「来たか…お前の母親には世話になった」
演 /梅宮万紗子
CV/沖佳苗
概要
アクアクラスに属するタコを彷彿とさせるファンガイアの1人にして、仮面ライダーキバが初めて対峙した女性怪人。真名は“満月に引き裂かれた貴婦人の肖像”。
普段はバイオリニスト・宮澤ひとみとして活動しており、その腕前はかなりのもので自らが愛用しているバイオリンを弾きその音に釣られて1人でやって来る人々に襲いかかり捕食していた。音楽を利用して人を襲っていた為、音也からは「音楽を何だと思ってるんだ」などと怒りを買った。
なお、愛用のバイオリンはかなりのお気に入りらしく、過去編で麻生ゆりに破壊された後は、壊されたバイオリンを修復してくれる人物を求めて22年間探し回っていた程である。
能力
女性怪人ではあるが、見上げるばかりの巨体(身長250㎝、体重250㎏)を誇っており、他を圧倒する怪力を有している。
その巨体からは想像できない程に俊敏で、触手を用いて獲物を拘束してからそのライフエナジーを捕食する。
また、下肢は車輪状に変形させることが可能で、時速450kmの猛スピードで疾走することも可能であり、自身に危険が及ぶと口から黒い墨を吐き出して相手の視界を奪ってから逃走する。その他、周囲の色に合わせて体色を変化させる能力を有する。
また、頭部の造形はバイオリンなどの楽器のように、身体はネックレスとボンデージを身に付けたかのように見えるのも特徴。
主な活動歴
22年前、今後海外で活躍が期待される女性バイオリニストとして表舞台で活動していた。一方で噴水がある公園でバイオリンを奏でる事で通行人を誘き寄せては次々に襲いかかり捕食していたが、『素晴らしき青空の会』のゆりの攻撃を受け大切にしていたバイオリンを破壊されてしまい、何とかバイオリンは回収するもののその場は墨を吐いて逃走する。壊れたバイオリンを直すのが先決だと思ったのかその後ゆりに復讐しないまま22年が経った。(もしバイオリンをすぐ直していたら確実にまた襲っていただろう。)
その後22年間破壊されたバイオリンを修復できる人物を探し、密かにバイオリン修復のプロと称されていた紅渡の元を訪れ彼に修理を依頼する。
その後、彼の手により修復されたバイオリンを使い、かつて自身のバイオリンを壊したゆりの娘である恵を誘き寄せて襲いかかるが、駆けつけたキバに邪魔された挙句に今度は恵にバイオリンを破壊され激怒するとキバと戦闘に突入。
下肢を車輪に変形させるとキバと激しい高速戦闘を展開するが、キバットとの連係プレイで車に叩き付けられてしまい、最後は『ダークネスムーンブレイク』を受け絶命し、体はステンドグラスの様に砕け散った。
その後の活躍
映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』においてショッカーの同盟怪人の1人として登場している。
漫画版『魔界城の王』においては冒頭で出現したファンガイア三人組の一人として描かれている。古代文明展を訪れていた人々を捕食するために追い回していた所をキバとイクサセーブモード(=名護啓介)に追い詰められるもレジェンドルガにより暴走させられ、ガルルフォームになったキバとイクサバーストモードに粉砕された。
なおこの漫画は講談社から発売された『スーパーヒーローズ』1巻に掲載されているが、同書に併録された『クライマックス刑事』には別個体がネガタロス軍団の傭兵ファンガイアとして登場している(原作映画では怪人体が不明のままデンライナー署にやられている)。
余談
ファンガイア共通の鳥のデザインは百舌鳥。その為、頭部の両側に百舌鳥の嘴を模した突起物があしらわれている。ちなみに嘴自体はタコやイカにも存在し、硬い外殻を持つ生き物を噛み砕くほど強力な物である。
また、人間体を演じた梅宮女史は仮面ライダー響鬼にて鬼戦士の装備を開発する滝沢みどりを演じていた。奇しくも、響鬼はキバと同じく音楽に関連した作品である。
CVを担当した沖佳苗女史は後にプリキュアの声を担当する事になるのは有名な話である。