概要
CV:川澄綾子
演:高橋ユウ
第1部第六特異点『神聖円卓領域キャメロット』において炎に焼かれ乾きつくした荒野に立つ唯一の理想郷「聖都キャメロット」を統治する純白の王。
この地に襲来した十字軍を滅ぼし、聖地エルサレムの跡地に白亜の城壁に覆われた都を建設した。
主人公たちがこの特異点を訪れた時点で、その統治の始まりから半年が経っている。
消えない炎がこびりついた旱魃の大地、砂漠、草木に乏しい険しい山地のみが残された外界と異なり、城壁の中では水路は豊かな水をたたえ作物は豊かに実り、市場には活気が満ちている
都の正門では、半年に一度、外にいる難民を受け入れる「聖抜の儀」が執り行われる。
王が聖杯(ホーリーグレイル)の祝福を介して与えた「ギフト」を宿す騎士たちがこの都を守護する。
※ここから先は『Fate/Grand Order』六章に関わるネタバレがあります。
「人の根は腐り落ちるもの。
故に私は選び取る。決して穢れない魂。あらゆる悪にも乱れぬ魂。
――生まれながらにして不変の、永劫無垢なる人間を。」
正体
正史とは異なる経過を辿ったIFの世界のアーサー王ことアルトリア・ペンドラゴン。
長い年月をかけて聖槍の影響を受けた結果、神霊化が進み「女神ロンゴミニアド」と呼ばれる聖槍の化身となっており、その価値感は人間のそれとは変質してしまっている。特殊な召喚法を持ち、英霊の座に登録されている円卓の騎士をサーヴァントとして召喚できる。
魔術王の人理焼却による人類の滅亡を憂い、選ばれた人間を自らの聖都に保護しているが、彼女はただ「聖都キャメロット」の存続のみを優先し、自身が「ギフト」を与えた円卓の騎士たちを使い、自らの意に従わない人々をたとえ非戦闘員であろうと女子供であろうと容赦なく殺害する。
さらに、難民を受け入れる「聖抜の儀」では、彼女の統治に適応できる「魂」を持つ人間が選別され、その僅かな数人以外には「聖罰の儀」と称した一方的な虐殺が行われる。
ちなみに、聖都周辺の大地に穿たれたクレーターは、彼女の宝具が撃ち込まれた跡である。これを見た者の多くは獅子王に反抗する気を無くしてしまう。
その最終目的は、人理が焼却された後も人間の存在を後の世に残すべく、自らが正しいと思った人間たちを保護という名目で聖都(聖槍ロンゴミニアド)の中に閉じ込め管理すること。主人公やマシュはその行いを標本と表現し、彼女のやり方を否定した。事実、獅子王にとって守るべきは「人類」であり、「人間」ではないのである。そして聖都が閉じてしまえば、例えソロモン王から人理焼却を阻止できたとしても、エルサレムは失われたままとなり、特異点の修復は永遠にできなくなってしまう。
彼女の変質した原因は、星の聖剣の返還が正しく行われなかったことに起因している。
カムランの戦いの後、ベディヴィエールは3度目さえも聖剣を返還することを躊躇してしまったため、アルトリアは死する運命の時に死ぬことができず、聖剣以外に所持していた聖槍を持ったまま彷徨う亡霊となってしまった。
闇夜を駆ける霊群――「ワイルドハント」の化身にして頭目、それが彼女の正体である。その後、人理焼却に伴って特異点の一つが彼女のいた「ifの世界」と繋がり、獅子王は第六特異点に出現し、ソロモンの意図が関与しない形での人理崩壊を招いた。
主人公らと行動を共にしているベディヴィエールは彼女と同じ世界の出身。獅子王が第六特異点に現われたのと同時にアヴァロンに出現し、マーリンによって聖剣を義手に偽装してこの特異点へ送り込まれた。そして、幾多の困難を乗り越え、自らの命と引き換えに獅子王に聖剣を返還、彼女を不死の呪縛から解き放った。この時、聖槍もまた砕け散った。
本来の自身の運命を取り戻し、野望を打ち砕かれた獅子王は、カルデアに戻ろうとする主人公らに最後の特異点の情報を教える。そして、第六特異点の崩壊と共にこの世界から消滅していった。
なお、獅子王はイベントでの立ち絵や戦闘時の台詞がサーヴァントマテリアルに登録されない。同じ例は氷の皇女などでもあり、カルデア側で召喚される際と著しく違う場合は登録されないようだ。
ちなみに、宝具である『最果てにて輝ける槍』の演出は、カルデアに召喚されるアルトリアとほぼ同じだが、聖槍を掲げた後、相手の方に槍を向ける動きが入っている(アルトリアの場合はその部分がオミットされている)。
獅子王と槍王の違い
- 槍王は元から聖剣を手にせず聖槍をメインの武器として使い続け、カムランの戦いの直後に聖槍を自ら返還して死を迎えたアルトリア。対して獅子王は元々青セイバーと同じく聖剣をメインの武器として使い続けたアルトリアで、ベディヴィエールの聖剣返還の失敗で青セイバーと異なる運命を辿った。
- 槍王の口調はセイバークラスの彼女のような丁寧語(ですます調)が基調で、人並みの感情も持ち合わせている。一方で獅子王はだ・である調で話し、基本的に己の感情を見せることもなく超然としている。
- 槍王の瞳の色は碧色(青と緑の中間)だが、獅子王の瞳は黄色みがかなり強い緑(あえて分類するとライムグリーンかライムイエロー?)。
- 槍王は霊基再臨を繰り返すたびに少しずつ軽装になり、3度目以後はマントと冠を身に着ける代わりに鎧が脱げて北半球が見えるようになる。獅子王は兜を脱ぐことはあっても、終始一貫して鎧は外さず、マントも鎧の上から着けている。
- 槍王のマントは赤く、兜に付いたたてがみのような装飾は茶色がかっている。獅子王はマント・たてがみともに白一色。
なお、タグとして厳密に使い分けされているわけではないので注意。
『見参!ラスベガス御前試合〜水着剣豪七色勝負!』にて登場した水着獅子王も、デザインは獅子王寄りだが、内面は獅子王とは別人となっているなど、公式からして分別が怪しいのでしょうがないとも言える。
関連人物
円卓の騎士の一員。側仕えの古参の騎士で、アーサー王の最期を看取ったとされていた。生前の武功で目立ったものは少ないためか、英霊の座に登録されていない。
アーサー王が死を迎える際に3度に渡って聖剣の返還を躊躇し、結果的に彼女を女神ロンゴミニアドと化させてしまい、女神となった彼女はベディヴィエールの存在も忘れてしまった。
聖剣が返還された時、聖槍は消滅し、アルトリアは人としての死をようやく迎えた。
円卓の一員にして秘書官。6章では獅子王に忠義を誓う騎士で唯一「ギフト」を『不要』とし固辞している。彼以外の人物が王に取り次ぐ事は許されておらず、ランスロットを筆頭とした一部の騎士からは獅子王を操る黒幕と思われているが、実際は生前と変わらぬ苛烈な忠誠を誓っているだけであった。忠義を貫き通し消えゆく彼を獅子王が看取る所で、第6章は幕を閉じる。
獅子王が召喚した円卓の騎士たちの中で、獅子王の方針に賛同した者たち。賛同しなかった者たちを殺した後、それぞれが獅子王から「ギフト」を与えられた(アグラヴェインのみ彼自身の考えからギフトを不要として受け取っていない)。ガレスは6章の話が始まる前に死亡したため、6章では未登場。
獅子王が召喚した円卓の騎士たちの中で、獅子王の方針に従わなかった者たち。獅子王を止めるべく獅子王に従う騎士たちと戦い、彼らに殺された。
獅子王の召喚に応じなかった唯一の騎士。彼の意思を継いだ少女は獅子王のやり方を真っ向から否定した。
『獅子心王』の異名を持つイングランド王。彼も「獅子王」と呼称される事があり、第六特異点では彼の名前が引き合いに出されていた。また自らの持つ剣をかの聖剣と同じ名前にする等、アーサー王に対し憧れを抱いている事でも知られている。
ある少女の可能性の一つで、人類の自滅を憂いて救済を求めた末、救済を諦めて全人類を賢者の石に転換し、人類の記録を大規模魔術コンピュータ「ヘルメス」に保存して記念碑とするという本末転倒な手段に手を出した。
思想こそ違っているものの、獅子王も成そうとしたことは結果的にオシリスの砂と似てしまっている。