人物紹介
音川 音次郎(演:藤田まこと・2代目 橋爪功)
松竹製作のテレビドラマ「京都殺人案内」第2作~第32作(最終作)および「新 京都殺人案内」の主人公。あだ名は「音やん」
音次郎の妻ふみ(演:山口朱美)は 仕事帰りの音次郎に傘を届ける途中に周山街道で交通事故のひき逃げにあい亡くなった。犯人・数井浩三(数井水産社長、数井は偽名を使って別人になっていた・演:三國連太郎)のことを時効直前に逮捕したものの、音次郎は自分のせいで妻を亡くしたと悔やみいつも折り畳みの傘を携帯している。洋子という娘がいる。
京都府警察捜査一課 係長警部補のちに警部に昇進。
「はぐれ刑事純情派」の安浦吉之助と違い標準語ではなく関西弁(京都弁)で話す。関西出身の藤田にはあたり役であった。
狩矢 荘助(演:藤田まこと)
「京都殺人案内」第1作の主人公。原作が山村美紗の小説「花の棺」であったため本作のみ役名・設定が違う。京都府警捜査一課 係長・警部
音次郎の家族・交友関係・同僚
音川 洋子(演:初代 小林かおり・2代目 荒木由美子・3代目 萬田久子・4代目 本上まなみ)
出戻りの一人娘。
初代小林かおり(必殺仕事人・左門の妻 お涼役の女優)が第2作から演じ定着していたように思われたが第5作出演を最後に降板、第6作は荒木由美子が一回限りで演じた。
視聴者になじみが深いのは第8作から登場の3代目 萬田久子が演じる洋子である。(第7作は洋子は留守で登場していない。)
若手の捜査官との恋愛関係が描かれることもあった。
只野誠(演:漫才コンビ圭修・現ケツカッチンの和泉修)と結婚し只野 洋子(ただの洋子)になったがうまくいかず再び父・音次郎と暮らすようになる。旅行会社に勤めその関係で事件の冤罪で被疑者になったこともあった。(第8作「刑事の娘を襲った悪徳サラ金」)のちにレンタルビデオ店勤務。しかし第29作では、また旅行会社に勤めている描写がある。
萬田演じる洋子と音次郎とのコミカルなやり取りは殺伐とした殺人事件・犯人の切ない動機などで内容が暗くなりがちな当番組の一服の清涼剤であり見るものに「ああ、これは実際の事件ではなくドラマなんだ」と思い出させてくれ安心感をもたらした。
親子仲良くすき焼き鍋をつつくシーン、屋台のうどんを食べるシーン、入浴中の音次郎に「おとうちゃん、湯船で垢こすらんとってや、うち後で入るんやさかいに。」と声をかける洋子に「分かってるがな!」と言いながら体をこする音次郎 など実にほのぼのとして事件とは対照的であった。
秋山 虎五郎(第10作のみ「秋山 啓介」とクレジット・演:遠藤太津朗)
音次郎の上司。「どんならんで」「あほぬかせ」「土産たのむで」が口癖である。名バイプレーヤーの遠藤太津朗が演じた。京都府警察捜査一課長警部、亀岡警察署次長(第10作のみ)を経て警視に昇進した。一時期、管理課長という名の壁際のデータ入力担当にされたこともあった。(第24作、第25作)
なでつけたウェーブヘアーに黒ぶち眼鏡、ブルドッグ顔という強烈な強面。音次郎に対しても強い口調で話すが愛嬌があり憎めない存在であった。
なお彼は毎回出張する音次郎に土産を要求するが、彼の望むうまい地酒やタラバガニなどは一度も買ってきてもらえず、こけしや具にもつかない置物ばかりであった。(例えば当人は5万円すると思っていた湯呑みが、実は京都駅近くの店で買った500円の安物だった。)しかし音川の説明を聞くと毎回文句を言いながらも納得して受け取っていた。
妻は秋山 君江。夫婦で洋子の仲人を務めた。
苦労人らしく、各地の警察署を点々としたあげく、ボロボロになって京都府警にたどり着いたと本人談。(第24作で若いキャリア課長相手に言っていた為ジョークの可能性もあるが、第26作で一課長に復帰した際も同じ事をほのめかしている。)
また健康と美容に気を使っているようで、顔に塩をもみ込んでいたり、朝の通販番組で買ったまずそうな青汁を飲んでいたり、胃腸薬や頭痛薬が手放せないという一面も持っている。
秋山 五郎(演:平泉成)
新シリーズ「新 京都殺人案内」では名前が虎五郎ではなく五郎に変更された。
草森 慎太郎(演:初代 太川陽介・2代目 伊原剛志・3代目 草見潤平)
神奈川県警を経て京都府警察捜査一課に配属された若手の刑事。その時代のフレッシュな面々が演じた。のちに2代目の伊原剛志は「京都殺人案内の草森を演じた時、藤田まことさんにこの世界(芸能界)のいろはを教わった」としている。
小杉・山田・土井・米倉
音次郎の部下
渋井(演:ひろみどり)
事務方の管理主任。(第25作~最終作)
見た目はおばさんで、秋山課長は彼女の事は苦手らしい。
菊子(演:鮎川いずみ)
音次郎や秋山たちが常連のグリル喫茶「がんこ」のママ・おでん屋の女将。(第4作~第12作)ただの喫茶店のママというだけではなく留守中の音川洋子の代わりに音次郎の晩御飯を用意したり取れたボタンを直したりと、「はぐれ刑事純情派」のさくらのママのように音川と男女の関係を感じさせる面が描かれた。音次郎の方も出張の土産を持参したりした。
作品によって入り口の位置・店の間取りが違ったり、喫茶店ではなくおでん屋だったり変遷があった。
必殺シリーズのなんでも屋の加代でおなじみの鮎川女史が演じた。
第7作「麻薬にけがされた修学旅行女子高生」には元恋人の草森 伸太郎(若手の刑事の草森 慎太郎とは一字違いの別人)教授が登場。名優・宝田明がいぶし銀の印象的な犯人役を見事に演じた。
鮎川いずみは結婚後、化粧品会社の経営に携わり芸能界を引退、シリーズを降板する。
早苗
鮎川の降板後、第19作、第20作のみ(演 麻丘めぐみ)という同じポジションの女性が登場する。
第25作で森口 早苗という女性が登場した。(ただし設定がリセットされており、秋山課長が音川の再婚相手にと引き合わせた。)演じるのは平淑恵。第28作では事件の重要人物として、物語に関わる。
シリーズの終焉と新シリーズの制作
2010年2月17日 藤田まこと逝去のため2010年2月27日の放映分をもってシリーズは終了した。
秋山課長役の遠藤氏も最終32作をもって芸能界から身を引いた。(友人である藤田氏の死を悲しんだ為とされている。)2012年7月7日逝去。
2018年2月9日 キャストを一新し、新シリーズとして「新 京都殺人案内」が放送され、2代目 音川音次郎を橋爪功が演じた。
(今後のシリーズ展開は未定)