国鉄 14系客車
国鉄が1971年より新製・投入した客車。座席車と寝台車がある。ほぼ同一だった20系客車と違い、座席車と寝台車の形状は見た目で区別できるほど違っており、基本的にそれぞれ独立した編成で運用がされており、一部除いて混結で運用されることはなかった。
途中で分割・併合を行う列車での運用の便を図るためサービス用電源を緩急車に搭載したディーゼルエンジンで賄うようにしたことが特徴。寝台車についてはそれまでより幅が広い(70cm)ベッドとした。
1978年には寝台車のみ防火対策・二段ベッド化を中心とした改良を行った15形が登場した。
後年、オリジナルである14系(14形式)のB寝台車も15型に合わせた二段ベッド化改造を受け、ごく一部の例外を除いて二段寝台となる。
登場当初より寝台車は寝台特急用として活躍したが、座席車の登場当時には既に昼行特急のすべてと急行のほとんどが電車、気動車で運用されており、登場当初はもっぱら波動、臨時特急、急行用として使われた。
昭和50年に初めて急行用として座席車が定期運用で使われるようになったものの(ちなみに定期特急用として使われるようになったのはJR化以降の話である)、それでも繁盛期を除けばほとんどが車庫で待機という状態で、国鉄末期には12系と共にサロンエクスプレス東京などのジョイフルトレインの種車として使われた。
JR化以降は老朽化や寝台列車の需要低下、波動用車両の電車・気動車化などのため徐々に運用から外れており、最後まで使用されていた急行はまなすが2016年3月に北海道新幹線開通にともなって廃止されると定期運用を持つ14系は座席車・寝台車ともに消滅し、JRグループに車籍が残っているのはイベント列車用、保留車、サロンカーなにわのみとなっている。
廃車された車両の一部が東南アジアに輸出されている他、JR四国から東武鉄道へSL列車の運行用に譲渡された他、JR北海道から大井川鐵道へも500番台座席車がこちらもSL列車用に譲渡されている。