概要
ダンゴムシやワラジムシ、フナムシ、グソクムシなどと同じ等脚目に属する甲殻類である。
非常に多くの種類があるが、いずれも硬骨魚類の口腔内に寄生する。
宿主によってタラノエ、タイノエなどと名前がついている種類もあるが、特に名前がなく学名しかついていない種類も多く、そもそも未発見の新種のため学名さえついていない種も多数あると推測される。
アニメ・スローループにおいて、海凪小春らが文化祭で展示した寄生虫の模型の中に、魚の口から顔を覗かせている白いのが描かれていたが、これがこのウオノエである。
特徴
つがいで寄生する。先に寄生した方がメスに成熟し、後で寄生した方がオスに成熟する。成熟過程で宿主の舌から栄養を吸い取って壊死させ、自らがその位置を占有する。基本的に移動することはなく、宿主の死と同時に自身の生涯を終える種が多い。
種としてのウオノエ
害
食用にならない頭部に寄生することから、人が誤って食べてしまう危険は低く、アニサキスなどとは異なり特に人体に害を及ぼすことはない。
誤って食べてしまっても無毒であり、このイラストにようにヒトに寄生することもない。
むしろ、珍味として食用にする地域もある。
ただし、甲殻類であるため、エビやカニにアレルギーのある人が食べた場合は同様にアナフィラキシーを起こす危険がある。
前述のつがいで生涯を寄り添い続ける生体的特徴から、かつては夫婦円満につながる縁起物とされ、地域によっては結婚式においてタイノエに寄生されたタイを振る舞うことが通例であった。
ただし、寄生されたアジやタイは寄生されていない個体に比べ衰弱が激しく、風味は劣ることが多い。
大量発生した場合は宿主の個体数の減少を招き、水産資源の持続可能性に対する脅威たりうる。当然、死亡する宿主の個体数の増大により、漁獲高にも影響する。