概要
余命半年を宣告された”ぶっさん”こと田渕公平元キャプテンが、かつて木更津第二高等学校野球部に在籍していたメンバー達と珍騒動を引き起こす!というのがメインドラマである。
都会への憧れを抱きながらも、様々な理由で地方から出られない若者達の鬱屈した思いや、ヤンキーとして地元への愛着を抱き続ける者達のドラマがカルト的な人気を獲得した。
2度にわたる映画化も果たし、今でも木更津に訪れるファンは少なくない。放送終了から10年も経ってるのだが、いまだに人気の衰えない怪作である。
実験的要素
ドラマの一話分を野球のイニングに例え、本編のストーリー(「○回表」)が終盤に差し掛かると場面が巻き戻り別視点の「○回裏」が始まり、本編の裏で起こっていた事の説明がなされる。
映画
木更津キャッツアイ 日本シリーズ
TV版最終回から半年後、ぶっさんが22歳で亡くなるまでの間の出来事を描いた作品。
木更津キャッツアイ ワールドシリーズ
シリーズ完結編。
ぶっさんの死から三年後、市の職員となったバンビはぶっさんの声に導かれ、とある事件で離ればなれになった木更津キャッツアイのメンバーを招集する。
登場人物
木更津キャッツアイ
ぶっさんの余命半年を受けて結成された怪盗団。
ぶっさん(田渕公平)
演:岡田准一
悪性リンパ腫で余命半年を宣告された主人公。
グループのリーダー格で酒や野球に明け暮れる毎日を送る。
野球漫画とVシネマをこよなく愛し、特に哀川翔の大ファン。
実家は理髪店の「バーバータブチ」。無免許ながら研究熱心で理容師としての腕も良い。
木更津キャッツアイでの背番号は「1/2」(余命半年だから)。
バンビ(中込フトシ)
演:櫻井翔
野球部の元エースでメンバーで唯一の大学生。
当初は県大会決勝でのミスプレーを巡りぶっさんとは険悪な状態だった。
高校以来モー子に想いを寄せている。
背番号は「0」(童貞だから)。
マスター(岡林シンゴ)
演:佐藤隆太
バー「野球狂の詩」の経営者でアフロが特徴。メンバー唯一の既婚者。
背番号は「5」(営業時間が朝5時までだから)。
アニ(佐々木兆)
演:塚本高史
写真館の息子のニート。
弟の純が優秀なため周囲からは「純の兄」としか認識されていないのが悩み。
後に木更津第二の野球部監督に就任する。
背番号は「777」(ギャンブル好きだから)。
うっちー(内山はじめ)
演:岡田義徳
一年留年しているため他のメンバーより一つ年上。
上手く喋れず素行も怪しい天然キャラ。よくメンバーとはぐれるため「裏」で活動している事が多い。
当初は長髪だったが、怪盗団結成を機にイメチェンを図りバーバータブチに行ったら逆立ったモヒカン頭にされてしまった。
背番号は「?」(謎の多い人物だから)。
その他のレギュラー、準レギュラー
猫田カヲル
演:阿部サダヲ
木更津第二高校野球部の監督にして草野球チーム「キャッツ」の監督兼選手。
上に弱く下に強い小心者で嘘をつくとネズミ顔になる。
オジーの死を巡り暴力事件を起こし収監される。
山口
演:山口智充
保険代理店を営むヤクザ。
猫田とつるんで金儲けを企むが毎回失敗する。
モノマネが得意で「モノマネ教室」の講師をするほど。また、木更津の様々な情報に通じている。
モー子
演:酒井若菜
ぶっさん達の同級生。
美礼先生(浅田美礼)
演:薬師丸ひろ子
木更津第二高校の古文教師。通称「マドンナ先生」。
生徒との軋轢や教頭のストーカーからくるノイローゼで奇行に走り、中盤では学校を休職していた。
いつも着ている白衣は大学時代の先輩の形見。
オジー(小津裕次郎)
演:古田新太
アル中のホームレス。その笑顔は見た人を幸せな気分にさせるため「木更津の守り神」と慕われる。
元は山口の先輩で野球部のエースだったが、ピッチャー返しを額に受けた後遺症で現在に至る。
同じく野球部に所属する双子の兄がいたが、オジーの才能を妬んだ先輩のいじめで退部して荒れた生活を送り、トルエン密売に絡むトラブルで死亡。
中盤で正気に戻りトルエン売買に関わる暴走族を叩きのめし、黒幕のシガニー小池を襲うが返り討ちで殺害される。
死後も何度か「死者の声」としてぶっさんにアドバイスを送る。
田渕公助
演:小日向文世
ぶっさんの父親。誰よりも息子の体調を心配している。
ぶっさんを「公平くん」と呼び、ぶっさんからは「公助」と呼び捨てにされる。
理髪店の経営者だが実は無免許(亡くなった妻のものを使用している)で腕もあまり良くない。
後にローズと再婚する。
二代目木更津ローズ
演:森下愛子
ストリップ劇場「木更津ホール」の看板ストリッパー。
ヘルニアを患い半ば強制的に引退。後に公助と結婚する。
後述の氣志團全員の母でもある。
佐々木純
演:成宮寛貴
アニの弟。プロ入りを嘱望される野球部のエースピッチャー。
店長(帯谷)
演:嶋大輔
リーゼントヘアーが特徴で、登場する時には「男の勲章」が流れる。
主なゲスト
本人役。
木更津に釣りに来た時にキャッツのメンバーと意気投合する。
ファンのぶっさんの男気にほれ込み何かと力を貸してくれる。
小峰社長
演:ケーシー高峰
木更津一の高額納税者で男色家。
インチキ賭け麻雀でアニに借金を背負わせ犯そうとした。
シガニー小池
演:ピエール瀧
木更津におけるトルエン密売の元締め。
宝石の密売や愛人を主役にしたインチキディナーショーなども行う。
このドラマでは「甘えん坊ハウス」という孤児院で育ったタネ違いの兄弟。
早乙女光がうっちーの同級生だった縁で、木更津キャッツアイと協力して事務所社長がピンハネしたギャラを取り戻す。
うっちーの父
演:渡辺いっけい
常に英語で話しクルーザーの中で生活している謎の人物。
実はCIAのスパイ。
犬島くん
演:中村獅童
殺し屋のような目をしたスキンヘッドの男。正体は収監された猫田が自分の代理として呼んだ後輩。
投げたボールを先回りして自分で打つなど驚異的な身体能力を持つが、野球のルール等はあまり理解していない。
リトル山田
演:妻夫木聡
プロ野球選手。ぶっさんの中学時代の同級生。
球団オーナーの娘と結婚するため、スキャンダルの証拠品の回収を怪盗団に依頼する。
TV版エピローグでは結局オーナーの娘と破談した事が新聞に書かれていた。
映画版の登場人物
日本シリーズ
微笑みのジョージ(村田ジョージ)
演:内村光良
美礼先生の同級生。やっさいもっさいの名手で生徒会長も勤めた人気者。
しかし、小峰社長に度々さらわれた上、手先の器用さから偽札作りに加担して警察の御用となる。
木更津に戻った際に偶然目にしたバンビの写真を元に特殊メイクのマスクを作るが、手違いでオジーの顔になってしまった。
ユッケ
演:ユンソナ
山口が韓流ブームを予見(実際にはすでに来ていた)して立ち上げた韓国パブのホステス。
ぶっさんと恋仲になる。
黒モー子
演:酒井若菜(二役)
キャッツアイが漂着した南の島の女部族のリーダー。
「やまくらさん」なる人物から日本語を教わっている。
モー子の父
演:船越英一郎
プロのオカリナ奏者。
TV版でも存在のみ語られた。
ゴミンゴ
木更津の海に溜まったゴミが集合して生まれた怪獣。
30年後の木更津キャッツアイ
演:中尾彬(バンビ)、渡辺哲(マスター)、岩松了(アニ)、渡辺いっけい(うっちー)
「野球狂の歌」に集まり思い出話をする(だが、これは映画版一作目での設定である)。
岩渕
演:岡田准一(二役)
宅配ピザの従業員。
生前のぶっさんに瓜二つな事から度々キャッツアイに配達を指名される。
ワールドシリーズ
杉本彩子
演:栗山千明
ドSな女自衛官。
自衛隊を脱走したうっちーを追っている。
終盤ではうっちーと恋仲になった。
ゾンビたち
数十年前に日米親善高校野球に参加するも帰りの船が沈没して死亡。その後、不思議な力によりぶっさん、オジー共々生き返る。
リーダー格の青年(演:橋本じゅん)は日系人で一応日本語が話せるが、言葉のあちこちに「ようするに」を付けるなど文法は怪しい。
ミニミニオジー
演:MUC
オジーに風貌が似ている事から山口に雇われバー「OZZY'S」のマスターとなる。
過去に入院中のぶっさんと意気投合してラップを製作した。