概要
厄祭戦後の時代に於いて、地球の各国連合の総意により治安維持を目的に設立された武力組織。階級制度は日本の自衛隊と同じものが採用されている。
300年前、厄祭戦を終結させる為に有志によって国家・思想の枠組みを超えて結成された勢力がその前身となっており、ガンダム・フレームや阿頼耶識システムの開発を行いその武力を以って戦争を終結に導いた。
戦後はその軍事力を背景に各勢力が保有する軍事力を一本化し、世界を監視し戦争の火種となるであろう事象に対して介入する事から「武力を以って武力を制す世界平和維持のための暴力装置」とも呼ばれる。
7つの家門に別れた「セブンスターズ」と呼ばれる創始者の末裔達によって管理・運営され、組織の存在自体が戦争に対する一種の抑止力として機能している。
指揮系統は直接武力を行使する統制局を筆頭に統制局を監視・調査する監査局、経理・人事を管理する総務局、警察事業を担う警務局の四つの部門に大別され、組織の運営資金は各国や企業の治安維持活動を肩代わりする対価として徴収される。
厄祭戦の原因にもなった相転移炉「エイハブ・リアクター」の製造技術を独占し、地球圏ではモビルスーツを独自に開発・量産出来る技術力と工業力を持つのはギャラルホルンだけであるなど、その軍事力・組織規模は他の追随を許さない。
また、地球経済圏への内政干渉は許されない立場にある事もあり、主だった拠点施設は衛星軌道や海洋上に建造されており、火星支部本部は火星軌道基地「アーレス」に、地球本部は洋上に浮かぶ「ヴィーンゴールヴ」にそれぞれ設置されている。
しかし、その監視の目は人類の生活圏の全域に及んでいないのが現状であり、地球圏と圏外圏とでは部隊の練度や士気に開きも見られる他、構成員の大半が地球出身者によって占められている性質上、圏外圏出身の兵士に対する差別も見受けられる。
更に組織自体も一枚岩ではなく、火星支部局長コーラル・コンラッドのように他組織からの便宜を引き出そうとする者も少なからず存在するなど腐敗が進行しており、不満分子(それも体制を転覆させるかもしれないテロリストや革命家の類ではなく、待遇改善を訴える労働者程度)を手の込んだ裏工作で武装蜂起するように仕向け、それを口実に一方的な鎮圧に乗り出す等、治安維持のためならあまりに手段を選ばない。
一方で地球-火星間で頻発する海賊被害などへの対応には(主な被害が公式航路から外れた裏航路である事も重なり)積極的とは言い難く、地球の経済圏はそういった現状を抱えるギャラルホルンを重荷に感じている。
また、実権を握るセブンスターズも代を重ねるごとに硬直化が見られ、実戦経験の乏しさから昔の作戦が更新されないままとなっており、クジャン家に至っては現当主がまともに往年の厄災戦の知識を知らない有様であった。
このため実戦に於いては予め立案された作戦プランを順守する風潮が深く根付いており、それを乱された場合に脆さを見せるなど柔軟性に欠ける面も見られる他、モビルスーツの製造技術を独占するが故に本格的な対モビルスーツ戦闘を経験している兵士も少なく、強大な力と長い歴史を持つが故の脆さも見受けられた。
それ故に組織の実情を嘆く者は組織内外に多く存在し、マクギリス・ファリドが鉄華団を利用し暗躍した事で既存の運営体型は失墜。各経済圏はギャラルホルンに対する不信感から、これに頼らない独自の戦力の確保を進めるようになり、結果としてギャラルホルンは組織の改変を迫られる事になった。
マクギリスが死亡し鉄華団を壊滅させたものの、一連の事件でセブンスターズの内、クジャン・イシュー・ファリドと、半数近い3家が断絶、残った4家のうちボードウィン家も子息が療養の身となり、ファルク家とバグラザン家は当主が日和見主義の老人で激動の時代の舵取りは無理と、これまで通りの運営はもはや不可能であった。
ラスタルの主導で7家の合議制による運営は廃止され民主的な運営に移行することになり、火星での権限も縮小となり火星の自治が大幅に拡大することとなった。
奇しくもこれにより、生前のマクギリスが望んだ「出身や身分に捉われない社会」の方向への改革がなされたのである。
構成人員
セブンスターズ
ガルス・ボードウィン
エレク・ファルク
ネモ・バクラザン
カルタ・イシュー(父親が病床に伏しているため、当主を代行している。)
ラスタル・エリオン
イオク・クジャン
監査局
月外縁軌道統合艦隊アリアンロッド
地球外縁軌道統制統合艦隊
火星支部局
新江・プロト
その他
ヴィル・クラーセン
ヴォルコ・ウォーレン
保有兵器
ビスコー級クルーザー
ハーフビーク級戦艦
スキップジャック級戦艦