入学義務こそ無いが魔法は魔法界において必須の為、実質入学は必然的といえる。
3学年制であり、通学する学生は基本的に寮生活をしているとの事。
魔法つかいプリキュア!に選ばれた1人であるリコは、魔法界の住人であるため最初からこの学校の生徒であった。
一方、ナシマホウ界(人間界)の住人である朝日奈みらいもプリキュアに選ばれたことがきっかけで、春休みの間だけこの魔法学校での生活を体験することになった(第4話〜第9話)。
それ以後もみらいはナシマホウ界での学校の休暇時期等を利用して、魔法学校へとやってくることがしばしばある。
補習編では男子生徒は画面に登場しなかったが、プリキュア新聞の2016年春号でクラスが男女別に分かれている事が判っている。補習を受ける男子がいなかったのか、それとも男女別でクエストが課されていたのかは不明なところ。
本編では27話からの魔法界夏休み編にて、モブキャラとして幾人もの男子生徒が普通に登場している。それまで女子校と思っていた視聴者が少なからずいたようで、ネット上では不意をつかれたという感想もちらほら。「魔法少女」の学校ではなく「魔法使い」の学校なので男子がいても不思議ではないのだが。
卒業生が教育実習生として勤務することもあるようで、リコの姉・リズなどは補習授業の手伝いに駆り出されたりもしている。
立地環境
魔法界の中心には世界樹のごとき巨木「母なる木」が生えているのだが、その幹から枝分かれする股の部分に魔法学校が作られている。
魔法界という世界には大陸がなく、広大な海に小島が点在するという世界観になっている。そして「母なる木」もまた海中から生えている。つまり別の島から魔法学校に行くには何らかの乗り物を使って海を越えないといけない。
作中描写では魔法のホウキか絨毯で空から学校の正門前まで行くのが定番になっているが、この正門近くに魔法鉄道の駅が併設されておりカタツムリニアでも外界と行き来ができる。
魔法学校はかなり高地にあるため、雲が地面すれずれを漂っている。また季節は年中春。
魔法学校には巨大な正門が設置されていて、基本的にはこの門から出入りしなくてはならない。
通常は正門は閉じられているが、「キュアップ・ラパパ! 門よ 開きなさい」と呪文を唱えると門が開く。
ホウキで空から直接キャンパスに降りたり、またはホウキで空からキャンパスを脱走したりすることもできそうなものだが、生徒たちがそういうことをしているシーンは直接的に描かれてはいない。
これは人間界の普通の学校の感覚でいえば、正門をくぐらずにこっそりと塀を乗り越えて学校を出入りするようなものだろうから、単純に「門をくぐらずに出入りしたらこっぴどく叱られる」という認識があるのだろう。
学生の一人であるジュンは授業時間中に学校敷地内からこっそりと出て行ってカタツムリニアに乗り込むのにいつも失敗してるらしいので、門をくぐらずに出入りする存在を感知できる仕組みにはなっているようだ。
一方、闇の魔法つかいは何度も空から学校を強襲しており、魔法的な防衛装置の類は見られない。残念ながら、バレても構わないと突っ込んでくる荒くれ者を止める手立てはないようだ。
第9話でバッティに襲撃された際には、校長を含め教師陣が揃っていたにも関わらず逃げの一手であった(生徒たちの安全確保を優先したのかもしれないが)事からも、教師陣が戦闘に長けているというわけでもないように思われる。
施設
- メインキャンパス
朱色に塗られたドーム型天井を持つ白亜の塔が点在し、それをアーチ橋が結んでいる。
ナシマホウ界でいえばビサンツ様式に近いだろうか。
木の上にあるにも関わらずだだっ広い敷地面積を持ち、庭園も完備。それどころか森や丘や大きな池までキャンパス内にある。風光明媚と言える環境である。
幾つかの塔には巨木の枝がツタのように絡み付いていて、歴史の古さを感じさせる。また、建物の一部には宙に浮いているものもある。
2話でみらいの魔法の杖を生み出してくれた「杖の木」もキャンパス内に生えていて、魔法学校のシンボル的存在になっている。杖の木は魔法界のいたるところにあるが、魔法学校の杖の木は老木でみらいの杖を産むまで何百年も杖を産んでいなかった。
- 学生寮
通学する生徒達は基本的にここで生活しており、春休みの補習に参加したみらいも寝泊まりに使用していた模様。みらい達が夏休みに訪れた際もしばらくここで泊まるようだ。
前述の通り、前作の学校と同じく学生寮が建てられている。ベッドには羽毛布団ならぬ入道雲でできた「クモウ布団」が使用されているらしい。
- 食堂
春休みの間は休業していた、生徒が使用する食堂。人数を伝えてから入り、妖精らしきコックが切り分けてくれた食材をビュッフェ形式で頂ける。
なんでも食べ放題ということで、しかも無料っぽい。
教育機関としては生徒のことを考えた素晴らしい施策だが、プリキュアオールスターズに知られれば経営危機まったなしである。
- 知識の森
魔法学校の図書館に併設されている封印書庫で、無限の広さを持つ亜空間に通じている。書架が複雑に並んでいるので、迷って出られなくなることもある危険な場所。校長先生でも例外ではなく、校長先生はこの書庫の管理人であることにも関わらず、迷子になってしまったことがある模様で、1度はそれで教頭先生に叱られたことがありそうだ。中の蔵書の整理もできていない様子だが、それゆえに誰も知らない古代の秘本が隠されてもいる。作中ではここからリンクルスマホンが発見された。
- 開かずの扉
魔法学校は巨木の幹の枝分かれした股の部分に作られれているため、そこからさらに巨大な枝が空に向かって伸びている。しかし魔法学校では枝をたどって登ることは原則禁止されている(つまり飛行の高度制限がある)。
この枝をたどって巨木の最も高いところまで行けば「開かずの扉」があり、それを開くことのできるのは校長先生だけと言われている。
「開かずの扉」は壁などに併設されていない巨大な扉であり、いわゆるどこでもドア的な見た目。実際、その機能も同じようなもので「会いたい人や欲しい物を心に強く思い浮かべることで、その対象が存在する場所につながる」というもの。下手すれば犯罪に使われかねないが、名前の通りに「開かずの扉」であり魔法界でも校長以外には使う権限がないが、リンクルスマホンがあれば扉をハッキングして開くことができる。
第20話では魔法の水晶の占いでドクロクシーの正確な正体を特定した校長が、この扉を使ってドクロクシーの潜伏場所へと突撃している。
制服
女子の制服は白のブラウスに赤のスカートを履き、金糸の刺繍が施された赤のケープを纏ったものとなっている。また、胸にはチェック模様のリボンをつける。そして何より特徴的なのは赤のとんがり帽子を被ることである。
寒冷地などでは学校指定のフード付きケープをかぶることになっているが、どういうわけか猫耳フード。
魔法つかいに猫耳フードという組み合わせはどうしてもこのジョブを思い出さざるをえないわけだが、校長がナシマホウ界のゲームでも嗜んでいたのだろうか。(通常制服の時点でどことなくコレを彷彿とさせるという話も…)
なおこのフードに「キュアップ・ラパパ! 制服よ、私達をかくして!」と唱えると、透明マントの如くステルス機能の行使が可能。
靴下は黒のハイソックスだが各々自分の好みでワンポイント等を入れ着こなしており、よく見るとローファーにも差異がある。
男子の制服はケープが青であり、リボンは深緑色。薄い青色のズボン、茶色のブーツと長めの黒い靴下を履いている。
年中春という立地の特性上、夏服は存在していない。
校則
魔法学校の生徒たちは基本的に併設された学生寮で生活しているが、当然ながら無断外泊は禁じられている。これを破ることは重大な校則違反である。
外泊しなければ自由時間に好きな場所に行っていいかというと、一つだけ例外がある。
魔法界とナシマホウ界はカタツムリニアで行き来はできるのだが、魔法学校では「許可なくナシマホウ界へ赴くこと」を校則で厳しく禁じている。
実は魔法界には「ナシマホウ界の人間に魔法が使えることが知られてはならない」という掟があり、それを破ったものは魔法の杖の没収という厳しい罰が与えられる。杖が没収されたものは魔法を使うことができなくなるため、魔法界での社会的死に等しい。
ナシマホウ界へ赴くのはこの掟を理解した上で自己責任を受容できていることが前提だが、未熟な魔法学校の生徒たちはまだ責任を負うことができないという判断によって、ナシマホウ界に関わること自体を校則で禁じているのだ。
後にリコがリンクルストーン探索という口実で留学したり、補習メイトがフランソワの引率でナシマホウ界に来訪した描写からすると、大人の許可や同伴さえあれば滞在は咎められない模様。
第1話でリコが無断でナシマホウ界へ赴きさらにその地で無断外泊したというもは二重の校則違反であり、本来なら退学は当然である。それどころか、ナシマホウ界の住人である朝日奈みらいに魔法つかいであるということを知られ、あまつさえ彼女を魔法界へ連れてきたというのは、魔法の杖を没収されても仕方がないくらいの重罪であった。
ただ、みらいがプリキュアになったことを知った校長の要請により、みらいは春休みの間だけ特別に体験入学することになった(リコの補習授業の付き添いという形ではあるのだが)。これによってみらいは「魔法つかいの一員」とみなされて、みらいに魔法のことを知られたことは掟には抵触してないという解釈がなされた。同時に、リコの校則違反も特例で赦免されている。
なお、ナシマホウ界の人間が魔法学校に入学する事は前代未聞という事なので、みらいが初めてのケースのようだ。
補習授業
補習授業は対象の生徒達に6回に分けた実践的なクエストを課するというものになっているが、一度でもクエストを失敗すればその時点で脱落し、留年が確定するという非常に厳しいものであり、リコが補習免除の手段を必死になって探していたのも頷けるところである。
補習のクエスト内容は以下の通り。
- 学園中を彷徨い続ける折り紙の蝶を捕まえる。
- 極寒のひゃっこい島で、魔法を使って湯を沸かす。
- 水を操って任意のオブジェを作り出し、その形を10秒間維持する。
- 人魚の里に生息するマール貝のカラを開かせる。
- 魔法の島に生息するペガサスと記念撮影をする。
- 補習組5人VSリズ先生による魔法合戦。各自びっくり花が帽子に付けられ魔法で花が咲いたら脱落。5人のうち1人でもリズの花を咲かせたら勝利。
補習授業でみらいとリコは試験の合否を共有することになっており、二人のうちのどちらかがクエストを達成するだけで二人とも次の補習に進むことができる。一方で不合格については二人そろってクエストを失敗しない限り問題ない。全くの初心者であるみらいがそんな簡単に魔法を使えるわけないという視点からの配慮なのだろうが、結果的には補習2回目を除き2人ともクエストを成功させるという大奮闘を見せた。
この補習授業を終わらせてみらいがナシマホウ界に帰ることになった時、教頭先生はみらいに正式な学生証兼生徒手帳を渡してくれた。これにより、みらいが魔法学校に学籍を置くことになった事が間接的に明かされた。
出席日数などについてはこの話以降のリコがナシマホウ界への留学を認められているので、それと同じ処理がされていると思われる。
夏祭り
魔法学校は気候的には年中春だが、魔法界には全島共通の暦が存在するため、学校の年中行事はその暦に従って行われる。「暦の上での夏」の時期になるとちゃんと夏休みとなる。
しかし夏休みには夏祭りという大イベントがあり、授業はなくてもその準備のために数多くの生徒が学舎内に入り浸っている。
この夏祭りは要するに学園祭のようなもので、出しものなどは生徒たちが自ら考えて運営する。
祭のクライマックスでは大量の花火が打ち上げられるが、魔法界の花火は火薬では作られない。
「花火を咲かせる花」を開花寸前まで栽培しておき、それに魔法をかけることで様々な花火が発生するという仕組みである。文字通りの「花火」なわけだ。
夏祭りで花火魔法をかける役は、学校の中でも特に優秀と選ばれた生徒となっているため花形として扱われている。
28話ではこの役目に補習メイトが選ばれ、花を求めるクエストの様子が描かれた。
関係者
教員
教育実習生
生徒
余談
モチーフ(あるいはイメージ)はハリー・ポッターシリーズのホグワーツ魔法魔術学校だと思われる。
関連タグ
ジュエルペット :魔法学校が舞台のシリーズがある。また、モフルン役の齋藤彩夏がシリーズを通して主演を務めていた。