概要
描く際は通常、頂点を一つ飛ばしで結ぶ要領で描く。
魔法陣でよく使われる五芒星(⛤)や六芒星(✡)もこれに含まれる。
多角形から(辺を伸ばして)星型多角形を作る操作は星型化と呼ばれる。
五芒星は「正五角形を星型化したもの」であり、「正五角形の星型」と表現される。
六芒星は正六角形の星型である。
辺が交差しているが、数学的な図形としては通常、その交差による点は点として数えない。例えば五芒星なら、あくまで5個の頂点と5本の辺を持つ図形とされており、辺が立体交差しているイメージ。
「星形多角形」と書いてはダメなのかどうかは不明だが、殆どの場合は「星型~」となっている。
定義について
定義がしっかりとなされているのか怪しい部分が特に多いため注意が要る。以下、星型多面体にも同様の問題がある。
英訳としては、それっぽい語に「Star polygon」があるが、こちらも定義がいまいちはっきりしておらず、星型多角形と同義であるかも定かではない。どちらかと言えば「Stellated polygon」の方がそれらしい。直訳すると「星型化された多角形」つまり「多角形の星型」となる。
また、星型多角形というと多角形の一種みたいであるが、六芒星のように2つ以上の図形が複合しているタイプ(複合多角形)は多角形に含めない事が多い様子であり、そうなると多角形の一区分とは言えなくなる。
そのためか、あくまで「~の星型」という呼ばれ方をし、多角形と呼ぶのは避けられている向きも見られる。すると、星型多角形という呼称も不適切である可能性があるが、複合多角形を「Compound polygon」と呼ぶ例も結構見られるため、今の所は徹底的に避けられてるわけでもないのかもしれない。
交差を持ってる時点で多角形に含めないとされる事もあるが、それだけならば「やや特殊な多角形」という感じで多角形に含める事の方が一般的な様子がある。
他、英語版Wikipediaによると、正多角形以外の多角形の星型については一般的な定義は未だなされていない様子との事であり、「多角形の星型」は実質「正多角形の星型」という事となる。
一方で、歪んだ五芒星を星型五角形と呼んでいる例も割と多く見られる。
星型化の元の多角形(芯)も星型多角形に含まれるかのような記述がなされる事があるが、「~の最初の星型」と言えば芯でないものになるため、星型多角形をあくまで「多角形の星型」と見るならば、芯は含まれない事となる。
芒星図形
正多角形による星型はまとめて芒星図形とか多芒星(或いは単に芒星?)と呼ばれる。
英語ではPolygram(ポリグラム)と呼ばれ、五芒星・六芒星はペンタグラム・ヘキサグラムである。混同し易いかもしれないが、ペンタゴン・ヘキサゴンは五角形・六角形。
前述の事情により、現状では多角形の星型とはっきり言えるのはこれのみであり、実質的には星型多角形=芒星図形となっている。
ただ、日常的には「多角形の頂点を結び変えて作った星っぽい図形」といった意味合いで用いられている節がある。
例えば、クロウリーの六芒星という表現があったり、性格論の図形がエニアグラム(=九芒星)と呼ばれたりしている。
また、潰れた五角形を正五角形とは呼ばないのに対し、同様に潰れた五芒星の事は日常的には五芒星と呼んで差支えない様子が有る。
この用語もまた、本当に数学的にはっきりと定義されてるものか疑った方が良いかもしれない。
星型n角形
五芒星と六芒星はそれぞれ、星型五角形、星型六角形とも呼ばれる。
正五角形の星型であるならば星型正五角形となりそうな所だが、(実際にそう呼ぶ例も割と見られるものの)大抵は単に星型五角形と呼ばれている。
「正」が付かないのに正というのは違和感あるかもしれないが、三次元の図形になるとこういった例は多くなる。
尤も、三次元図形の場合もそうだが、潰れていたりする場合の呼び名に困るのが難点ではある。
しかし前述のように、歪んだ五芒星を星型五角形と呼ぶ例も実の所割と多く見られるため、区別したい場合は星型正五角形と呼ぶ必要があるかもしれない。
同様に言えば星型六角形は星型正六角形となるが、こちらは後述の星型正多角形には含まれていない点には注意が要る。
正n/m角形
五芒星は正5/2角形という分数の形でも表現される。この5/2というのは、正多角形の角数と内角の関係から逆算でき、シュレーフリ記号でも{5/2}と表現される。
さすがにこの表現になると、歪んだ五芒星に対しては使われなくなって来る?
この分母の数は密度と呼ばれ、正5/1角形は通常の正五角形となる。
この呼び方では六芒星の事は正6/2角形と呼べそうだが、これは文字通りに見ると正三角形となってしまうため、不適切とされる事がある。場合によってはむしろ正三角形の意味となり、正6/2角形が六芒星になると不都合な場合もある。ただ、シュレーフリ記号で{6/2}とする例も割と見られるため、間違いとも言い切れない。
七芒星以上は複数ある
七芒星以上は複数種類が存在している。例えば正七角形ならば、頂点を1つ飛ばしにするか2つ飛ばしにするかで別の図形となる。
これらは共に七芒星であるが、先の分数表現では正7/2角形、正7/3角形と区別できる。
九芒星になると更にもう1種類増える。
五芒星の内部には正五角形の姿が見られるが、同様に正7/3角形の中には正7/2角形の姿が見られ、更にその中には正七角形の姿が見られる。このように、とある正多角形の星型の中で最も鋭いものは、その正多角形とそれによる他の星型全ての姿をその中に宿している。
逆に見ると、七芒星の場合なら、正七角形の辺が伸びて行き、まず正7/2角形が現れ、そして正7/3角形が現れるという、本来の星型化の様相となっている。
正8/2角形という表現は先述のように不適切とされる事があり、するとこれを正8/3角形とどう呼び分ければ良いのか困る事となる。一応、「正八角形の最初の星型」という表現はできる。また少数ではあるが、二複合正方形のような表現も見られる。
「正」が付くため、潰れた芒星図形に対して用いるのは不適切そうであり、その場合の呼び分けも問題となる。正を取って7/2角形、7/3角形のように呼んで良いかどうかは不明。
正方形や正六角形も、実は星型の成り損ないみたいなものを余分に持っている。線分で構成される図形で、ちょうどバッテンの形「×」やアスタリスクの形「*」である。こういった星型もどきを「0.5個」とカウントすれば、星型の数と角数との関係は直線状(一次関数)となる。
芒星図形の分類
五芒星のように、複合多角形となっていない芒星図形を特に星型正多角形と呼ぶ。
対して、六芒星のように複数の正多角形に分解できる芒星図形は複合正多角形と呼ばれ、正10/4角形のように複数の星型正多角形に分解できる芒星図形は複合星型正多角形と呼ばれる。
この3タイプはデザインの上では同等に重宝されており、各々を特別にテーマとしたものはなかなか見られない。
分解できるか否かは、約分できるかどうかで判断できる。例えば五芒星は5/2で約分できないが、六芒星は6/2で、分数と見なせば約分により正三角形となってしまう。
また、この約分の結果が構成多角形の角数を示しており、約分の際に分子&分母を割った数が枚数を示している。例えば六芒星の場合は、約分の結果である正三角形で構成されており、約分の際に割った数である2がその枚数となっている。
星型正多角形
こちらは星型多角形とは異なり定義がはっきりしており、Regular star polygonと同義と見て良さそうである。
また、六芒星などの複合型を含まない点、「正多角形の星型(正多角形を星型化してできた図形)」ではなく「星型の正多角形(交差の有る正多角形)」となっている。複合型を含まないため多角形の一種と見なし易く、英語では正多角形の一種のような言われ方をされる事もある(通常の正多角形は凸型正多角形)。
三次元版は星型正多面体。
関連イラスト
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