等脚目に属する陸生甲殻類のうち、体を丸めて防衛する種類の総称。
特徴
大豆を半分に割ったような楕円で丸い体を持ち、危険が迫るとアルマジロのように体を丸めて全身を甲羅で包み込む。
この姿からダンゴムシと名付けられたほか、マルムシ、ボールムシなどとも呼ばれる。
体は頭部・胸部・腹部に分かれていてるが、昆虫ほどはっきりとした違いはない。
色は鈍い光沢を持つ黒に近い灰色から赤茶、白など。
黄色い点が並んでいるのは主にメス(稀に似た模様のあるオスが出ることもあるようだ)。
幼生は真っ白い体で、徐々に色が濃くなっていく。
主に落ち葉を主食としており、腐肉に群がるといった事も珍しいが、実は魚肉を非常に好む。そのため自然界の分解者としての役割が強いが、新鮮な葉も食べてしまうため害虫扱いされることもしばしばある。
我々がダンゴムシと言うのは大抵オカダンゴムシの事であり、実はヨーロッパ原産の外来生物である。(土着のダンゴムシも一応いたりする。)
隙間にもぐりこむ性質があり、庭の石の下とかによくいる。
また、甲殻類故か、海岸に住むハマダンゴムシという種類も存在しており、こちらはバリエーションに富んだカラーリングが特徴となっている。
なんと、ダンゴムシは火を通す事で食べる事が出来る。が、あまり美味しくはないらしい…。あくまで非常用のタンパク源として食すのが妥当だろう。
ダンゴムシと迷路
ダンゴムシに迷路を解かせるという動画をしばしば見かける。実はこれ、迷路の方にタネがあって、左右左右左右と方向転換を繰り返せば必ず解ける迷路なのだ。
実はダンゴムシには特殊な記憶能力があり、最初に左に向かせると、次に障害物にぶつかったときは高確率で右に曲がる。そしてまた障害物にぶつかると今度は左に曲がる、という単純な論理で行動していたのだ。ときに迷路のようになる地表や地下においてダンゴムシ程度のキャパシティの脳でそれなりにうまく行動するための「生きるための知恵」なのだ。
このように動物の行動は一見複雑であるかのようで、実は複雑だったのは「周囲の環境」であり、動物自身の行動は以外と論理的なのだ。これに気づいたアメリカの人工知能学者ロドニー・ブルックスは単純な論理回路で迷路や散らかった部屋で効率よく行動するためのアルゴリズム「サブサンプション・アーキテクチャ」を完成させ、独立後設立したiRobot社の掃除ロボット「ルンバ」にこれを組み込む。その後「ルンバ」が世界的大ヒットになったのは言うまでもない。
なおダンゴムシはおよそ15cm以上歩くとさきほど曲がった方向を忘れてしまい、次に障害にぶつかった時どちらに曲がるかは半々となる。
ダンゴムシをモチーフとしたキャラクター
- パワーハッグ(ビーストウォーズⅡ)
- ダンゴロン(ビーロボカブタック)
- ツチノコのト稀ヅ(天装戦隊ゴセイジャー)
- グスタフ(ゾイド)/ヴァルガ(ZOIDS)
- タック&ロール(バグズ・ライフ)
- ダンゴール(冒険王ビィト)
- くるりん!ダンゴム
その他
まさかのカプセルトイ化
2018年6月、バンダイが突然このダンゴムシのカプセルトイの発売を発表した。
しかも、カプセルレスということで、おそらくそのまま丸まった状態で出てくる。
そのサイズは直径74mm、広げると全長140mmとなり、驚異の実物の1000%サイズ。
なんでも虫が苦手な開発担当が研究を重ね、2年の歳月をかけて完成させたという狂気ともいえる代物となっている。
カラーバリエーションは黒、青(ウイルスに感染した個体)、白(アルビノ)の3種類。
一回500円で、8月から稼働するという。