もしかして→浜渡浩満
南総里見八犬伝の登場人物→船虫
概要
等脚目フナムシ科に属する甲殻類の一種。またはフナムシ科に属する生物の総称。
体長5cmほどで平たく、楕円形で長い触角があり、海辺の岩場やテトラポッドなどを群れをなして素早く走り回り、遠目ではゴキブリのように見える。
英語ではwharf roach(ウォーフローチ)で、直訳すると埠頭のゴキブリであり、日本にもゴキブリと同じ方言で呼ぶ地域がある。
名前の由来は船に侵入してくることから。
非常に敏感かつ素早いため捕獲は困難。浜辺で寝そべっていると死体と間違えて噛み付いてくることもあり、まあそれはもうキショイキショイ。間違っても海水浴の時にこいつのいる岩場に近づかない事。もれなくフナムシの大群と出会して地獄を見る。
腹肢の内側の内肢が「血液鰓」となっており、常に水分を供給されて湿った状態に保たれ、空気中の酸素を溶け込ませて鰓呼吸する。このため暗く湿った場所を好み、普段は岩陰などに潜んでいる。鰓呼吸ではあるものの、海水の酸素濃度はフナムシにとっては不足なので海中では長く生きられない。水に入ると多少は泳げる。
雑食性で主に生物の死骸や打ち上げられた海藻類を食する。見た目はグロいが浜辺の掃除をしてくれている掃除屋。天敵は鳥や蟹など。水に落ちた個体は魚にも捕食される。
磯浜の魚に捕食される性質からタダで手に入る優秀な万能釣り餌としても知られている。ペットボトルなどの罠を仕掛けて大量に捕獲しておけば餌代を使わず釣りができる。ただしその場合大物小物問わず様々な魚が食いつくため釣りたい獲物を狙って釣る場合には向かない。
食用について
魚が食べはするので食べる事自体は一応可能だが、腐敗物を主食にしているのが原因か、味も見た目もゲテモノ系の中でもワーストレベルの不味さと言われている。
食べた方々の感想は以下の通り。
- 内臓から磯臭さを凝縮したような強烈な腐敗臭がする(人によっては排泄物のような臭いとも)
- いつまでも口の中に残る強い苦味
- ジャリジャリと不快感を覚える食感
一方、これらの酷評はしっかりとした下ごしらえをせずに食したからという意見も存在し、ワタ抜きや酒漬けによる消臭殺菌といった処理を施せば口に入れられるレベルには改善できるとの事(なお、おススメの調理方法は炒めるか焼くかのどちらかだそうな)。
とは言え、食べる場合はあくまでも自己責任で。
そもそもここまでやってやっとなんとか食べられるというレベルなので、本来人間が食べるには適さない生物である事は明らかである。川魚でも食う方がまだマシ。