特殊潜航艇としての蛟龍についてはこちらで。
概要
中国に伝わる龍の一種、或いは鱗を持つ龍、姿が変態する龍の成長過程の幼齢期の名称。
人里から遠く離れた湖や水のある静かな場所の水底、或いは池や河川に住み着いているとされ、水に潜っている事から“潜蛟”とも呼ばれる。
その姿は枝分かれしていない真っ直ぐで短い角を持ち、退化して短くなった全部で四本の爪を持つ足があるといわれる。
また、強大な法力を持つ海に住まう龍の一種と伝えられる所もあり、また、角の有無は文献にまちまちとなっている。
五百年水中に住み続け、ある程度成長すると雲や雨に乗じて龍へと変態を遂げる。
『本草綱目』という書物では眉が交生するのでその名(ちなみにこの書物では蛟と紹介されている) が付けられたとされており、その姿は長さが3mほどあるが、大きなものでは太さが数抱えにもなるという。また、蛇体に獅子を有しており、足は平べったく盾状になっているという。
なお、時運に巡り会えずに実力を発揮できないでいる英雄や豪傑の例えとしても用いられる。
ゲゲゲの鬼太郎における蛟竜(龍)
※イラスト右の妖怪
少年マガジンに掲載のゲゲゲの鬼太郎「妖怪獣編」及び「妖怪大裁判」、アニメ第1期、第3期の劇場版、第4期、第6期に登場。
妖怪獣ともいわれる四国全土の化け狸の頭目である刑部狸率いる八百八狸たちの切り札であり神と崇める存在で、ゲゲゲの鬼太郎の物語では大ボスの一体を務める大妖怪。ちなみに第三期の劇場版のみ、ぬらりひょんの手下という設定で登場している。
その正体は70年の年月を得た蛇が蜃気楼の中で卵を産み落とし、その卵が孵って地下へと潜り、さらにそこから数百年育った後に丸くなって天へと昇って生まれ出でる存在とされる。
なお、蛟龍の卵の形状は紅い月のような形をしている為、蛟龍の存在を知らない(というよりそもそも妖怪の存在自体を信じていない)目撃した人々はあたかも月が二つあるものと誤認していた。
ゲゲゲの鬼太郎の世界観では伝承で伝えられる姿とは異なっており、ランランと光る巨大な目と鋭い牙のような歯がずらりと並んだ大きく裂けた口を持つデフォルメされた巨体の猿人のような姿という蛇や龍とは似ても似つかない大怪獣のような姿となっている。
強大な力を有しており、かつて八百八狸たち蛟龍の力を背景にその幅を利かせて四国を支配下に置いており、最終的にはその力を持ってして日本全土をその支配しようと目論んでいた。
刑部狸の持つ強大な妖力で操られる一種の戦略兵器にして生体兵器のような側面を持っており、両目から蜃気楼を発生させる光線(第三期の劇場版では物質を消滅させてしまう光線という設定)を使って敵を惑わせる事が出来るほか、第6期では全身から強力な衝撃波を発生させての広範囲攻撃をする事が出来る能力や口から火炎弾や炎のブレス(?)のようなものを吐き出す能力をを身に付けていた。
劇中では当初は天空高くに浮かぶ卵の中に潜んでいたが、自衛隊の攻撃を受け地上へと落下するのと同時に孵化(ちなみに第2期、4期での詳細は分からないが、第6期での刑部狸も卵を地上に下ろす術を知らなかった為、どうやって地上に下ろそうかと悩んでいたらしく、この事は嬉しい誤算であったようだ)。
刑部狸の妖力で操られ首都・東京を襲撃し、防衛のために出動した自衛隊の攻撃を全くものともせずに暴れ回り逆に返り討ちにしたほか、第6期では衝撃波を発生させて広範囲の建造物を破壊する等、出てくる番組を間違えてるとしか思えない程の活躍ぶりを発揮して八百八狸たちが日本政府から政権を奪い取る所まで漕ぎ着けた。
最後は八百八狸のもう1つの切り札である大鯰を封じる為に富士山へと向かう鬼太郎の前に再び姿を現し襲い掛かり、その巨体を生かして鬼太郎を踏み潰すもそれが仇となり、その際に鬼太郎の胃が破れて周囲に溶けだした“鬼太郎自身の胃袋とその中で飼っている蛇以外のあらゆるものを溶かしてしまう強力な胃液”が体に掛かってドロドロに溶解するという鬼太郎と相打ちに近い形で敗北した。
その後、「妖怪大裁判編」で蘇生(?)したようで百々爺の罠で冤罪をを着せられた鬼太郎の裁判に出席していた。
なお、再生して間もない為なのか、以前よりも明らかに身長が縮んでおり、刑部狸に操られていない為なのかつぶらな瞳を浮かべている。
第3期の劇場版では南方妖怪のボスであるチンポの登場する船に向かう鬼太郎が乗る筏を海中から襲い掛かるが、一反木綿に両目を塞がれ一反木綿を剥ぎ取ろうともがいている隙をつかれて鬼太郎のオカリナの剣で脳天を刺されて暴走し、チンポの船に激突。船と共に海中へと没した。
第6期では要石の力で生命活動を維持していたのか、まなに要石を破壊されて一旦活動を停止していたが、刑部狸の怨念が宿り再び活動を再開。
人間の味方をする怨敵・鬼太郎に復讐せんと富士山麓付近を舞台に見境なく徹底的な破壊活動を行い、鬼太郎たちを絶体絶命の窮地に追いやるも、最後は要石の霊力が宿ったまなの力を借りた鬼太郎の指鉄砲を口の中に打ち込まれ今度こそ完全に活動を停止した。
が、全ては裏で暗躍する謎の黒づくめの怪人の策略の一環だったらしく、その死骸は邪気へと還元され、人間たちから集めたそれと合わさって何だかの術を掛けられたと思わしきまなの右腕へと吸い込まれていった……。