概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。別名「タンマウオッチ」。初登場エピソードはTC24巻収録「時間よ動け~っ!!」。
見た目は赤い懐中時計だが、スイッチを押すと自分以外の全ての時間を永久に止めることが出来る。時間が止まっている間は太陽も地球も、何もかもが一切動かない。スイッチをもう一度押すと、止まった時間が元に戻る。
この道具のスイッチを押した使用者だけは止まった時間の中で動くことが出来る。また、スイッチを押した時点で使用者が触れていた人や物は時間停止の影響を受けずに済み、使用者と共に時間が止まっている世界の中で動くことが出来る。
しかしTC35巻収録「なんでもぬいぐるみに…」では、ドラえもんがこの道具を使用して時間を停止させた際、傍にいたのび太はドラえもんに触れていなかったにも関わらず、時間停止の影響を受けていなかった。
一度時間を止めた後に、止まっている人や物に触れたとしても、それらの時間が動き出すことはない。
しかし時計故に壊れやすく(学習漫画『ドラえもん 宇宙大探検』では太陽の至近距離でも問題無く使用可能という凄まじい耐久性を発揮しているが)、落としたりして破損してしまうと時間が止まった世界で永遠に生きることになってしまう。使い方を間違えれば非常に怖いひみつ道具と言える。
唯一の救済方法は、時間停止の影響を受けない時空間内に保管された「タイムマシン」に乗って時間が止まる前の過去に行き、まだ動いているドラえもん等といった未来の道具を扱える人物に時計を直してもらうしかない。
関連道具
- ウルトラストップウォッチ
「タンマウォッチ」の姉妹品と言えるひみつ道具。
外見や効果はタンマウォッチとほぼ同じだが、道具を作動させた際、使用者の周囲にいる人物は使用者に触れていなかったとしても時間停止の影響を受けないという点が異なる。また、既に時間が止まっている者にウルトラストップウォッチ本体で触れれば、その者の時間停止を解除することが出来る。
早い話が『キテレツ大百科』に登場した「脱時機」の小型版。
ただし『日本誕生』に登場するギガゾンビは、ウルトラストップウォッチによる時間停止を23世紀の技術で無効化している。
- 狂時機(マッドウォッチ)
この道具を使用すると、周囲の時間を加速・減速・停止することが出来る。詳しくは項目を参照。
- 時門
小さな水門型のひみつ道具。
この門を閉めると、水門が水の流れをせき止めるように、時間の流れをゆっくりにすることが出来る。例えば門を3分の2ほど閉めておくと、宿題や仕事等で5~6時間作業し続けていたとしても、実際には30分程度しか時間が経過していない状態になる。また、TC31巻収録「時門で長~~い一日」の作中でドラえもんが「日本中、いや、世界中の人が、君のせいで酷い迷惑したんだぞ!」と言っていることから、この道具の効果は全世界に及ぶことが分かる。
ただし「狂時機」とは違い、こちらは時間の流れを遅くしても人間の動くスピードや体感時間等は変化しない(上記の「時門の長~~い一日」の作中では、時門の効果で時間経過が遅くなっていた際、草むしりをしていたドラえもんは「(長時間の草むしりで)腰がメリメリ言うよ。二時間がこんなに長いはずがない!」と言っており、この道具を使用して一日中遊んだのび太はウトウトしながら「眠いはずだ。ほんとなら、もう夜中になってるはずだもんね」と言っており、パパもウンザリしながら「二日分ほど働いた気がするのに、まだ会社が終わらない」と言っている)。
大山のぶ代版アニメ「時門」では、門を閉めている時間が長過ぎた場合、閉めた門を開けた直後の時間の流れが早くなってしまうという設定が追加されていた。
門を全て閉めてしまった場合はどうなるかについては、原作では描かれていない。漫画版『緑の巨人伝』に登場した際は、門を完全に閉め切ると地球全体の時間が停止するという設定になっていた(ただし地球以外の時間が止まることは無く、作中では別の惑星にいたドラえもん達は時間停止の影響を受けていなかった)。
- ちょっと待っタイマー
映画『のび太の結婚前夜』に登場。
「使用者の周囲にいる者は時間停止の影響を受けない」という点では「ウルトラストップウォッチ」と似ており、こちらは時間停止時に「ちょっと待った」、解除時に「もういいよ」という掛け声を掛けることで発動する。
作中では、トラックに轢かれそうになった未来ののび太と迷い猫を助ける為にドラえもんが使用した。
- タイムコントローラー
上記三道具の完全上位互換と言える道具。同作者が描いた漫画作品『T・Pぼん』に登場するタイムパトロール隊員専用アイテム。
魔法のステッキのような形状をしており、上部のダイヤルを回すことで時間軸をずらすことが出来る。これにより、周囲を加速・減速することが可能で、時間停止も行える。
余談
強力過ぎる効果である為か、派生作品では独自の弱点が追加されることが多い。
『ドラえもん』を題材としたゲーム作品『のび太と光の神殿』や『みんなで遊ぼう!ミニドランド』では敵の動きを止めるアイテムとして登場しているが、一定時間経つと敵の行動不能が解除されてしまう。
『魔界のダンジョン』では敵を永久に行動不能にするアイテムとして登場しているが、有効範囲は一部屋程度となっており、プレイヤーが攻撃すると敵の行動不能が解除されてしまう。それだけでなく、ボスに至っては一定ターンが経過すると行動不能が自動的に解除されてしまう。
水田わさび版アニメ「ようこそ、地球の中心へ(後編)」では一定時間経つと時間停止が解除されてしまう仕様となっており、映画版『緑の巨人伝』では時間停止こそ永続するものの、地球以外の時間までは止められない設定となっていた(漫画版では上記の通り「時門」を使用している)。
尤も、これらのエピソード及び映画作品が例外であり、その他の原作エピソード(2008年版「時間よ動け~っ!!」、2015年版「なんでもぬいぐるみに…」)がアニメ化された際は原作通りの効果及び設定となっている。