※ネタバレが一部含まれるため、閲覧にはご注意ください。
※確信的なネタバレの記入は控えるようにお願いします。
概要
『デート・ア・ライブ』という作品の根幹を成す、"隣界"と呼ばれる異界より来し存在。劇中では「特殊災害指定生命体」とも呼称されている。
その正体については物語当初謎のままで、その真相は物語の進行と共に少しづつ明かされていく事となる。
"精霊"といっても誰もがイメージしがちな透明な存在ではなく、個人差こそあれ共通して絶世の美少女の姿をしており、人間よりはるかに強大な力を持ち、“霊装”と呼ばれる霊力で編まれた鎧を纏い、“天使”と呼ばれる超常の異能力を秘めた最強の武器を持ち合わせている。
こちら側の世界(士道たちがいる世界)に顕現する際“空間震”と呼ばれる空間の歪みが発生し、世界に甚大なる被害(破壊)をもたらす為、人類に災いをもたらす存在として本人の意思に関わらず討伐対象となっていた。
人類は精霊に対抗する手段として「武力による倒滅」を試みていたものの、精霊のもつ絶大な戦闘力よってことごとく失敗に終わり、彼女らの人類に対する敵意や忌諱をより強めるだけの状態に陥っていた。
しかし主人公・五河士道は、何故か世界で唯一「自らに心を開いた精霊にキスをする事で、その力を封印し無力化する」能力を有しており、それを事前に把握していた組織・ラタトスク主導の下、「精霊とデートして、デレさせる」という前代未聞の形で、世界と精霊両方を救う使命に身を投じていくことになる。
姿のみならず感情や意思、趣味嗜好等も人間と遜色ないレベルで持ち合わせており、実体を持ち食生活も普通に出来たり、流血や怪我もするなど、身体の構造や知性・精神等は実際の所殆ど人間と変わりはない。
そのため、人間社会に触れ合う機会が無かった十香、四糸乃は世間知らずな面が目立っていたが、それ以降の精霊達は登場時点でそれぞれ独自のパーソナリティを築き上げていた。
一方で、体内に“霊結晶"(セフィラ)と呼ばれる永久機関に近い核(人間でいえば心臓に該当する)を持ち、これが破壊されない限り肉体は自動で修復され、生命活動を維持する事が可能な模様。
封印が行われた精霊は力のほとんどを失い普通の人間に近くなるが、精神状態が不安定(ストレスを感じるなど)になることで精霊の力「霊力」が逆流し、天使と霊装を不完全ながら顕現出来るようになる。
この応用で精霊が自らの精神に揺さぶりをかけ、自力で封印を破って本来の力を取り戻すという手法も可能だが、完全に封印を壊してしまった場合再び封印を施さなければならない。
物語が序盤を終えた辺りから、霊結晶を与えることで人間の少女を精霊に変えてしまう謎の存在〈ファントム〉の実在が確認され始め、"隣界"より現れる精霊と同等の脅威となった人物も登場する様になった。
また魔術の世界においては、全身に魔力処理を施し人工的に精霊に近い力を発揮する手法も確立されており、崇宮真那などがその被検体である。
ただしその代償は生命力を大幅に失い、寿命を著しく削ってしまうとされている。
ちなみに、八舞姉妹のように何らかの要因でこちらの世界に現界した際、1個人が2つに分かれ、それぞれ分かれた肉体がそれぞれ別の人格を持つことが確認されている。おそらく何だかの原因で体内の霊結晶が2つに分かれたことが原因だと推測されるが詳細は不明である。
なお、別れた2人は霊力を封印しない限り、どちらか片方が主人格となり再び1つに統合しなければ、いずれは存在その者が消滅してしまう危険性が有るらしい。
なお、世界間の移動には体に相当の負荷が掛かるということが9巻にて語られており、八舞が2人に分かれてしまった原因もそれが理由だと推測される。
外見上の特徴としては霊装以外には瞳がある。後述の人工精霊を除けば全ての精霊と天使を使ってる時の士道は瞳の中に雫があるような特徴的な瞳をしている。
これは人間から精霊と化した自覚がある精霊と士道の場合は特に顕著で、逆に当人に自覚の無かったケースでは瞳が精霊のものではなく、自覚後に瞳のエフェクトが変化している。
また、公式設定かどうかは不明であるが、一部の精霊たちは炭酸飲料を摂取すると、酔っぱらってしまう模様(デート・ア・パーティーより)。
精霊たちがこちらの世界に現れる発端となった原因については、ウェストコット、エレン、ウッドマン、カレン、令音、以上五名が何らかの事情を知っているものと推測され、士道の存在と何らかの恋愛が深く係っているものと憶測されている。
そのほか、空間震についても本人の意思に関わらず、何らかの要因でこちらの世界に"引き寄せられた"際に起こるものであり、自身の意思でこちら側に現れた際には発生しなかった(便宜上静粛現界と呼ばれる現象)事が判明している。
個体一覧
「生命の樹(セフィロトの樹)」の順に並べています
各人物の詳しい詳細は該当リンク先を参照
凡例
〇=反転体へと変質したことが有る人物
☆=人間から精霊と化した自覚がある人物
△=イレギュラー精霊とは似て非なる存在
□=人工精霊
×=準精霊
十大精霊+α
0 アイン『無』
00 アイン・ソフ『無限』
000 アイン・ソフ・オウル『無限光』
霊装名:???
天使名:〈 〉(アイン)
天使名:輪廻楽園(アイン・ソフ)
天使名:万象聖堂(アイン・ソフ・オウル)
※原初の精霊である崇宮澪は3つの天使を持っている。
第1のセフィラ、ケテル『王冠』
鳶一折紙(☆、〇)
霊装名:神威霊装・一番(エヘイエー)
天使名:絶滅天使(メタトロン)
第2のセフィラ、コクマー『知恵』
本条二亜(☆、〇)
霊装名:神威霊装・二番(ヨッド)
天使名:囁告篇帙(ラジエル)
第3のセフィラ、ビナー『理解』
時崎狂三(☆、〇)
霊装名:神威霊装・三番(エロヒム)
天使名:刻々帝(ザフキエル)
第4のセフィラ、ケセド『慈悲』
霊装名:神威霊装・四番(エル)
天使名:氷結傀儡(ザドキエル)
第5のセフィラ、ゲブラー『峻厳』
五河琴里(☆)
霊装名:神威霊装・五番(エロヒム・ギボール)
天使名:灼爛殲鬼(カマエル)
第6のセフィラ、ティファレト『美』
星宮六喰(☆)
霊装名:神威霊装・六番(エロハ)
天使名:封解王(ミカエル)
※一瞬反転化している
第7のセフィラ、ネツァク『勝利』
霊装名:神威霊装・七番(アドナイ・ツァバオト)
天使名:贋造魔女(ハニエル)
第8のセフィラ、ホド『栄光』
霊装名:神威霊装・八番(エロヒム・ツァバオト)
天使名:颶風騎士(ラファエル)
ただし2人に分離した際。天使も2つに分かれており、2人それぞれの名称は異なる。
耶倶矢:穿つ者(エル・レエム)→颶風騎士(ラファエル)の矢の部分。
夕弦:縛める者(エル・ナハシュ)→颶風騎士(ラファエル)の弓の弦部分。
※反転した事実はなくなっている
第9のセフィラ、イェソド『基礎』
誘宵美九(☆)
霊装名:神威霊装・九番(シャダイ・エル・カイ)
天使名: 破軍歌姫(ガブリエル)
第10のセフィラ、マルクト『王国』
夜刀神十香(〇)
霊装名:神威霊装・十番(アドナイ・メレク)
天使名:鏖殺公(サンダルフォン)
その他亜種精霊
園神凜祢(△)
霊装名:???
天使名:凶禍楽園(エデン)
或守鞠亜(□)
霊装名:???(疑似霊装(仮))
天使名:???(〈フラクシナス〉の防衛機構(仮))
或守鞠奈(□)
霊装名:???(疑似霊装(仮))
天使名:???(凶禍楽園)
※展開次第では凜緒から力を引き継ぎ、行使できるようになる。
万由里(△)
霊装名:???
天使名:雷霆聖堂(ケルビエル)
園神凜緒(△)
霊装名:???
天使名:凶禍楽園(エデン)
緋衣響(×)
霊装名:???
天使名:〈王位簒奪(キングキリング)〉
※劇中名称が明かされていなかったり一部の未登場キャラの霊装名については法則性より推察
反転体
精霊及びその霊力を扱えるようになった人間がの精神が、急激に深い絶望に塗りつぶされた際、体に宿った“霊結晶の反転”という現象が起きることで変質した姿(詳細は不明だが、最初に反転した十香をモニタリングしていた際、霊力がマイナス値を示していた)。
狂三曰く手遅れの状態に陥った姿で、現世に問いする事柄が全て「虚無」となり記憶の一切を失う、または人格そのものが入れ替わり、冷酷無比かつ周りの物を破壊しつくす、あるいはその場にいる敵対する者と認識したものを排除するのみの存在へと化してしまう。
そのため、元の姿と人格に戻すにも、想像以上の危険や困難が伴う事になる。
また、この姿になると普段纏っている霊装や“天使”も劇的に変化し、霊装は暗色の鎧へと、“天使”も“魔王”と呼ばれる闇色に染まったものへと変化し、能力も若干変質する。
シリーズ内で反転体の姿や能力が判明しているのは十香、折紙、二亜、狂三の4名。また、八舞姉妹も描写自体は存在し、琴里は一定時間力を行使すると似たような現象が起こるリスクを持つ。
初めてまともに話し合いをすることとなった反転十香によれば、反転体が精霊の本来の姿とのこと。士道達が思っていた前提がそもそも逆で、人の世のものではない霊結晶はそのままだと人間を蝕みすぎるために、自らの力を分割することで霊結晶を創造した原初の精霊によって調整されたのだという。反転体の人格の正体とは霊結晶の化身そのものである。
人工精霊
PS3専用ゲーム版第二弾「デート・ア・ライブ 或守インストール」のみに登場するDEMが幽閉していた精霊のデータ、もしくは霊力をベースとして生み出したデータ生命体。
瞳は正規の精霊と異なり、レンズが浮かんでいるような瞳をしている。
霊力を持ったデータ(コンピュータウイルス)ともいえる存在で、実体は持ってはおらず、電脳世界でのみ活動できる存在。直接現実世界に干渉することは出来ず、人と触れ合う事すら許されない。
そのため、それらに対して無意識下で強い願望と憧れを抱いており、また、同時に生まれたばかりの存在であるため、自身を生み出した存在に認められる事に強い渇望を抱いている。
その人物の命でラタトスクの壊滅を企み行動を開始するが、士道に接触している内に少しずつその感情に変化が生じていくことになっていく。
このカテゴリーに該当するのは現在の所、或守鞠亜と或守鞠奈の2名のみであるが、厳密にはオリジナルは鞠奈のみである。
システムケルブ
劇場版「デート・ア・ライブ 万由里ジャッジメント」に登場する精霊と似て非なる者。
隣界から現界する精霊に対し、明確なこの世界のシステム側の存在というかなり異例な存在で、1つの器に一定量の霊力が集約された際に、その器となった者がそれだけの強大な霊力を持つに相応しい者かどうか=精霊たちを心から愛し大切に思っているかを見極めるために現れる。
なお、世界システムの一環とはいえ自我は持ち合わせている模様。
現在の該当者は万由里のみ。
準精霊
スピンオフ小説「デート・ア・バレット」に登場する、霊結晶の欠片を宿し"隣界"に住まう少女達の総称。
外見的特徴は精霊同様通常の少女達とあまり変わらず、正規の精霊の"天使"と"神威霊装"ではなく、"無銘天使"と"霊装"を武器と鎧にしている。
それぞれの能力は正規の精霊10体に対応する形で第一霊属、第二霊属など十の分類で分かれ、それらに対応して劣化した能力を有している場合が多い。
正規の精霊とは出力には決定的に差があり、人間が背伸びしたレベルが準精霊、災害クラスは正規の精霊に例えられる。ただし、特化した方面によっては正規の精霊にも通じうる力を持った者も存在する。
生きる夢を無くした準精霊達はエンプティと呼ばれる人形同然の空っぽの状態になり果ててしまい、やがて"隣界"に解け果てて消滅する運命にある。
なお、何故彼女たちが霊結晶の欠晶を宿し、隣界へとやって来る事になったのかは今の所明かされていないが、シリーズで明かされた謎を読み解くとその真相がある程度推測できるようになっている。
霊装は神威霊装とは違い、光のヴェールで構成されておらず、霊装の番号が三桁代であるのも珍しくない。
霊属は以下。正規の精霊の権能の一端もこの霊属で明示されている。
第一霊属(光)、第二霊属(情報)、第三霊属(影)、第四霊属(氷)、第五霊属(炎)、第六霊属(封印)、第七霊属(変化)、第八霊属(風)、第九霊属(音)、第一〇霊属(物質)
隣界
精霊達が元々いる場所とされる現実世界の隣にある世界。
現実世界ではないために通常の物理法則から離れており、目的意識を持たないとそこにいる者は消滅する運命となってしまう。
十の領域が階層ごとに構成されており、隣界から脱出しようとするならば十の領域を踏破する必要があるという噂が流れている。
元々、それぞれの領域は精霊達が支配していたが、彼女らが現実世界から戻ってこなかったため支配者(ドミニオン)と呼ばれる、最も正規の精霊に近い準精霊達がそれぞれの領域を支配するようになった。
第一〇領域だけでも2800人もの準精霊がその支配者の犠牲となっており、十の領域の単純計算では28000人以上もの準精霊が隣界に住んでいるということになる。
それぞれの領域は方針が違うらしく、修羅の国と言えたのが第一〇領域、アイドル活動によって自らを生き残らせる方針である第九領域、内乱状態にあるという第八領域、策謀渦巻く第七領域、常に炎が猛威を振るう第五領域など。
また、推測の域をでないが、各領域ではその領域に属する精霊たちの境遇や立場に準じた性質の目的意識を持った精霊たち(例えば第一〇領域では戦いに喜びを見出すものが誕生しやすい、第九領域では歌って踊る強者たちの条件など)が生まれやすい傾向がある模様。
その他の特徴について
それぞれの精霊は「生命の樹(セフィロトの樹)」の各セフィラに対応し、霊装と天使はそれぞれ対応するセフィラの神名と守護天使に由来する名称を持つ。
また、各々の名前の一部に入れられている数字がセフィラが、そのセフィラが表す数字を表している。
また、反転体時に顕現する“魔王”はそれぞれの精霊の「生命の樹(セフィロトの樹)」を上下反転させた「邪悪の樹(クリフォト)」において対応する、悪徳と悪魔に由来する名称を持っている模様。
例:「生命の樹」の10のセフィラはマルクト。マルクトの神名は「アドナイ・メレク」、マルクトの意味は「王国」、守護天使は「サンダルフォン」。
「邪悪の樹」において対応するのは10i(iは虚数単位のこと)の位置にある悪魔「ナヘマー」。
対応する「十香」の霊装は「〈神威霊装・十番(アドナイ・メレク)〉」、天使は「〈鏖殺公(サンダルフォン)〉」で、ウェストコットが彼女を指したのは「王国」、反転体時の魔王は「〈暴虐公(ナヘマー)〉」と言った具合である。
関連イラスト
関連タグ
※以下、物語の確信的なネタバレ
全知の天使により、出会った時点で全てを把握していた二亜によると、その実態は基本的に全員が元人間だったという。
生粋の精霊だと思い込んでいた二亜が自分がかつて人間であったことを思い出したことから推察すると、生粋の精霊だと思われた精霊達は霊結晶を得た後に人間としての記憶を消されていた模様。
そして元々精霊とは〈ファントム〉にして始原の精霊である崇宮澪ただ一人を指す言葉だった事。
そのままの状態で人間に託すと猛毒になる反霊結晶を霊結晶へと精製する為に、ろ過装置として“素質ある人間の少女”たちに霊結晶を渡したことで生まれたのが現在の精霊たちであった事や、その過程で数多の少女たちがその命を失った事。
そこまでした目的が、ある特定の人間に霊結晶を託し、その先にある結果を期待しての事だった等の事実が明かされていった。
また、過去に始原の精霊を作り出したウェストコットの目的は澪と全く一致しておらず、両者は敵対関係にあること
精霊たちが持つ“霊結晶”を世界の法則を覆す力を秘めた、“反転した霊晶石”“反霊結晶(クリファ)”を手に入れ、それを使って世界を作り変えることにあり、精霊たちを狙うのも“霊結晶”を手に入れる、あるいは、“反転した霊晶石”を手にいれるため、彼女たちを深い絶望へ叩き落とすことだと推測される。
士道の封印とは別に、霊力を完全に捨て去るためには霊結晶を排出するしか無いが、精霊単体が全力状態となっても不可能。それは死亡を前提としない手段の場合でありウェストコットは殺害してでも得ようとしている。
対して、〈ラタトスク〉側は精霊を死なせることなく霊力を完全に排出して捨て去る方法として士道に現在確認されている全ての精霊の霊力を封印し、超高密度になった霊力を士道から霊結晶として排出させることが、霊力を捨て去る方法として想定されている。