レプリロイドとは、『ロックマンX』シリーズに登場する高度なAIを搭載したロボットの総称である。一部作品では「疑似生命体」と字が当てられる事もある。
続編的な位置づけにある『ロックマンゼロ』シリーズ、『ロックマンZX』シリーズにも同様の概念が存在する。
概要
語源はレプリカ+アンドロイド。主人公であるエックスを始め、シリーズに登場するキャラクターはほぼレプリロイドで占められている。彼らは自らを指して「レプリ」と呼ぶこともある。
ドクターケインによってエックスのデータを元にして作られているが、エックス自体がオーパーツとも言うべき超技術の塊であり、そのすべてを完全に解析できているわけではないため、エックスのコピーというわけではない。
外見は大きく分けて3タイプに分類される。
エックスやゼロ(そして恐らくサーゲスとアイゾックも)など、レプリロイド誕生以前に製造された「古代ライト文明」時代のロボットも作中でまとめてレプリロイド扱いされてはいるが、厳密には本来の定義(エックスを元に作られた)からは外れている。
岩本佳浩作「ロックマンX4」では、進化の袋小路に陥った人類が地球上の生物を模した機械を作ることで新たな進化を求めた、と解説されているが、公式設定であるかは不明。
おそらくは8大ボスが実在の動植物型で占められていることの理由付けと思われるが、他でもないこのX4で初の架空の生物型のボスが登場している。
思考回路に不具合が生じるなどして、危険分子と認定されたレプリロイドはイレギュラーとして扱われる。
原則として作られたままの姿で変わる事はないが、「ロックマンゼロ」では若者の姿から老人の姿に変えてもらったレプリロイドもいる。
ザコ敵として出てくる単純な思考ルーチンしかもたないロボットは、メカニロイドとして区別されている。
ZX時代になると殆ど通常の人間(ヒューマロイド)と見分けがつかなくなっているので、額に赤い逆三角形のマークを入れて区別している。(飼い犬型レプリロイドにもこのマークがある。)この頃になるとレプリロイドも寿命が設定され、決して無制限に活動可能ではなくなっている。(三賢人など例外あり)
なお、レプリロイドのオリジナルといえるエックスが製造された100年前の「ロックマン(無印)」の時代には、既に明確な自我を持ち、果ては趣味嗜好までをも持つロボット達が存在していたはずなのだが、エックス封印から100年もの間に何故その技術が途絶えていたような描写だった。
これは小説「ロックマンX ザ・ノベル」によると幾度無く続いた思考型ロボット同士の戦い、つまりロックマンとワイリーの戦いが原因で思考型ロボットの開発が暗黙の内に行われなくなってしまったからだと言われている。
派生種など
新世代型レプリロイド
ロックマンX8にて登場。
DNAデータを利用する事で、誰にでも変身できるといった性能を持つレプリロイド。しかし、その変身可能な範囲にはシグマのDNAも含まれているため、イレギュラー化する危険性も大いに孕んでいる。
なお、アクセルは新世代型レプリロイドのプロトタイプである。
X8の事件後、一時的に新世代型の要であるコピーチップの製造が停止されたが需要の大きさ故に数年後に厳重なプロテクトを施したうえで再開された。
ミュートスレプリロイド
ロックマンゼロシリーズに登場。
ネオ・アルカディアの中でも特に地位の高いレプリロイドの総称で、「ミュートス(神話)」の名前を取っているように、その個体のほとんどは神話などに登場する怪物や神がモデルとなっている。
その立ち位置上、Xシリーズにおけるイレギュラーハンターとほぼ同意義の存在だが、いくつかの個体はレジスタンスに加担したゼロによって倒されたり、ドクターバイルに改造されてイレギュラー化してしまっている。
必ず四肢が存在していたXシリーズのレプリロイド(8ボス)とは異なり、モデルの生き物に忠実な造形になっているのが特徴。また、ロックマンゼロ3に登場するバイル八審官は司法関係者という役職上、戦闘形態とは別に人間形態が備わっている。
半レプリロイド化
ロックマンゼロシリーズに登場。
「不死の刑」の別名であり、機械化手術でレプリロイドに近い体となった人間。早い話がサイボーグ。
記憶をプログラムデータに変換して肉体を再生機能を持ったアーマーと融合させる事で文字通りの不死となれるが、永遠の苦しみを与えるという目的であるため、対象となったドクター・バイルは自分の意志とは関係なく身も心も朽ちることができない地獄を味わわされる事となった。
ヒューマノイド
ロックマンゼクスシリーズに登場。
身体の一部を機械化した人間の事を指すが、ゼクスアドベントにて人間の身体と「レギオンズが用意した機械の身体」を交換する事によって成り立っていた事が判明した。
ゼクスアドベントにおけるヴァンとエールの姿がゼクスの頃より成長しているため、機械の身体でありながら通常の人間同様に成長する事が可能な模様。
作中では特に明記はなかったが、生身のままの人間もいると思われる。
同じくロックマンゼクスシリーズに登場。
ライブメタルの力を引き出すために作られたレプリロイドで、作中では「擬似ロックマン」とも揶揄されている。ゼクスではそれぞれのライブメタルを取り込んでいたが、続編のゼクスアドベントでは全員がモデルVの欠片を動力部分に組み込まれており、もはや存在そのものがイレギュラーと化している。