解説
「ゲルググJ」は統合整備計画によってゲルググを再設計し、性能向上させた機体。
形式番号はMS-14JG。
名目上はゲルググのバリエーションとされているが、その中身は指揮官専用の高性能カスタムMSである。
そのためデフォルトで隊長機を示すブレードアンテナが額に装備されているほか、レーザー通信用のアンテナもバックパックに装備している。
性能は非常に高く、一年戦争中に開発されたMSの中でも最高クラスの性能を有する機体の一つとされる。
地球連邦軍のRX-77ガンキャノンなどと同じく非常に高い射撃精度を誇るが、狙撃に特化した機体というわけではなく、あくまでも汎用機である。
専用に用意された大型ビームマシンガンは通常時はペレット状のビームを連射し、出力を上げて単発で発射することで当時最高クラスの威力を誇るスナイパーライフルとして使用でき、本機体の破格の照準精度と相まってその命中性は特筆すべきものとなっている。
ちなみに形状は旧ドイツの機関銃・MG42をイメージしたデザインとなっている。
また、スラスターの推力は全てのゲルググの中で最も高く、その総推力は通常のゲルググの軽く3倍以上を誇る(後年のリゲルグ、RFゲルググすら上回るほど)。
プロペラントタンクによる行動時間の延長の他、機動性重視のためにシールドを装備していないが、装甲は厚くそのままでもシールド装備と同等の防御力を持つ。
腕部にはビームスポットガンを内蔵しているとされているが、実際は未完成でバルカン砲や速射砲などで代用されている。
設定上はシュツルムファウストやジャイアントバズの運用も可能となっているが、映像作品やゲーム作品などを見ても実際に使用した描写のある作品は確認できない。
また、格闘戦用の武器に関する詳細も明らかになっていないが、遠距離狙撃のみに特化した機体ではないので、ビームサーベルを装備しているというのが定説である。
これがビームナギナタか、一般的なビームサーベルであるかは不明だが、ゲームでは後者を採用している場合が多い。
コミック「機動戦士ガンダム MSV-R 宇宙世紀英雄伝説 虹霓のシン・マツナガ」におけるシン・マツナガ搭乗機は、両腕部武装が「ビーム刃形成可能なビームガン」となっており、通常のビームサーベル1本も別に装備している。この設定が他のゲルググJに共通するものかは不明。
「J」は「イェーガー」(Jäger)の頭文字で、は元々ドイツ語で「狩人・猟人」を意味し、軍事においては「猟兵」という意味を持ち、洗練された優秀な兵士に与えられる称号であり、上記のような高性能さからその名を与えられた(特に前述のように射撃精度・照準精度が主な由来である)。
余談
劇中での登場シーンが少ない為か、ゲーム作品に登場した場合は性能にかなりの差異がある。
例
環境適性(汎用/宇宙専用)
腕部武装(無し/速射砲/ビーム・スポットガン)
格闘武装(無し/ビームサーベル/ビームナギナタ)
同一機体で作品毎にここまで違うのは珍しい。
ガンプラ
1/144スケールで『ポケットの中の戦争』展開時に発売された旧キット及びHGUCが発売されている。何れも武器は専用大型ビームマシンガンのみ。
プレミアムバンダイ限定でHGUC版シン・マツナガ専用ゲルググJが成型色変更及びビームサーベル付属(HGUCゲルググMにものと同じクリアパーツ一体成型)で発売されている。
関連イラスト
関連タグ
ザクⅡ改 リックドムⅡ ケンプファー ハイゴッグ ズゴックE
リゲルグ(型式がこの機体と同一である)
シン・マツナガ(ゲーム「めぐりあい宇宙」でのIFストーリーでア・バオア・クーでの決戦で白く塗装された専用機で出撃。また、コミック「虹霓のシン・マツナガ」でも異なる状況で同じく白い機体に搭乗している)