ウルトラマン(一峰大二版)
ぼくらのうるとらまん
概要
特撮TV番組『ウルトラマン』のコミカライズ。講談社の児童誌『ぼくら』に1968年8月から1969年9月まで掲載された。作者は一峰大二。
『週刊少年マガジン』で連載されていた楳図かずお版がホラーテイストだったのと比べ、こちらはヒロイックな正統派SFになっている。
楳図版や『ウルトラマンTheFirst』とは異なり、没脚本の怪獣が数多く登場しているのが特徴。
現在は秋田文庫から全1巻が刊行されている(初単行本であるサンデーコミックス全2巻が底本)であるが、第1話を始めとして4話が欠落している。全話を読むためには、1995年に翔泳社から発売された全2巻の完全版を買う必要がある。
一峰版初代マン
ウルトラマンのデザインは金属然とした楳図版よりもTV版の着ぐるみに近くなっている。
必殺技はなぜか稲妻状に飛ぶスペシウム光線と、真ん丸な八つ裂き光輪。どうも一峰氏は八つ裂き光輪がやたらと好きだったようで、奇抜な発想で次々と怪獣たちを打ち破っている。
怪獣が比較的強いのもあり、苦戦することも多いのは難点。
最終回ではゼットンが登場しないため生きたままM78星雲に還っており、「ハヤタはもう二度と姿を現すことは無い」とナレーションが言っているため、恐らくは分離もしていない。
登場怪獣
深海人:第1話に登場する最初の怪獣。すぐにウルトラマンにやられる。
ネロンガ:意外な正体を持つ。
グリーンモンス:ウルトラマンのスペシウムエネルギーを吸収して強化され、科学特捜隊が猛毒を盛ってやっと倒すことが出来た。
ギャンゴ:鬼田が極悪なマッドサイエンティストに変更されている。
ペスター:原作ではすぐ焼死してしまったが、こちらではウルトラマンを締め上げて奮戦した。
バルタン星人:原作におけるバルタン星人二代目だが外見は初代と同一。ハサミから分解光線を放ち東京を砂漠にした。
アボラス:サンデーコミックス表紙だと何故かこいつが赤に、バニラが青に塗られている。コマの中では「青い怪獣アボラス」ってセリフがあるのに…。
バニラ:ウルトラマンを丸焼きにして撤退に追い込むなど、原作より優遇される。
ゴモラ:やっぱり大阪城は崩される。
ピグモン:スフランを食べようとして返り討ちにされるだけの役。ひどい。
レッドキング:多々良島は巨大な海藻の群衆体と言う設定になり、東京湾から本土に上陸して人間を餌にしようと暴れ回る。
チャンドラー&マグラー:レッドキングの子分。三匹で東京の町を破壊し尽し、ウルトラマンと対決する。
ケムラー:毒ガスを好んで食べる習性を持つ。軽いガスを散布することでビルなどを浮かせることができる。
スカイドン:口から火を噴くわアルマジロのように回転するわ八つ裂き光輪も弾くわ手に負えない強敵。ウルトラマンに勝ってガッツポーズした。
ヤマトン:没怪獣。戦艦大和の残骸から生まれた超巨大磁力怪獣。
タンギラー:没怪獣。悪の組織「サン=ダスト団」の用心棒の有翼怪獣。
ウェットン:没怪獣でラスボス。水を吸って無限に復活する。