CV:大塚明夫/enCV:David Hayter
「いいセンスだ」
概要
『MGS3』の主人公にして、のちに「伝説の傭兵」と謳われることになるビッグ・ボスの若かりし頃のコードネーム。
1964年、当時29歳。FOXHOUNDの前身であるFOX部隊に所属するCIA工作員「ネイキッド・スネーク」として登場した。
後のメタルギアシリーズに大きな影響を与えることになる重要人物。
人物
1935年生まれ。本名はジョンでファミリーネームは不詳。ある通信でジョン・ドゥと名乗ったこともあるが、これはあくまでもシャレだと思われる(ジョン・ドゥはアメリカで身元不明の男性の死体を示す俗語)。
身長180cm(MGS3以降の設定、MGSでは192㎝)、体重89kg。愛煙家で葉巻を愛用。
1950年代初頭に伝説の兵士ザ・ボスの下に弟子入り。彼女が一時失踪するまでの約10年間、生死を共にする日々を送り、その間に彼女と協力して近接格闘術CQCを創り上げた。
ベトナムに於いてLRRP(長距離偵察作戦)に参加し、SOG(スペシャル・オペレーションズ・グループ)、グリーンベレー、ワイルド・ギースで活躍、70回以上のミッションを務めた。
上記のように軍事に関する知識、経験は実に豊富で名実ともにザ・ボスに最も近い兵士であり、「MGSPW」作中では生まれつき戦闘に適した人間が持つ「ソルジャー遺伝子」を持つのではないか、と推測されている。
後に「恐るべき子供達」計画によって誕生したソリッド・スネーク(デイビッド)達の遺伝子上のオリジナルであり、その容姿は20後半~30代半ば頃の彼とほぼ同一。
基本的にはクールでハードボイルドな人物だが、遺伝子操作されている後のスネーク達に比べるとかなりマイペースな性格。
有毒な生物でも手当たり次第に食べたり(しかも早食い)、通信の会話では天然ボケのような言動も見せている。他にもEVAの胸元に目を奪われたり、ダンボール箱を被ってその魅力に目覚めたり、ワニキャップで仲間のリアクションを期待したり、目立つ迷彩でザ・ボスをあきれさせたりとお茶目な一面もある。 さすがに迷彩のパターンである「NAKED」でのシギントとの会話で「裸になって気持ちいい」だの「下は脱げないのか?」と露出狂疑惑をシギントに思われてしまいさすがにドン引きされた。
果ては後年の相棒である「カズヒラ・ミラー」によれば全裸で戦場を暴れ回ったというとんでもない噂があった模様。ただ、この噂はカズヒラの悪ふざけで誇張気味だったようであり「一生そうやってろ」と呆れた様子で返している。
興味のない話は適当に聞き流すタイプで、軍事兵器や銃器への知識は豊富だが、科学的な知識には疎く、分かったふりをしたり、そっぽを向いたりすることも。
普段は映画を見るような性格ではないが、007は知っている(パラメディックとの会話から007は苦手なようだ)。
吸血鬼は苦手で、会話の話題として出るだけで悪夢に苦しめられるほど。
モデルはカート・ラッセル主演の映画ニューヨーク1997およびエスケープ・フロム・L.Aに登場する人物のスネーク・プリスキン、もしくはクリストファー・ウォーケン。
余談だが、バーチャスミッション中でパラメディックとの会話で先述の「ジョン・ドゥ(日本で言うならば名無しの権兵衛に近い)」を名乗った時、彼女から「まるでネモ船長ね」と返される。SF小説海底二万里の登場人物であるネモ船長の「ネモ」もまた「誰でもない=名無し」の意味であり、それをかけたものだと思われるが、スネーク役の大塚明夫氏は海底二万里をベースにしたアニメ作品「ふしぎの海のナディア」でネモ船長の声を演じていた。
劇中の活躍
METAL GEAR SOLID 3
東側の科学者ソコロフの奪回を目的としたFOX部隊の初陣『バーチャス・ミッション』に参加するが、同作戦に参加していた師であるザ・ボスの裏切りに遭い任務に失敗する。
一週間後、事態収拾の為に発案された『スネークイーター作戦』に参加し、ソ連へ亡命した「ザ・ボス」を任務の為やむなく殺害。
以降はボスの座を受け継ぎ、ザ・ボスを超える者として「ビッグボス」の称号を得た(この設定の為か、ゲームクリア時に表示されるリザルトの最高位の称号はこれまでのBIG BOSSではなくFOXHOUNDに変更されている)。
バーチャス・ミッションの最中、ザ・ボスと始めて対立した際にザ・ボスのバンダナを手に入れており、スネークイーター作戦以降はそのバンダナを身につけるようになる。
グロズニィグラードでヴォルギンによって捕虜となった際、EVAをかばうためオセロット少佐(後のリボルバー・オセロット)に体当たりし、暴発した彼の拳銃によって右目を失い、その後はトレードマークでもある黒い眼帯を使用している。
右目を失いながらも、EVAの協力でなんとか任務遂行に成功。全面核戦争の脅威から世界を救った。作戦終了後、自分の元から消えたEVAの残したカセットテープからスネークイーター作戦の真実を知ることとなる。
ザ・ボスを抹殺しなければならなかったことにはやりきれない思いがあり、本作戦の真相を知ったことで、勲章授与式でCIA長官から握手を求められた際は無言でこれを拒否した。
その後、オオアマナの花を携え彼女の墓標へ向かい、無言の敬礼とともに静かに涙を流した。
他のキャラにも言えることだが、シークレットシアターでの扱いは例によってかなりネタ要素が強い。「メタルギアシギント」では、サポーターとして同行したシギントに、ザ・ボスとの決着以外の見せ場を全て持っていかれ決着後には置いてけぼりを喰らい爆撃を受け満身創痍になりながらも自室に帰るも、シギントとEVAがいちゃついてるのを目撃し気絶、翌日のビッグボスの称号授与式では門前払いを受ける、「危機一髪」ではシャゴホッドのキャタピラに巻き込まれる(何故か無事だったが)、「根本的な誤解」ではオセロットに仕留められる、「ダメっ!」ではアンダルシアンに遭遇したが何故かいたパラメディックに説教される、「どうしてここに?」では授与式での握手に応じなかったのを根に持ったCIA長官とCQC対決をして敗北し握手するなど、本編ではかっこよかったのにどうしてこうなった。
METAL GEAR SOLID PORTABLE OPS
1970年。当時35歳。MGS3のときとは違い、少しシビアな性格になった。
スネークイーター作戦終了後ビッグボスの称号を捨てFOX部隊を除隊していたが、ジーン率いる現FOX部隊から「賢者の遺産」の在処の行方を知る人物とされ、コロンビアのサンヒエロニモ半島へ拉致監禁される。牢屋の相部屋にはグリーンベレー隊員のロイ・キャンベルが監禁されており、彼の仕組んだダクトから脱獄した。
脱獄後は元FOX部隊の医療係パラメディック・武器装備担当であったシギントと通信し、ゼロ少佐がCIAに捕らえられたという事とサンヒエロニモ半島メタルギア強奪事件の首謀者がビッグボス自身だとされている事を知る。ロイ・キャンベルの協力と現地のソ連兵を説得して仲間とし事件解決に導くことで、身の潔白を証明した。
事件終結後、スネークイーター作戦での経験やジーン達との対決を通じて、ザ・ボスのような『国家に忠を尽くすこと』への懐疑が決定的なものとなり、彼女とは違う生き方を模索するようになる。
なお、今作は正規ストーリーに含まれないパラレル作品とされている為に以降の歴史に今作の設定やストーリーはほとんど反映されていない。
METAL GEAR SOLID PEACE WALKER
サンヒエロニモ半島事件から4年後の1974年、当時39歳。
アメリカを出奔しMSF(国境なき軍隊) を率いて世界を放浪していたところ、コスタリカ平和大学のガルベス教授と生徒のパスから、軍を持たないコスタリカに侵入してきた謎の武装集団を撤退させてほしいという依頼を受け、カズヒラ・ミラー以下MSF隊員達と共に事件の解決に向かう。
ネイキッド・スネークのコードネームはこの時点で捨てたと語っており、本作では単にスネークと表記される。
ボスと呼ばれることは好んでおらず、隊員からボスと呼ばれるたびにスネークと呼べと訂正しているが、ボス・VICBOSS(勝利のボス)と呼ばれることが多い。
顔立ち自体はそれほど変わっていないが、以前よりも髪とヒゲを伸ばしており、仲間や部下からは「まるでチェ・ゲバラのようだ」と言われている。
尚、チュートリアルの時点で判明するが、『MGS3』にてザ・ボスの身体にあった縫合痕が、スネークの身体に付いている。
ドラマCD「平和とカズヒラのブルース」では、ミラーとの出会いが描かれている。
ダンボールについてミラー相手に熱く語っており、MSFの研究開発班がダンボール戦車を開発した際には、「作った奴に直接、礼を言いたい!」とまで言っている。
セシールの動物の鳴きマネにノリノリで付き合ったりするなどスネーク・イーター作戦当時ほどではないにしろ茶目っ気が戻っており、さらにサンタクロースを本気で信じていたことが明らかとなった。
ロシア語だけでなく、フランス語やネコ語まで使いこなせることも判明。
またリーダーとしての自分の資質に悩むアマンダを激励する他、泥酔したセシールに絡まれつつも慰めたり、パスに恋したチコの相談に乗ってやったり、カズに泣かされたMSFの女性隊員のためにカズを叱りとばしたりと非常に面倒見の良い一面を見せる。
MSF、FOXHOUNDの総司令を務めただけあり、人の才覚や能力を見極める力は確かであり怪我をおして作戦に参加しようとしたアマンダを「前線や現場にいて初めて能力を発揮できる人物」であると考え、あえて参加を許可している。
更に「MGS3」ではオセロットの射撃の癖や動きを短時間見ただけで、その適正や素質を見抜いた上でアドバイスしており「人を見る目」に関しても一級品の腕を持つ。
ピースウォーカーの最後の行動から「平和とは叶わない幻想だからこそ、兵士としての本能を超えて戦うことを辞め、銃を捨て、犠牲となって、祈り続ける」ことがザ・ボスの最後の意思だったという結論にたどり着くが、それは彼女に戦士として育てられたスネークにとっては自身の存在を否定されたことと同義であったがために、彼女の意志から決別することを決意。ザ・ボスへの執着の象徴であった遺品のバンダナをニカラグア湖へと投げ捨てた。
事件の収束後は自身を『ビッグ・ボス』である事を認め、拡大したMSFの独立と軍事的優位性を守るべく、メタルギアZEKEを開発・建造した。
そして謎の諜報勢力『CIPHER』が介入してきたことを切掛に、彼らと彼らが創りあげようとする世界の『規範』に対抗すべく、その外側にある兵士たちの楽園『アウターヘブン』を築くことを決意。際限無きMSFの拡大へと傾倒していく。
その後、EVAから送られたテープでバーチャスミッション以前、スネークの前から姿を消していた時期のザ・ボスの活動の真相を知る事になる。EVAとは互いに進む道が別々だったようだが、関係は完全には切れていたわけではなかった様で、テープを送ってきたあたりにビッグ・ボスの居場所かれこれは把握していた模様。
その後の詳細についてはビッグ・ボスを参照。
爆弾の戦場へ参戦
なんとスーパーボンバーマンRで「ネイキッド・スネークボンバー」としてまさかの参戦。しかもステージにマザーベースが用意される。
なお、このラスボスとビッグ・ボスが出会うという奇跡の展開である。